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21.

〈注意事項〉


※15歳以上推奨作品です。

※敬語表現に間違いがあるかもしれません。あまり気にしないでいただけると幸いです。


〈あらすじ〉

 パウラから魔術界での差別について教えてもらったアリス。パウラが少し寂しそうなのも気になるが、ついにお使いの日がやってきた!

「——うっわ! 外国だ!」


「……そらそうだ」


 目を爛々と輝かせる桃子に対し、俊宇は小さな声でポソッと呟いた。


 ついに、城下町へやってきた。メンバーは、アリス、桃子、俊宇、ユーゴの四人。今日のミッションを行う、一時的なチームメイトだ。


 アエラス王宮から、城下町であり首都のキュクノスまで、門を使って移動した。それも、王宮仕えしている人だけが使える門で、人目につかない裏路地に繋がっている。


 魔術師というのは、この世界の人々の憧れの的。だからこそ、魔術師のプライベートが守られるよう、こうしたシステムになっているらしい。その一環で、アリスは髪の色まで変えられた。今は、ラファエルと似た赤茶色の髪にグレーの瞳を持つ少女だ。千夜族の二人も、目深に帽子をかぶっている。


 アリスたちが降り立ったのは、キュクノス有数の商店街であるリノッモ。活気あふれる声が飛び交う通りの丁度真裏にある、小さな貸倉庫だった。


 苔の生えた石の道、家、日の光が入らない薄暗い路地。


 アリスからすれば、あまり入る機会はないがよく見る風景。だが、桃子にとってはそうでなかったらしい。ただの路地なのに、相変わらず日本人形を持って興奮している。


「なあ、斎。本当に大丈夫か?」


 目を爛々とさせている桃子に、ユーゴは本当に心配そうな目を向けた。


 というのも、ユーゴは出発前にアリスと一緒に、レオからとんでもない情報を聞かされていたのだ。


「大丈夫だって! ユーゴくんってば、心配性だなぁ」


「……桃子、鞄」


「鞄が何?」


 首を傾げた桃子に、俊宇は大きなため息をついた。


 桃子が肩から掛けているポシェットは、彼女のお尻部分に来ていたのだ。しかも、鞄の口を止めているのはボタン一つだけだ。


 これだ。


 レオが言うには、桃子が住んでいた国の人たちはとにかく隙があるらしい。そもそも、国全体が平和なのだという。だからこそできる、隙だ。


 アリスがもしも悪い人なら、確実に桃子の荷物を()っていただろう。


「……それ、()られる。……お前の国の人たち、……警戒心無さすぎ」


「それ、外国が物騒なだけじゃん」


 そんなことを言いながらも、桃子はポシェットを体の前に移動させた。


「あと、絶対に掏られないから」


「……なんでそう言い切れる?」


「中にいるの、お松ちゃんとお竹ちゃんだもん」


「……ああ」


 なぜか俊宇は納得しているが、アリスにはさっぱりだ。


「えっと、ごめん」


 思わず、アリスは黒髪の二人に声をかけた。


「色々と聞きたいんだけど、まず『お松ちゃん』と『お竹ちゃん』って誰?」


「ああ、この子たちだよ!」


 いつもの人形を俊宇に預け、桃子はポシェットから二体の日本人形を取り出した。正直、アリスにはそれぞれ着物の柄が違う以外での見分けがつかない。


 それにしても、日本人というのはこういった怖い人形をずっと持ち歩いているのだろうか。だとしたら、ある意味怖すぎる国だ。


「こっちの松柄の着物に黄色の帯がお松ちゃん。こっちの竹の柄の着物に黒の帯がお竹ちゃん。いつも抱っこしてるのは、お梅ちゃん。ほら、柄が梅の花でしょ?」


「あ、うん……。す、すごく、その、ユニークだね」


「ありがとう!」


 満面の笑顔の桃子は松と竹の人形を再びポシェットにしまい、俊宇から梅の人形を受け取った。


 それを見計らって、アリスは「あのさ」と桃子に引きつった笑みを向けた。


「それで、えっと。そのお人形さんたちが入っているから、()りには遭わないって、どういうこと?」


「ああ、私の『家系特性』だよ。悪い人が来たって、二人が追い払ってくれるから大丈夫って話! さ、時間もないし、もう行こう!」


 それもそうだと、男子二人は桃子に同意して三人はアリスの前を歩き出した。


 三人より一、二歩遅れて歩き出したアリスは、ボソッと呟いた。


「『家系特性』って言われたって、分かんないよぅ……」

お読みいただきありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
式神みたいなものなんでしょうか。きになるーー
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