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待ち人運の悪さを恨んだ車

 お父さん:「ついに、我が家にも、車がやってまいりました!」

 お父さん・お母さん:「「ワーッ!」」 パチパチパチパチ(拍手の音)。

 ケイスケ:「…。」

 ソウスケ:「…。」

 お父さん:「それでは、レッツ・ゴー・ドライブ!」

 お母さん:「オー!」

 ケイスケ:「…。」

 ソウスケ:「…。」

 ノリ(車だけに)が今一つな子供達だったが、それなりに嬉しそうだ。車が走り出すと、ソウスケは、

「イヒーーー!」

 って奇声を上げた。ソウスケは、嬉しいとき、奇声を上げたり、飛び跳ねたりする癖がある。

 ソウスケ:「自分んちの車で、みんなで、出掛けられるなんて、最高だね~」

 お父さん:「そう言ってもらえると、頑張って買った甲斐があったよ」

 そうは言っても、購入当時で既に使用年数が約10年、走行距離が約7万キロの中古の軽だったけど。結構、凹みや引っ掻き傷もある。お値段は25万円という安さ。ちなみに、いざ購入となると、整備費だとか保険料だとか税金だとかで、追加費用が結構掛かり、お父さんはションボリした。


 子供達にとって、車は、よいことばかりではなかった。お母さんの運転が怖かったのだ。

 ペーパードライバーだったお母さんの練習のために、お父さん・お母さんが車で出かけるとき、まだ小学1年生で、しかも普通の子よりも甘えん坊だったケイスケ・ソウスケは、お留守番をすることができず、一緒に乗った。お母さんは、特に何か失敗した訳ではないけど、自信なさげなことばかり言うから、2人は不安になってしまった。それに、2人が何かしゃべると、すぐにお父さんに、

「死にたくなければ、黙ってろ」

 って、お母さんの集中を乱さないように注意された。

 お母さんは、お父さんと一緒でないと、車を運転しなかった。でも、ある日、1人で運転することを決意した。その日は、すごいドシャ降りだった。それに、ケイスケ・ソウスケの家は学校から割と遠い。だから、子供達が学校からビショ濡れになりながら帰ってくるだろうことを可哀そうって思ったのだ。もちろん、お父さんは、仕事でいない。

 お母さんは、まず、近所(住宅街)の同じ道を、何回も何回も、とてもゆっくりと、車で走った。やがて、少しずつ、周回する範囲を広げていった。自信がついてきたら、学校の近くまで行ったりした。そうやって下校時間まで練習した。そして、子供達を乗せて帰ってきた。

 お父さんが帰ってくると、お母さんは、その日のことを自慢げに話した。お父さんは、ゆっくり近所をグルグルしている不審な車が通報されなくてよかったって思った。

 今では、お母さんは、普通に、車で買い物をしたり、子供達を病院に連れて行ったりしている。子供達も、お母さんの運転を怖がらなくなった(レンタカーや高速道路は別)。

 子供達が生まれる前に、お父さんに何かの失敗を責められて、

「じゃあ、まっくん(仮名)は、私が何でも出来るようになってもいいの!?」

 って本気で言い返した頭が少し残念な人は、もう、どこにもいない。念のために書いておくと、お父さんは、お母さんに漫画の登場人物のようなドジっ娘属性を求めたことは一度もない。現実世界のドジっ娘は迷惑なだけだ。


*以下、お父さん視点。


 近所の中古車屋さんで、後に我が家の愛車となる軽を見かけたとき、その形状が一目で気に入り(色は今一つだと思った)、その日に購入を決めた。嫁に言わせると、「衝動買い」である。

 もちろん、衝動買いなどではない。子供達が大きくなるにつれ、自転車に子供達を乗せて買い物や病院に行くのはきつくなっていたから、たびたび中古車屋さんをのぞいていたし、買う前に試乗もした。その軽の担当者が若い女性だったことも全く影響していない。


 その軽には、大変お世話になり、今もお世話になっている。買い物や病院へはもちろんのこと、「ちば眺望100景」(平成18年選定) (*1)をコンプリートする勢いでプチ旅行にも連れていってもらった。沢山の思い出をもらった。

 しかし、高速道路では、音がうるさいし、振動が大きいし、ハンドルが動かしづらく、かつ安定しない。だから、身体への負担が大きいし、会話も大声でなければならない。高速道路に入るたびに、小学生の頃、親父がパチンコの景品で取ってくれた安物のローラースケートを思い出す。あの振動・騒音・扱いづらさには辟易した。とにかく、遠出には向かない。

 一方で、コロナの感染を避けるために旅行を控える風潮は弱まってきたから、少し遠くへも出かけたい。サウメン (*2)だからといって、県外で思い出を作ったことでバチが当たるということはないだろう。

 だから、この原稿で「〇〇〇〇〇〇大賞」に応募し、入選して書籍化されたら (*3)、軽から普通車への買い替えに賞金及び印税を当てるつもりだ。なに入選が決まったかのようにほざいているのか、というツッコミは受け付けない。

*1:実は92箇所しか選定されていない。さらに幾つかは展望台等が既に存在しない。ただし、その経年変化も大人にとっては面白かった。

*2:サウザンドリーブズのメンバー

*3:作品紹介で述べたように見事落選。


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