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王女救出計画2

「それでは博士、イルーシャ王女が安全に過ごせる場所は国内には無いという事ですか?」


「ベントラーは宰相の息子という立場を利用して政治の世界も牛耳るつもりです。

 王城では王女は慕われておられますから、この結婚を阻止したいと思う者も多数おりますが、外部にベントラーに逆らって王女殿下を迎え入れる者がいるかどうか…」


「オコーネルの盟約で王女を嫁がせる事になっているオコーネル公爵家は何と言っているのでしょう?」


「オコーネル公爵家の現在の当主様は、たしかご結婚されて小さなお子様がいらっしゃいます。

ですから盟約が結ばれた時にも、将来王女を嫁がせて、オコーネル公爵家の我が国での立場を盤石にさせたいと言っておられたと思います。

 ですから今、王女殿下を迎え入れて欲しいと言っても受け入れるのは難しいかと」


 外国に逃がすといっても宰相の息がかかった近隣の国は難しいだろうなと、ヘンリーは500年前の歴史の状況を思い浮かべた。


「いっそのこと、卿が未来にお連れするというのはいかがですかな?さすがのベントラーも500後に逃げられたら手が出せないでしょう」


「できるならそうしたいのですが、残念ながら魔力が私達の2人分しか無いのですよ」


「そうでしたか…魔力が…いや待てよ。確か王女殿下は…」


「オコーネル卿、今から王太子殿下の所にご一緒いただけせんか?王女殿下の周りは護衛官が詰めておりますのでな。話ができないのです」


「わかりました。ご一緒させていただきます」


 私達は王太子殿下の元を訪れた。


ジョージ王太子殿下は、金髪で緑の瞳をしたとても美しい顔立ちの男性だった。

 イルドの紹介で挨拶を交わした私達は、改めてイルーシャ王女殿下の救出計画について話をした。


「グルード殿下、イルーシャ様はお小さい時に魔力過多症でよく寝込まれていらっしゃった。

 成長されて器が大きくなられた今は、魔力タンクとして魔力を供給できるのではありませんか?」


「そうだね。父上に話すことを禁じられていたから知る人は少ないが、イルーシャは大量の魔力を体内に貯める事ができる。今はこの城を外部からの魔力攻撃から守る為の魔道具に魔力供給しているよ」


「やはり魔力供給ができるのですな!良かった!

実はこのオコーネル卿は時空間魔法で500年後の世界からいらっしゃっているのです。

 イルーシャ様を逃がすには一番安全な場所と思われます。

 しかし時空間魔法で使われる魔力がイルーシャ様の分が無かったのですが、イルーシャ様が自分の移動の為の魔力を供給できるなら、イルーシャ様も500年後に送れるのではないかと思ったのです」


「イルーシャを500年後に送るのか?」


「さようです。この国にイルーシャ様が安心して過ごせる場所はございません!

500年後ならベントラーも手が出せますまい」


「そうか…私の力が弱いかばかりに妹は生まれ育った場所に居られないとは…。あれには苦労ばかりかけるな。

しかしそれでイルーシャが幸せになれるなら私は何でも協力するよ!」


「魔力的な部分の問題が無ければ、イルーシャ様は

500年後のオコーネル公爵家でお預かり致します!イルーシャ様の意思を確認してからになりますが。

 今私の手の者が、イルーシャ様の侍女殿の所に伺っております。

 できたら王女殿下に直接お会いして意思を確認できたらと思いますが」


「そうだな。まずイルーシャがどこにいたいのか彼女の意思を聞かないとな」


 それから少し話をして、私とイルド博士は王太子殿下の部屋を後にした。


 イルド博士の部屋に帰ってしばらくすると、ステラマリンも帰ってきた、

タイミングよく明日の早朝イルーシャ王女と対面する約束を取り付けてきたとのこと。

 動くのは明日だ。まだ魔力が回復していないステラマリンをゆっくり休ませなければならない。

 イルド博士が城の客室を2部屋確保してくれたので私とステラマリンは客室で休む事にした。


「では、イルーシャ王女がご自分の分の魔力供給をしていただけるのですね?」


「そうらしい。これで3人で500年後に帰れる。まあ、明日イルーシャ王女の意思を確認してからになるがね」


「わかりました。では明日イルーシャ王女の部屋の前にいる護衛が交代する隙を見て侍女様が部屋に入れる算段をつけて下さるそうです。

 明日の早朝迎えが来るそうですからよろしくお願いします」


「わかった。ステラマリンも今日はお疲れ様。

明日の為にゆっくり休んでくれ」


「はい、ヘンリー様もお疲れ様でした。おやすみなさい」


 そうして私達は明日に備えて休んだのだった。





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