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僕が考えた最強装備

 ケイスケは、2歳になる少し前くらいから、毎朝、三種の神器を装備して(正確には、お母さんに着けてもらって)、

(今日もボクはスゴクなったでちゅー!)

 って、ご機嫌になった。


 神器の1つ目は、アニメでケータくんが着けている腕時計と同じ腕時計だ。何かのオマケでもらった安物だが、そんなことはケイスケには分からなかった。ケイスケにとって、ケータくんは憧れだった。ケータくんは、腕時計を使って妖怪達を友達にできる。名前が自分と似ているから、親近感もあった。ケイスケは、ケータくんの友達の妖怪達も大好きだった。かわいいし、面白いし、中には頼りになる奴もいる。ケータくんと同じ腕時計を着けると、自分も妖怪達と友達になれそうな気がした。


 2つ目は、お母さんの白いエナメルのベルトだ。ケータくんがベルトをしているのを見て、自分もしたくなった。まだ上手にしゃべれなかったケイスケは、画面のケータくんのベルトを指差して、一生懸命、お母さんに訴えた。お母さんは理解してくれて、

「でも、お父さんのベルトは、穴にピンを指すタイプだから長さをあまり調整できないし、ケイちゃんのウエストに合わせられるのは、このエナメルのベルトしかないわねぇ…」

 って言いながら、腰に巻いてくれた。ベルトの色はケータくんのとは違っていたけど、ケータくんに近づけた気がして、とても嬉しかった。


 3つ目は、自転車用のヘルメットだ。幼児向けアニメのキャラが描いてあり、前後に延びるスリットが入った、かっこいい形のやつだ。これを被ると、お父さん・お母さん・ソウスケと遠くまで出かけることができた。公園へ行ったり、ショッピングモールへ行ったり、すごく楽しかった。お父さんが、

「おっ、『ケイスケは ヘルメットを そうびした。しゅびりょくが 10あがった!』ってか」

 って、ゲームのアナウンスの真似をしながら、ケイスケの頭をバシバシ叩いてきても、全然痛くなかった。ヘルメットはすごいって思った。


 三種の神器は、家にいるときはもちろん、出掛けるときにも装備した。双子姉妹の家に遊びに行って、そのママさんの手作りお菓子を頂くときも、装備したままだった。家の中でヘルメットは必要ないとか、ヘルメットを被ったままではお行儀が悪いとか、そんなことはケイスケには関係なかった。アニメを見ていて気付いたからだ。

(いつ、どこで、ワルモノと戦うことになるか分からないでちゅ)

 幼児といえど、常に備えていなければならない。


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