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久しぶりに兄貴と語らい酒を呑み自室でぐっすりと寝た翌日、城からの使いがやって来た。
「報酬? 勲章なら既に貰っているけど」
「それは部隊としての功績に差し上げた物で特に活躍されたレオン様には特別報酬をご用意させていただきました」
「特別な報酬というのは?」
「まず、クライド家を男爵から子爵家へと格上げになります」
「えっ!? 我が家が子爵家にですかっ!?」
これには兄貴が驚きの声を上げた。
「国王様はラックス子爵の仕事ぶりを高く評価しております」
「あ、ありがたき幸せです」
「次にレオン様には新たに男爵位を贈与する事になりました」
「えっ!? 俺が男爵っ!?」
次に俺が驚きの声をあげた。
「それだけでは無く領地も用意しました」
「しかも領地持ちっ!?」
俺は兄貴と目を合わせた。
いや、兵役終えたらどうしよう、て考えていたけどっ!?
基本、貴族の次男坊て婿に出されるかサポートをするか家を出るかなんだよね。
つまりは将来が明るい事は無い。
だから男爵でしかも領地持ちなんて至れり尽くせりだ。
「そしてですが……、レオン様は独身でおりますよね?」
「え、えぇそうですけど」
「それならば良かったです。 第5王女であるルイーゼ・アルバニー様とのお見合いをご用意させていただきました」
……え?
俺が王女とお見合い?
「え、一男爵の俺が王女様とお見合いて、どういう事ですか?」
「実はルイーゼ様がレオン様に一目惚れしたそうで」
えぇっ!?
「レオン、こんなチャンスは他には無いよ、ルイーゼ様は王族の中でも評判の良い方だ」
「勿論、将来的には結婚という事も考えていただければよろしいか、と」
俺は正直、頭が真っ白になり何も考えられなくなっていた。