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一種の愛を叫んだワイフ

 新婚旅行には「パック旅行」を利用した。ケチなのではない。合理的なのだ。

 選んだプランは、パンフレットで、列車の窓からニュージーランドの自然を存分に堪能できることが強調されていた。車窓からの景色を紹介する5分間の長寿番組のテーマ曲が頭の中を流れる。とても魅力的だ。参加者が殺到して締め切られてしまったら大変、と急いで予約した。

 しかし、結局、他の参加者はいなかった。皆さん、列車で移動するリーゾナブルなお値段の旅はお嫌い? さすがに、サラリーマンに挟まれて移動とか、「ここ空いてます?」って座ったりとかではないよ?

 なお、半日~1日の単位で、他のプランの参加者(日本人だけでなく、外国人も含む)と一緒になることもあった。


 さて、他のプランの参加者と共に貸し切りバスで田舎町を観光している途中でのことだ。ニュージーランド人(と思われる)の運転手(ガイドを兼ねている)が、英語で、

「ここで少し止まって休憩するけど、すぐ後で、近くの大きなトイレがある場所に行くから、ここの小さなトイレに行く必要はないよ」

 と説明した。しかし、

「近くに大きなトイレがあるから、行っとけ」

 と言われたと誤解してしまった。

 小さなトイレは人が並んでいたから、近くにあるという大きなトイレを探した。なかなか見つからず、おかしいなと思いつつも歩き続けた。

 一方、運転手は、全員が戻ってきたと勘違いし、バスを出発させた。

 あせった嫁は叫んだらしい。

「マイハズバンドが来てません!!」

 上記を英語で叫んだのではなく、文字通り叫んだらしい。

 運転手は、日本語を話せなかったが、雰囲気で理解できたのか、

「OK~、OK~」

 と返事しながら止まってくれた。

 これが1週間におよぶ新婚旅行のハイライト。


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