第18幕 手のひら返し
応接室から戻ると、他の社員の目が刺さる。
まるでカミソリで俺の心を抉るようだ。
スカンクは未だに方針状態。
ここにいても疑惑の目で睨まれるだけだ。
外に出よう。
今日は心優しいおばあちゃんが少し話を聞いてくれたぐらいだった。
それもただ優しいだけであって別に商品を買うつもりはないみたいだ。
まあ怒鳴られたりするよりマシだ。
スカンクからの資料押し付けもないみたいだし会社に戻って帰り支度をするとしよう。
「小田〜!」
会社に戻るとスカンクが抱きついてきた。
頼むからやめてくれ。
「ど、どうしたんですか?いきなり」
「頼む。俺のことは殺さないでくれ。」
はぁ〜……。何言ってんだこのオッサン。
「頼む〜。今までのことは謝るから…。」
「社長の甥で時期社長にもなるかもしれんこの俺の人生…。」
「奪わないでくれ〜。」
「お願いですから離してください!」
ついスカンクを跳ね飛ばしてしまった。
「………」
「やったな小田!見たかみんな!」
「こいつ暴力を振るったぞ!」
「懇願するこの俺を!」
なんだこいつ…。
いきなり強気にでて… 。
「こいつ!実は暴力的側面を持ってるんだ!」
「カッときたら手を上げる!」
「前の4人だってそうだろぉ!」
「もう……話をしても無駄なようなので、帰らせていただきます。」
「逃げるのか!小田!」
無視だ。
こんなやつ…。
俺は急ぎ足で会社を出た。
明日からの仕事が嫌になる。
これから会社でどう接していけばいいんだろう。