怒りの女騎士
伝令兵「報告します。魔王軍が出現しました。」
女騎士 がたっ!
伝令兵「そのまま街へ向かい、衛兵隊や住民たちと約束していた友好野球試合に参加し居城へ戻っていきました」
女騎士は落胆した。
伝令兵「なお、試合は5対4で街民の勝利。衛兵がさよならホームランを打ったそうです」
女騎士「報告ご苦労であった。下がっていいぞ」
返事をした伝令兵は女騎士の肩がわなわなと震えていたのを目撃し、退出した。
女騎士「諸君、報告を聞いてのとおりだ。解散していいぞ。ただし、次のものは残れ。姫、女戦士、女戦士僧侶、女エルフそして、村娘」
残りの者が退出し、部屋には女騎士と彼女に指名されたものだけが残った。
女騎士「魔王をはじめ魔物たちの草食化が深刻だ。私は魔王軍出没の報告に歓喜した!戦いの末〝くっ、殺せ〟と言えると信じていたのだ!だが奴らは、事前に友好野球試合のアポをとり、なんの謀略も無く試合に敗戦しても笑って帰っていったのだ!圧倒的な暴力で圧倒し、メスを見つければ性的に襲いかかる!それこそが魔王軍ではないのか?それが現実では、優しい魔王!きれいなオーク!地域住民と友好的で和気あいあいとした魔王軍!」
ちきしょーめぇ!
女騎士はそう叫ぶと手にしていた兜を床に投げつける。
女騎士「さっきも言ったが私は期待したのだ!圧倒的な暴力に屈し、命乞いをしながら犯される。そう、何度も何度もそれを繰り返され私は堕ちて行くのだと!〝くっ、殺せ!〟と〝やめろっ!私にひどいことをするんだろ?エロ漫画みたいに!エロ漫画みたいに!〟のどちらを叫ぼうかも悩んだほどだ!」
女騎士のテンションは上がっていく
「魔王軍は玉なしやフニャちんばかりだっ!なんだ!魔王自ら赴いて野球なんてっ!?奴らは揃いもそろって単性生殖でもするのかっ!ここに残ってくれた私が見込んだ淫乱達ならばきっと理解してくれるはずだ」
村娘 (私、処女なんだけど…なんで呼ばれたの?)
女戦士「そうは言うが、魔物や魔族であっても子供達はかわいいぞ」
女騎士「誰もがショタであれば人間、魔族、魔物を性的に喰おうとするわけじゃね−んだよっ!?」
女戦士「…。」
女騎士はため息を付き、自分の下腹部を撫でる。
女騎士「飲むぞ」
扉の外で、なにか音がした。
扉の外では女騎士を食事に誘おうとしていた男が膝から崩れ落ちそのままの体勢で呆然としていた。
その目からは涙が零れ落ちそうであった。
彼は魔王軍との友好試合でサヨナラホームランを打ち、賞品をもらった衛兵である。
門の警備をしていた兵士は衛兵を励まそうと、無言で衛兵の肩に手を置きサムズアップをする。
衛兵の目から涙がこぼれ落ちた。
おわれ