エリカはこわい
「え、えっとぉ」
エリカの顏から薄い黄色のゼリー状のものが流れてきた。
汗?汗が液体じゃないの?そもそも汗なのかこれは。毒とか?威嚇武器?油絵の具をぬりたぐったような原色。たまにカサブタみたいな塊が混ざっている。
顔は真夏のヨモギ葉のような、濃ゆい色。この汗らしき流れるもので、色が薄れることはない。
キモイ。キモすぎる。
美人できれいでスタイルがよかったエリカのイメージはない。見た目がぶっ飛んでいる。
もしかして今まで気づかなかったけど、実は汗は黄色だったとか。緑色だと目立つけど、肌色だ気づきにくいとか。どうでもいいことが頭の中をかけまわった。
「ツバサは関係ない」
わたしは答えた。
エリカの目が吊り上がってきた。もう、馬面ではなくなった。鬼でもない。森の妖精が化け物になったらこんな感じなのだろうか。
「ツバサが言ったんだね」
エリカの低音が響いた。コワイ。
「言ってない」
エリカの顔色は変わらない。最終形態の色がこれなのか。でも、顔の表情が険しくなっていく。わたしを睨んでいる。こわいって。
「ツバサは言ってない」
「ウソつかないでよ」
「ホントだから」
「なんだよそれ」
は?威嚇ですか?なんでわたしが気を使っている設定なんだよ。バカバカしい。
「ツバサはわたしの事好きじゃないのは知ってたし。なんで、わたしにそんなこと言う必要あるの」
落ち着いてきたのか、緑色がさめてきた。鮮やかな緑から、緑へ。緑から肌色へ。目から白目も戻ってきた。黄色のゼリー汗も引っ込んでる。青と赤にはならなかった。
「で。ツバサの部屋から、わたしの部屋に移動したわけね。あの出入口で」
「ああ、あの、球体」
「なんで、勝手に部屋に入るの」
「そっか、ごめん」
「ドアも破壊したよね」
「ごめん」
そうだった。壊した。なんか隠していると、思っていたから。
「わたしの部屋、入らないでって言ったよね」
「言った」
そういえば言っていた。でも、部屋散らかっているからって理由じゃなかったっけ。球体浮いてるだけの部屋。汚いからって理由はウソだった。わたしだけが悪いのかなぁ。
「あたしたちのこと、どれくらい知ってるのよ」




