ばっちい話のアソート
*汚い話が苦手な方は、お控えください。
その日の幼稚園のドッジボールでは、運動がとても苦手なソウスケが珍しく活躍したようで、お母さんは、お父さんに少し興奮しながら報告した。
「片手をズボンのポケットに突っ込んで、もう片方で鼻クソほじってたけど、逃げることに徹してたから、最後の方まで中に残ってたのよぅ~」
お父さんは思った。
(逃げることに徹したからではなく、ボールに鼻クソがつくのを相手チームが嫌がっただけでは?)
鼻クソといえば、当時、ソウスケには鼻クソを食べる癖があった。お父さんもお母さんも人生で初めて見る驚愕の癖だ。お父さんは、その癖をやめさせようとしてソウスケに言った。
「きたな~い、って、A子ちゃん(仮名。イニシャルはAではないし、「子」もつかない)に嫌われちゃうぞ」
すかさず、お母さんが、
「A子ちゃんも食べてるから」
どちらかが先に食べているのを見て、「なにそれ、おいしいの?」って真似をしたのだろうか。もし、手本となったのがソウスケだったら…。
(大事な娘さんをキズモノにして申し訳ございません)
そんなことをお父さんは思った。
お母さんはときどき呟いた。
「ソウちゃんが病気しないのは、鼻クソから色んな菌を摂取して、免疫をつけてるからかな…?」
ちなみに、小学校高学年になった現在(2024年)は、さすがに食べることはなくなった。だけど、ほじり過ぎて鼻血を出すことがしばしばある。
癖といえば、ケイスケには、小学校低学年くらいまで、吐き癖があった。乗り物酔いで吐くことは言わずもがな、食べ過ぎで吐いたり、はしゃぎ過ぎて吐いたりした。新しく担任になった先生が、ケイスケが吐いたのを見てびっくりしたときに、周りにいるお友達が「いつものことだから」って、先生をなだめるくらい、よく吐いた。
5歳くらいの頃、ケイスケは、サファリパークでライオンのエリアを通過しているとき、はしゃぎ過ぎて吐いてしまった。ソウスケは叫んだ。
「イギャーーーッ! くさいーーーっ! たすけてーーーっ!」
他の車から見たら、ライオンが怖くて悲鳴を上げているように見えたかもしれない。車内に酸っぱい匂いが充満したが、周りをライオンが闊歩しているから、窓を開けるわけにもいかない。ケイスケ以外の3人にとって、もらいゲロをしないようにする苦行が、これまでで一番きつくて長かった思い出だ。
ついでに汚い話をもう3つほど。
ちゃんとしゃべれない頃のケイスケ・ソウスケが、おもちゃ売り場のお試しコーナーで遊んでいるとき、ケイスケが一時停止しているのを見て、お母さんは、
(あ、うんちしてる)
って気付いた。トイレは、ちょうど、お試しコーナーの近くにあったから、ケイスケをトイレに連れて行くとき、ソウスケに、一緒に来るか、このまま遊んでいるか、言葉や身振りで尋ねると、遊ぶ方を選んだので、ケイスケだけをトイレに連れて行った。
トイレから出てきたお母さんは、ソウスケが、柱に隠れ、顔半分だけを出して、苦笑いしながら、こちらを見ていたので不思議に思った。
「どうしたの?」
近づいていくと、少し臭っている気がした。ズボンのお尻を見ると膨らんでいる気がする。中を確認するとやっぱり。隠れていたのは、しゃべれないくらい幼くても、ばつが悪いと感じたかららしい。お母さんは喜んだ。
(うんちした状態で遊び続けていた頃に比べれば成長だわ)
同じ頃のある日、お母さんが、ケイスケ・ソウスケとお風呂から上がろうとしたとき、ソウスケは、まだ、湯船に浅く張られたお湯で遊びたがった。だから、お母さんは、先にケイスケだけを連れてバスルームから出て、ケイスケの体を拭いていた。そしたら、
「ヒャア~~~」
ソウスケの悲鳴が聞こえてきた。お母さんは、慌ててバスルームに入った。そしたら、ソウスケが、うんちに追いかけられながら、湯船の中をグルグル走っていた。湯船で粗相をしてしまい、ばっちいと思って逃げたら、ソウスケが動くことで生じた流れに、うんちがソイヤ!って見事に乗ってしまったらしい。お母さんは大笑い。
(汚いけど、うんちに追いかけられるなんて、絵本みたいだわ)
それより少し後の、ある日、リビングでくつろぎ始めたお父さんは、床に落ちている小さな黒い塊に気付き、拾い上げながら、
「あれ? 最近、麦チョコ食ったっけ?」
お母さんに問いかけた。そしたら、
「あっ! それ、多分、ケイちゃんのうんち! 食べないで!」
お母さんは慌てて叫んだ。
その頃、ケイスケの意思とは関係なく、硬くて小さいうんちがコロンと出て、ケイスケの痩せている足とブリーフとの隙間から落ちてしまうことが、たびたびあった。前夜に麦チョコを食べていたら、多分、お父さんは、「おっ、ラッキー」って食べてた。危ない、危ない。




