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托卵   作者: 桐谷 光
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パニック継続中

 午後からの仕事は何も手につかなかった。

 エクセルが斜めに歪んで見える。大きく背伸びをして、トイレに行って鏡に映った顔を見た。くま。くまができている。化粧が取れないくらいに顔に軽く水をつけて、ハンカチで拭く。そして、両手でほっぺたを軽くたたいて、気持ちを切り替える。

 洗面台に手をついて、鏡を見た。写っている自分の顏。やつれている。

 深呼吸した。

 めぐみ先輩が宇宙人?

 ありえないし、考えられない。

 いなくなった部長にも腹が立った。自分がケガして休んだせいで、同じフロアーのめぐみ先輩がみんなにお茶を配って、そのお茶を出す先輩に暴言をはいたのだ。ありえない。

 トイレに誰かが入ってきた。ポケットに入れていたハンカチで手を拭く。

 そのまま経理課に戻って、自分の机に。座った。

 パソコンのキーに手をのせた。でも、頭の中を宇宙人が占領している。

 めぐみ先輩はエリカとは系統の違う宇宙人。あの馬面美人彼女がウソをついていなければ。

 何の目的でウソをつく必要がある?

 エリカとツバサの喫茶店の話もウソ。大がかりのデマ。わたしを騙そうとしたのだ。何のため?わからないけど。

 大体あんなところで、あんな聞かれたくない話するのか。するならツバサの部屋でしないか。一人暮らししているし、多分いっしょにいるんだから。

 ツノは?フェイク?いや、フェイクじゃなかった。いやいや、フェイクかも。彼女のツノ触らせてもらえばよかった。そしたら、わたしのカサブタ、触るかな。それはまずい。ウソがばれる。 

 ツバサのツノは鋭利だった。触ったら、キレてたかも。あれはフェイクじゃない。やっぱり、宇宙人か。あー。やっぱりわからない。

 もーいや。

 同じフロアー、おとなりの総務課を見た。先輩はバリバリに仕事をしている。そうだった、株主総会あるんだった。忙しそうだ。宇宙人かあ。宇宙人なのか。仕事してる。事務職かあ。

 思考停止。

 ワケが分からない。

 雑用は減った。自分の仕事だけすればいい状態なのに、仕事は進まない。部長補佐は進捗情報を聞いてこない。それもストレス。サイアク。

 部長なら、臨機応変に誰かに仕事を割り振っていただろう、でも部長補佐はそれができない。わたしの仕事は膨れていて、締め切りまじかがまあまあ残っていた。よくこの状態で、休んでいいって言えたな。

 人が一斉に立ち上がった。帰る準備をしている。壁の時計を見る。退社時間。マジか。もう、こんな時間か。社員が減っていく。残業もできない雰囲気。何も終わってない。

 あー、もう嫌。残業を申し出た。懇願したというべきか。

 とにかく鬼か宇宙人かってことを一旦忘れて仕事に専念しなければ。

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