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ステラマリン公爵令嬢2

 私ステラマリン公爵令嬢が彼女達を知ったのは10才頃だっただろうか。

 歴代のオコーネル公爵家の当主と夫人の肖像画が並ぶギャラリーで、私と同じ金の髪に緑の瞳の3人の夫人の肖像画を見つけた。


 私はお母様の姿を知らない。

お母様は身体が弱く、私を産んですぐに亡くなったそうだ。

 正式な結婚をする前に亡くなったので、ここに肖像画が置かれる事は無い。

 そして私の金の髪と緑の瞳。お父様の色では無い。

レジーナ夫人、マルゲリータ夫人、シャルロット夫人。

 この3人の女性からの遺伝だとしたら、この3人がオコーネル公爵家に嫁いで来なければ良いのではないかと考えた。

 そうすれば、私が生まれて来る事は無く、私がアリス男爵令嬢が言う小説の中のアクヤクレイジョウになる事も無くなるだろう。

 

 私は、最初にレジーナ・パレス子爵令嬢の日記を読んで、彼女がよく行く学園の温室に行った。

 そこでベンチのすぐ横にガシュラの若木が花芽を膨らませているのに気がついた。

私は、お父様と領地に視察に行った時にガシュラの木の蜜は魔蟲の大好物だと聞いた事があった。

 魔蟲は大型の蜜蜂で強力な毒を持っている。

ここにガシュラを植えた人は、この花の蜜が危険だと知らずに植えたのだろう。

 私は温室の窓をそっと開けて離れた。

私の思惑通り、魔蟲はガシュラの花の蜜に惹かれ温室に巣を作った。

 あとは休憩時間に木の下で騒げば、興奮した魔蟲に刺されるはずだ。

 魔蟲は、金色が大嫌いなのだから、金色の髪をしたレジーナ嬢が刺される可能性は高い。

 

 しかし彼女はヘンリー父様がテラスに誘導したら保安部の先生に通報した。

 私は日記に安全な道が記されているのに、他の人も刺されない、より安全な道は無いかと探したレジーナ嬢の行動に驚いたのだ。

 

 運命は自分で変えても良いのかもしれない。


 それから私はマルゲリータ嬢とシャルロット嬢は、先の日付けの日記を見えないよう隠蔽しただけで何もしなかった。


 するとマルゲリータ嬢もシャルロット嬢も自力で最善の行動を取ったのだ。


 私の運命は、このままだと小説の通りに処刑されて終わるのだろう。

だけど彼女達のように私も運命に抗ってみても良いのではないのだろうか?

 やれるだけやって、それでも変わらなければ納得できるけれど、何もしないで私の人生を人に決められるのは嫌だ!



 このままじゃ終わらない。

 

 終わってたまるか!





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