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幸せすぎる添い寝

 食事が終わり、片付けなど家事をこなしていく。

 夢香が手伝ってくれるので助かる。



 そんな当たり前の日常の中で時間は進み――就寝前。



 俺はひとり自分の部屋にある布団に寝転がっていた。スマホでネットニュースをぼうっと読む。


 戦争、事件、不祥事、炎上……世界はなぜこんなにも混沌としているのだろうな。


 さて、エロ動画でも見て寝るか。

 ポチッとブックマークを押した瞬間――夢香が部屋に入ってきた。ノックせずに!



「お兄ちゃん、あのさ――え……」



 刹那、俺のスマホに卑猥な映像が映し出された。



「…………ぁ」

「えっと……もしかして、お楽しみ中だった……?」



 一瞬で顔を真っ赤にする夢香は、激しく動揺してそう聞いてきた。……うわ、どうしよう、めっちゃ気まず!!



「いや、これはその……」

「言ってくれれば、夢香がお兄ちゃんと癒してあげるのに! ここに可愛い義妹がいるんだよ。欲求不満なら……言ってよ」


「なにッ!?」



 予想外すぎる返答に、俺は逆に動揺した。

 あたふたしていると、相変わらず体操着姿の夢香が部屋に入ってきた。布団に侵入してきて、俺に密着してきたんだ。



「動画なんて見る必要……ないよね」

「あ、ああ……そうだったな。俺には夢香がいたよ」

「でしょ。ほら、一緒に寝てあげるから」


 添い寝されてしまった。

 こうなったら、もうエロ動画に用はなかった。そっと閉じて、俺はスマホを放り投げた。さらば、俺の秘蔵のエロ動画。



「一緒に寝るか……」

「うん、夢香をぎゅ~っとしていいからね」



 足なんか絡ませちゃって、俺はもう逃げられない。

 ……この距離感、最高だ。


 今日ほどの最良な日はないだろう。


 俺はあまりにも幸せ過ぎた。



 良い匂いがする。

 ふわふわのもちもちの感触。

 可愛い表情と煌めく瞳が俺を見つめる。


 なんて心地よいまどろみ。このまま夢の世界に落ちるのはもったいないくらいだ。でも、(まぶた)が重い。


 夢香の体温は、ぽかぽかして気持ちが良い。


 あぁ、夢香の言う通りだ。

 とても癒される。


 明日もがんばろう。

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