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王女救出計画

(ステラマリン視点)


 私はイルド博士の話を聞いていて、王女の名前がイルーシャと聞いた途端に全部腑に落ちた。

 イルーシャ王女が私のお母様に違いないと…。

 お父様が言っていたお母様の名前もイルーシャだった。

会う前からわかるのだ。きっと彼女は私と同じ金色の髪に緑の瞳だろう。

 500年前のこの王城で、お父様とお母様は出逢うのだ…


「…テラマリン…ステラマリン?」


 私は考え事をしていてお父様が呼んでいるのに気がつかなかった。


「はい、何でしょう?」


「博士の補佐をしておられるハーシュ殿の姉君が王女殿下の侍女をしておられるそうだ。

 王女殿下の侍女である姉君が味方になっていただけたら心強い。

 女性である君が侍女殿を訪問した方が不審者に見えにくいだろう。行ってもらえないだろうか?」


「はい、わかりました」


 それから私は部屋を出て、ハーシュ様と侍女の控え室を目指した。

 途中でハーシュから声をかけられた。


「ステラマリン様は本当に500年未来からいらっしゃったのですか?」


「そうですよ。時空魔法で飛んで参りました」


「うわ〜時空魔法使いか!カッコいいですね!」


「ハーシュ様、ちょっと声を抑えて下さい。私は一応侵入者ですから目立つのは困ります」


「あっ、申し訳ありません。僕はハーシュ・クローズと言います。クローズ伯爵家の三男です。よろしくお願いします!

今から会う姉は、伯爵家の二女でフラン・クローズと言います」


「ありがとうございます。私はステラマリン・オコーネル公爵令嬢です。と言っても500年未来の話ですが」


 ハーシュ様は20才の文書管理部の文官だそうだ。

 姉のフラン様は22才で王女殿下の侍女として3年勤めているらしい。

 彼からいろいろ話を聞いたが、宰相の息子のベントラーは、その横柄な態度で城の者に嫌われていた。

 だから王城にいる者達は、この結婚をどうにか阻止できないかと思っているが、なかなか良い方法が見つからなくて困っていると言っていた。

 彼らと協力できたら、とても助かる事だろう。


 侍女の控え室の入り口でハーシュ様はフラン様に私を紹介してイルド博士の元に帰って行った。


「それにしても、ステラマリン様は王女殿下に似ておられますね。髪も瞳の色もですが、お顔立ちも姉妹と言われてもおかしくありませんわ」


  やっぱり王女殿下がお母様なんだわ…


「そうなのですか?もしかしたら遠い血縁関係があるかもしれませんね」


 私は笑顔で誤魔化しながら応えた。

そして、王女殿下の救出計画がある事を伝えて、協力してもらえないか聞いた。


「王女殿下も周りにいる者は、それはベントラーを嫌っていますから、この結婚を阻止できるのなら協力は惜しみません。

 私達もいろいろ考えたのですが、ベントラーの手が逃れる安全な場所というのが無いのです。

 国内に逃げれば必ず追っ手がかかるでしょう。

かと言って国外に逃げる伝手もございませんし…。

そこでいつも話が頓挫するのです」


 私は不思議に思っていた。私の魔力では満タンまで貯めても500年時を超えるのは2人が限度だ。

だけど、一度イルーシャ王女は500年時を遡って、お父様と結婚して私を産んだのだ。

 いったいどうやって時を遡ったのだろう?

やはりこの事は、お父様に相談しなければならない。


 私はフラン様に王女殿下とオコーネル卿を会わせる事はできないか聞いてみた。

 すると、明日の朝早くなら人目につかないようにして会わせる事ができると言われたので、約束を取り付けてイルド博士の元に帰ったのだった。








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