王太子視点
私はミゼル・アルバニー、アルバニー王国の王太子だ。
私には兄弟姉妹が沢山いる、これも父上である国王が側妃を複数作った結果だ。
兄弟姉妹仲はそんなに悪くない、まぁ父上に関しての心証は良くないのは全員一致の意見だ。
なんせ、実の子供に興味が無く放置状態なのだ。
しかも、私が王太子になると仕事を押し付けられ自分は外交と称して遊び回る日々。
『将来の為』とは言うが面倒な事から逃げているだけで私の中では『絶対になりたくない悪い大人の代表』の様な人物だ。
そのくせ、大事な事を勝手に決めてくる。
妹であるエリーゼの婚約も父上が勝手に決めた事だ。
不安に思っていたら案の定、相手は本命がいてエリーゼは一方的に婚約破棄をされたのだ。
それで抗議すれば良いものの父上は『国の関係の為』と言って特に抗議をする事は無かった。
堪忍袋の緒が切れた私は父上を一時的に拘束した。
勿論、父上は喚き散らしたが、私はこう言ってやった。
「貴方が国王として機能してないから我が国は他国から舐められているんです。 今後は私が実権を握らせてもらいます。 父上には表舞台から消えていただきます。 別にクーデターを起こそうとしている訳ではありません。 これは兄弟姉妹全員の総意です」
父上は真っ白になっていたよ、まさか子供達全員から嫌われているとは思っていなかったらしい。
いや、好かれる要素がどこにあるんだろうか。
そして、私はまずエリーゼの元婚約者のいる国に対して国交断絶を宣言した。
我が国は多くの国と隣接している為、商売とか輸入輸出に関して重要な場所だったりする。
つまり貴重な外資が入ってこなくなる。
事を大きく見たその国はエリーゼの元婚約者である王子を王家から追放処分となった。
そして、新たなエリーゼの婚約だが、エリーゼから先の魔穴事件で手柄を立てた戦神レオンと婚約したい、と言ってきた。
素性調査をしてみれば人柄に問題無しと判断し私は賛成した。
父上には余計な口を挟まない様に全てが整った後、報告するつもりだ。
エリーゼには今度は幸せな結婚生活を送ってもらいたい。




