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托卵   作者: 桐谷 光
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宇宙人ってなに?

 あれから、マコトといろいろ話をした。

 エリカのこと。ツバサのこと。職場のオニのこと。めぐみ先輩のこと。

 ほんとうに宇宙人?そんなの存在するの?

 一人で家にいるとき、ふとした瞬間に宇宙人のことを考える。自分に種を植え付けられるのは怖い。怖いけどこんなことが起こるのか、疑問にも思う。


 土曜日。チャイムが鳴った。ベッドの中で手を伸ばす。目覚ましを掴んで見たら8時。もう一度目を閉じた。すると、怒涛のようなチャイムの連打が始まった。仕方ないから起きてドアを開けた。

「おはよう」

 マコトが眩しい笑顔で言った。

 はあ。だと思った。

 ドアを閉めた。また怒涛のチャイム連打攻撃。

「なに」

 ドアを開けた。

「おかしいだろ、開けろよ」と、マコト。

 クソ面倒くさい男だ。

「あのねえ、今日はお休みなんだけど」

「こんなに天気のいい日は、外で散歩だって法律で決まっているの知らないのか」

「休みの日は遅くまで寝ていいって憲法に書いてある」

「ウソつくな」

 なんなんだ。この生産性のない会話は。

「そっちもウソでしょ。こっちは朝ごはんも食べてないんだから」

「おいしいの作ってやるよ」

 マコトが家に入ってきた。これ、家宅侵入でしょ。

 わたしが文句を言う前に、すでに彼は手を洗って、フライパンをレンジにセットしている。

 しょうがないから、こたつに入った。冷たい。

 こたつのスイッチをつけて、テレビをつける。二人で会話なしもしんどい。

 マコトとは終わると思っていのに、終わりはきていない。なぜだ。

 何も考えられず、テレビを見ていたら朝食が運ばれてきた。

 フレンチトーストとコーヒー。驚いた。まじで。女子力高い。

「今日、どこ行く」

 なぜか、付き合っているようなセリフ。付き合ってませんから。

「行かない」

「こんなに天気がいいのに。ピクニックでも行かない?」

 フレンチトーストをかぶりつきながら、マコトを見た。この寒い時期にピクニック?絶対に行きたくない。頭の中どうなっている。考えて、いいことを思いついた。

「ねえ、ツバサの家に行きたくない?大家の息子なんだから合鍵あるでしょ。お父さんに借りてきてよ」

 ピクニックよりは面白そうだ。

「は?犯罪だろそれ」

「こっそり借りてきてよ」

「ムリだから」

「借りてきて」

「ムリ」

「大丈夫だって。ツバサは仕事でいないし、ばれないから」

「そんな問題じゃない」

「仕事に行っているから大丈夫。ツバサが宇宙人だってことを証明したいの。あらを探す、証拠が出る、本人に見せる。カンペキ。わたしを諦めてくれるじゃない。このままだったら、あいつらの子どもにくわれるよ、わたしは。移植法方だって知らないのに、どうやって自分を守るのかわかんないし」

「本人が知らないうちに移植なんてできないんじゃないの」

「知ってるの?なら教えてよ」

「知らねえし」

「わたし、殺されるじゃん」

「子どもが、食う?あるわけない」

「ほんとうに知らないの?」

「知らねえし」

「宇宙は広いんだよ。どんな生態系があるかなんて、マコトにはわからないでしょ」

「分かんねえよ」

「こっちはね、そんな悠長なこと言ってられないんだよ。わたしが死んでもあなたは関係ないだろうけど」

「関係あるよ」

「じゃあ、助けてよ」 

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