表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/29

初恋は大体において黒歴史になる説

 ケイスケ・ソウスケは、幼児向けアニメで、2人が大好きなオレンジちゃん(仮名、♀)がホワイトマン(仮名)に熱を上げている様子を見て、

(ホワイトマンになりたい!)

 って思った。だから、まだ、ちゃんとしゃべれてもいないくせに、ホワイトマンの真似をして、自分のことを「私」って言ったり、「~です」とか「~ません」って丁寧な言葉を使ったりすることがあった。

 オレンジちゃんは、バイ菌をモチーフにした3頭身のゆるキャラで、身体の大部分がオレンジ色だ。お父さんは、お母さんから、ケイスケ・ソウスケがオレンジちゃんを好きだっていう話を聞いて、

(子供達が見ているアニメには、ちゃんと人間の姿をしている女の子も登場するのに、なぜ?)

 って、2人の将来が少し心配になった。


 ある日、ケイスケ・ソウスケは、お母さん・鳥取のおばあちゃんと一緒に、赤ちゃん・幼児向けの色々な物(オムツや玩具)を売っている大きなお店に行った。

 お母さんがトイレに行っている間に、おばあちゃんと歩いていたソウスケは、ブルーちゃん(仮名)のぬいぐるみを見つけて即座に手に取った。ブルーちゃんは、オレンジちゃんの妹分で、概ね、オレンジちゃんの色をブルーにした姿をしている。ぬいぐるみの大きさは、大人の両手に収まるくらい。一方、ケイスケは、商品は自分の物ではなく、自由にしてはいけないと分かり始めていたから、何も取らなかった。

 ソウスケは、ブルーちゃんを持ったまま歩いて三輪車を見つけた。

(いいこと思いついちゃった!)

 ソウスケは、三輪車のカゴにブルーちゃんを入れ、三輪車に乗った。

(ブルーちゃんとツーリング! ワーイ!)

 少しして、満面の笑みを浮かべながら三輪車で遊んでいるソウスケを見つけたお母さんは、(あれ?)って思った。そして、オレンジちゃんのぬいぐるみを取って来てソウスケに見せ、

「オレンジちゃんでなくていいの?」

 ソウスケは、

(あ! オレンジちゃんもあったんだ! しまった! オレンジちゃんに嫌われちゃう!)

 マッハでブルーちゃんをポイってして、必死の形相でお母さんに手を伸ばした。お母さんは、

「ちょっ! 商品にそういうことしないで!」

 って叱りながらブルーちゃんを拾い上げた。幸い、お店の床はキレイで、ブルーちゃんは汚れなかった。

 その後、おばあちゃんに何か買ってもらえることになって、今まで我慢していたケイスケは、ぬいぐるみ売場に直行して、迷わずオレンジちゃんのぬいぐるみを取った。そして、2人とも買ってもらった。


 何日かして、おばあちゃんは帰って行った。

 ケイスケは、オレンジちゃんのぬいぐるみをギュッって抱き締めてみた。オレンジちゃんは小っちゃくて抱き締めにくかったけど、なんか温かい気持ちになった気がした。オレンジちゃんの顔に頬ずりをしてみた。表面の布が毛布みたいに柔らかくて気持ちいい。そして、おでこや鼻も繰り返し擦り付けた。

 お母さんは、その様子をこっそり動画として撮影して、おばあちゃんへメールした。

 ちなみに、お父さんは、その話を聞いて、やっぱり、少し将来が心配になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ