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領地の事で頭を悩ませている内にあっという間に時は過ぎエリーゼ様とのお茶会の日になった。
「……という訳で悩んでいるんですよ」
どうせ黙っていてもバレるだろうし、俺はエリーゼ様に領地の件の事を話した。
「それは……、多分お父様は特に考えていないと思いますよ。 誰かに言われてそのまま実行したんじゃないか、と思います」
「え? 誰かに言われた、てそれって国王として問題があるのでは」
「えぇ、国にとって重要な案件を自分の意思で決めるのではなく他人に任せるなんて国王としての資質はありません。 でも、お父様はそういう方なんです」
そう言ってルイーゼ様は苦笑いをした。
いや、娘からそんな評価を受けているなんて国王は気づいているんだろうか。
「もし不満があればお兄様に進言いたしますがどうしましょうか?」
「いや、不満は特に無いけど、まず人員が必要になってくるし後、屋敷が無いのも問題だし、色々エリーゼ様をお迎えする前にやらなきゃいけない事がある」
「それ、2人で協力してやりませんか?」
はい?
「私も王族の端くれとして領地経営の勉強をしてまいりました。 戦力になると思います。多少の土仕事も大丈夫です」
そう言って前に出るエリーゼ様。
……なんか凄く頼もしい雰囲気を出している。
そうだよな、なんでもかんでも1人で背負うなんて無理だよな。
魔獣との戦いだって信頼出来る仲間がいたおかげで生還出来たんだ。
最初の頃は俺が突っ込んで魔獣と戦っているのを見て部隊長に咎められた事があった。
『お前は死に急いでいる。 失う物なんて何も無いと思っているんじゃないか? そんな心情では仲間に迷惑がかかる。まずは仲間を信頼しろ、そして生きろ。 お前を馬鹿にした輩を見返すぐらいの気持ちを持て』
そんな事を言われて漸く冷静になれたんだよな。
まさか、平和な日常になっても教訓が生かされてくるなんてな。
俺は改めてルイーゼ様に向き合った。
「ルイーゼ様、俺と一緒に領地を盛り立ててください。そして、一緒に人生を歩んでください」
「えぇ、レオン様よろしくお願いいたします」
2回目にして俺はプロポーズをしてしまった。