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にっき。~月代の場合~








あと数時間。数時間で<エルダー・テイル>の拡張パックが導入される。可愛い妹は、夜更かしが得意ではないのに今日ばかりはカフェオレを飲んで頑張っている。妹は明日は大学の講義が休みのようですが、私自身は明日も出勤なんですがね…。可愛い妹の為ならこれくらいは良いでしょう。私自身はカフェインの摂取は控えてホットミルクを飲みながら妹の隣で自分のノートパソコンを開いて日付が変わるのを待っていました。待っていたはずなのですが…。









こんなことがあるんだろうか、正直自分の目を疑いたいというのが今の本音ですね。目の前に広がる光景は自然と混乱する人々の姿。まずどう考えても私の部屋ではありませんね。SF小説ならば、異世界に来てしまったといったところでしょうか。夢…などと考えるには五感で感じる実感がありすぎますね。ということは、やはりこれは私自身に現実として起きていることなんですね。そしてこの装備は…、つまりそういうことですよね。確率として、あの子にも同じことが起きていると考えた方が良いですよね。





良かった、見つけた。…少し落ち着いたらどうですか、どう見てもここは私の部屋ではありませんよ。え、声ですか?いつもと変わりませんよ、まったくいい加減になさい。ええ、これはまさに私の『月代』の<エルダー・テイル>の装備です。自分の姿も確認なさい、いつもと違うものを身に纏っていますよ。





可愛い妹はどうやらここが夢の世界であると勘違いをしているようですね。先ほどから止まることのないあくびに、周囲を払い私の膝を貸すと言えば素直に眠りにつく。確かに、いつもなら夜遅い時間まで起きていられない子ですからね。時間だけで考えるのであれば限界が来たのでしょう。それにしても、ここは間違いなく<エルダー・テイル>の世界。ゲームそのものの世界であるならば、ステータス画面が…出ましたね。間違いなく今の私は『月代』であり、膝に頭を乗せ眠りについているのは可愛い妹である『眠り姫』ですね。どうやらログアウトとGMコールの機能は凍結されているようですが、それ以外の機能は問題なさそうですね。フレンドリストは…、なるほど今日に限ってギルドの皆さんもログインしていたようですね。…これは念話でしょうか。




洸くんですよね、ええ月代です。どうやら全員ログインしているようですね、フレンドリストを確認していたところです。はい、合流したいところなんですがうちの姫君が眠ってしまって。はい、恐らくいつものように明日の朝までは眠ったままかと。合流は明日で、本当にすみません。





ひとまず、合流は明日ですね。場所としてはビルの一角をお借りしていますから、危険が迫る心配はないでしょう。幸い気温も低いわけではないのでこのまま一晩明かしても問題ないでしょう。この子、いえ『我が姫』は私がお守りしなければ。もっとも、この場所で襲ってくるものと言えば冒険者(プレイヤー)ですが今はPKをやろうなどと考える余裕もないでしょう。






どうやら異世界に来てしまった。

明日の仕事はどうしたらいいものか。

一先ず、大切な妹も同じ世界に飛ばされていたが無事に保護できたので良し。

仲間たちと早く合流するべきか。









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