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08:日本家屋完成

 スキル『超絶不幸』を消しても何事もなく動ける俺は、作物エリアを強化することにした。巨大トマト以外の種も創成して、同じように品種改良を行った。


 ただ俺が食べるだけならそれほど量は必要ないし、俺の場合は種があればいつでも作物を作ることができる。しかも出来立てほやほやだ。


 それでも魔力を頼っているのはどこか不安に感じる。もし戦いが起こって、魔力がそこを突いた! 体力を回復するのにご飯を食べなければ! でも作物を育てるには魔力が足りない! という感じになったら終わりだ。


 魔力を貯蓄しておく、作物を貯蓄しておく、もしくは作物に必要な栄養を送っておき、必要な時にすぐに成長する、とかができればそれはもう十分すぎるが、そこまでは望まない。


 魔力を貯蓄する方法はスキルでありそうだから先生に聞くとして、スキルで作物を取り立ての状態で保存できる方法を聞いておこう。


 今は、どの季節でも強く育つ作物に焦点を当てて品種改良を行うことにした。それに加えて素人でも育てることができて比較的早く育つことができるようにするのも……できそうだ。


 とりあえず魔力で品種改良を行った作物の種たちを風魔法を操作して植えていった。作物一つ一つが大きいから、距離をあけて種を植えていくとかなりの場所を取ったが、これでも俺の領土全体から見るとほんの少しだ。


 水は水魔法で管理して、水はけがいいようにはしておいた。


 これを一人でするのは疲れるから本当にいよいよアンドロイドの作成にかからないといけないなぁ。作り出したら人工知能だから俺よりも有能そうだ。


 そして作物が作りがひと段落したところで日本家屋の方に意識を割いた。並行思考というだけで、そのすべては俺の思考だからどれだけ進行しているのかが作物エリアを作っている間でも分かっている。


 日本家屋を作るのに木材だけでは足りないから元素スキルを使っていることで、俺のレベルはどんどんと上がっていっている。まぁそれに合わせて俺の魔力も着実に減って行っているわけだが。


「ふぅ……」


 今日初めて魔力を使っているからどうなるのかが分からなかったが、魔力を使っていると体力が減っているかのように疲れてくる。身体的な疲労ではなく、内から来る精神的な疲労だ。


 だが日本家屋はあと少しで作り終えるため、俺は気張ることにした。


 そして一時間もしないうちに、立派な日本家屋が俺の目の前に完成した。しかも立派も立派で、どこの官僚が住んでいるんだよとツッコミが入りそうな日本家屋だった。


「はぁぁぁ……」


 風魔法に元素スキル、それにアカシックレコード先生と同時使用していたことでまぁまぁの疲労が溜まっているのが分かった。途中までは作物も作っていたからそれは当たり前か。


「ん?」

『生活Lv5になりました。ファーストエクストラゲームクリア』


 日本家屋が完成したと同時に俺の前にその文字が現れて、ゲームクリアを知らせてくれた。たぶん家と食料が揃えば、Lv5になっていたのか? 分からないが。


 さらに続いて文字が出現した。


『現在のゲームクリア者 01/50』


 お? もしかしなくても俺が第一クリア者なのか? それは光栄なことだ、誰もこんなことで一番になっても喜ばないと思うがな。


 さてさて、早速完成した日本家屋に入ることにするか。ついでに少し休みたいところではある。


 日本家屋の玄関から靴を脱いで中に入る。この、歴史など皆無だけどめっちゃ立派な家の感じも堪らなく好きだな。


 畳とかも俺の元素スキルから作り出していたり、かなり元素スキルを使ったな。これなら普通に木造建築にでもした方が楽だったが、まぁそこはロマンということで。


 さすがに二階建てにするのは魔力が足りないからという理由で一階建てになっているが、それでも一人で住むには十分すぎる部屋の多さだ。


 俺は俺の部屋と想定していた六畳の部屋に入る。


「ふぅぅぅぅ……」


 俺は座りごちのいい座椅子に座って背もたれにもたれかかる。一気に色々なことを詰め込んだせいか疲労が一気に来ているが、それでも達成感が俺の中で満ちていた。


 この家を俺が作ったのかと思うと、感慨深さがある。ていうか本当に俺はこの世界で何をしに来たのだろうか。今のところ俺は家とか作物を作って異世界を満喫しているだけだぞ?


 ……あー、寝そう。ただこれで寝てしまうと時間を無駄にしているような気がする。だがこの七日間は安心して眠れる時間だとも言える。


 それでもこの七日間で万全の領土にすれば、この七日間が過ぎたとしても安心して眠れる時間になる。だからなるべく眠ることは避けたい。


 今は少しでも回復するために体をぐてぇとさせて、なるべく休むことにした。それでも疲労が取れないのなら仮眠をとるか。


 ……ハッ! いかん、寝てた! 座っているだけで寝そうになる。こんなになるのは生まれて初めてだ。疲れるまで体を動かすのも今までロクにしたことがなかったからな。


 仕方がない、ここは仮眠をとることにしよう。このままでは効率が悪くなってしまう。


 だけどこの日本家屋には家具がほとんどなくて、あるのはこの座椅子と目の前にある座卓だけだ。だから寝るにしてもこの座椅子で座って寝るか、畳の上で寝るしかない。


 だが俺はこだわりのある男、ふかふかの布団、自身にあった枕で寝たいのだ! そこは俺の魔力と要相談だな。


『真名:高森幸人 レベル:23

 職業:賢者、木こり、仕立屋、料理人、農民、鍛冶屋、科学者、大工、錬金術師、漁師、薬師

 攻撃:1393

 耐久:493

 速度:231

 至妙:1961

 体力:731(693/731)

 魔力:5901(792/5901)

 魔攻:1461

 魔防:5601

 スキル

 言語理解、スキルリライト、完全記憶能力、脳内処理速度強化、並行思考能力、思考加速、アカシックレコード、取捨選択、魔力栄養補給、伐採王、豪腕Lv3、製糸、器用Lv3、道具マスター、超味覚、初級魔法:火、初級魔法:水、魔力栄養、魔力品種改良、初級魔法:木、熱耐性、鍛冶空間、元素生成、元素配合、元素操作、事象解析、念力、初級魔法:大地、初級魔法:使役、人体改造、魔力強化、魔法無効化、精神異常無効化、催眠、言霊、魔防透過、時間操作、ワープゲート、心眼、虚言、発言力、好感度メーター、自由歩行、透明化、気配遮断、気配浸透、気配察知、視線誘導、視力強化、動体視力強化、超嗅覚、超聴覚、スキルクリエイト、スキルスティール、スキルブレイク、スキルキャンセル、フェロモン、誠心誠意、親切選択肢、好感度上昇ブースト、異性状態異常確認、状態異常操作、初級魔法:闇、初級魔法:光、初級魔法:雷、初級魔法:風、初級魔法:氷、初級魔法:霧、感知結界、守護結界、移動結界、スキル玄人、種創成、網作成、釣竿作成、漁船作成、千里眼』


 残りの魔力があと792なのか。うーん、これはやるべきか、やらざるべきか。先生に確認したところ、100以内で俺のお望みの布団は作れるとのことだ。それはやるしかない。


「……ッ、これは少しくるな」


 残りの魔力が少ないせいか、元素スキルを使っている中で意識が飛びそうになる。だがこれは慣れていないせいなのだろうか。あっ、慣れていないせいだそうです。先生ありがとうございます。


 ということはこうして魔力を使っていかないと肝心な時に使えない可能性が高いということか。しかも魔力がゼロになれば気絶するそうだが、慣れていなければその前に疲労で気絶するみたいだ。


 それなら一旦布団を作りました、そして俺の部屋に布団を敷き、枕もセット、今まで浮かすことができていた寝間着に着替える。


「始めますか」


 布団の中に入り、俺は魔力を使うことに慣れておくために、なるべく魔力を使い切ることにする。これでいつでも気絶してもいいようにする。


 あっ、最初は目覚まし時計にしておこうか。


 魔力切れになって気絶した場合、一定量まで魔力が回復しないと無理やり起こされたとしてもすぐに気絶してしまう。だがこれも慣れによるものらしく、慣れれば少しの回復量でも気絶から回復する。


 ただ慣れていない場合は半分まで回復して気絶することはないが、マックスまで回復しないと体力が全快であっても目覚めることがない。


 魔力を回復する量は人それぞれだから、一度魔力切れを起こしてみないことには分からないから、結局のところ目覚まし時計を作ったとしても無駄になる可能性の方が高いのだそうだ。


 まぁ時計を作ったところで時間の正確さなんてこの世界じゃないから、まずそこの定義から始めないと時計の意味がない。


 とりあえずは俺と分離した意識、人工知能を作るための素材を元素スキルで生み出しながら気絶することにしよう。


 ☆


「……真っ暗だ」


 気絶した時のことは覚えていないし、どれくらい元素スキルを使っていたのかも覚えていないが、明かりも何もないから部屋の中は真っ暗だった。


 どれくらい寝ていたのかは、まぁ分からん。だけど俺が覚えているくらいで昼過ぎくらいだったから、地球と同じくらいの昼の長さなら六時間以上は眠っていたことになる。


「ん? ……うおぉっ⁉」


 とりあえず上半身を起こして目が慣れていくにつれ、布団の横で何かがいることに気が付き、それが人間の骨格をした何かだったことに驚いてしまった。しかも俺と手を繋いで!


 ……あぁ、そうか。俺が人工知能、というか人工知能の体であるアンドロイドを作り出している中で気絶したのか。


 それにしてもこのアンドロイドは俺の世界ではなかった知識だ。これはたぶん俺の世界以上に科学が発展した世界の技術なんだろうな。


 ただ俺の魔力がいつ尽きたのかは分からないが、まだまだ完成には程遠いレベルのアンドロイドだ。人間の骨格は分かるし、手を繋いでいるがその程度だ。


 とりあえず家の中の電気とか水道という大事なライフラインの完備やアンドロイド製作は明日にすることにして、寝間着で外に出ることにした。


「……綺麗だ」


 外に出ると昼間に見たままの、余った木材や作物エリアが目に入ったが、見上げた空がとても美しかった。


 輝いている星々もだが、俺の世界では見えたことのない惑星の数々がハッキリと見えていた。赤色、茶色、青色など、様々な色の惑星たちだった。


 それが夜空を彩っているようにしか見えなかった。……まさか、俺がこんな夜空とか星を見ているだけで綺麗と思うなんて思わなかったな。


 この夜空を見ていると、俺という存在のちっぽけさを自覚してしまう。まぁちっぽけさを自覚したところで、俺の行動は何も変わらないが。


 さぁて、魔力が回復したから今から徹夜でもしてできるところまでするかぁ。

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