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第17幕 ノンキャリアの意地
「ちっ。」
「あのガキのツラ、本当に気に食わねー。」
俺はビルの外から出ると、タバコに火をつけた。
「だからっていくらなんでも強引すぎます!」
「確かに彼にとって憎い相手達が残酷な形で死を迎えた。」
「1番疑われるのは当然でしょう…。」
「ただ、少しやり方を変えた方が…。」
こいつの考えはほんとに甘ぇな。
「うるせぇ!青二才に何がわかる。」
「こいつが中心に事件が起こっているのは確かなんだ。」
「やつが犯人で無くても、必ず近くに真犯人がいるはずだ!」
そうだ。
あいつが関わってることに変わりないんだ。
「木原夫婦が殺される前に、あいつは社内で大沢のことを暴露された上に殴られてるんだ。」
「それにアリバイも無し。」
「あいつが怪しいに決まってるだろ!」
「ま、まあ確かに。」
「前にも言ったが、徹底的にだ。」
「いいな?」
「はい…。」
大鷲は不満気だが、この事件!
必ず俺が解決してやる。
見てろよ。
キャリアのカスども。
現場もろくに知らねぇくせに、上からものを言いやがって。
俺がノンキャリの意地ってもんを見せてやる。