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03:スキル選択。その二

 まずはステータス変動値の計算の方から変更することにしよう。とは言ってもだいぶ俺の中で考えは決まっている。


 ステータスは、攻撃、耐久、速度、至妙、体力、魔力、魔攻、魔防の八つからなっているが、俺的にはまず攻撃と耐久の二つはいらない。


 耐久については、俺が元いた世界の人口は何年か前で七十億人いたはずだ。俺を殺すためには七十億回殺す方法を用意しないといけないが、まぁまず不可能だ。可能だとしても、そこに耐久の数値はいらない。


 次に攻撃も大体同じ理由だが、正々堂々と戦うことをしない俺にとっては不要なものだ。だが日常生活において必要な部分があることを考えれば、×2にしておくことにした。


 逆に必要なステータスを考えた時、絶対にいるのは魔力。次に必要なのは魔防だ。


 魔防はたぶん魔法への耐久だと思うが、俺が危惧しているのはただ魔法を与えられることではなく、魔法で洗脳などをされた時だ。これで自殺とかしても、自殺が直接的な死因でも間接的な死因である洗脳に耐性がつかないはずだ。


 さてさてさて、俺が考えているスタイルを加味すると、俺のステータス変動値の計算方法はこうなる。


『攻撃2X+1→4X+1(×2)

 耐久2X+1→4X+1(×2)

 速度2X+1→10X+1(×5)

 至妙2X+1→20X+1(×10)

 体力2X+1→10X+1(×5)

 魔力2X+1→200X+1(×100)

 魔攻2X+1→20X+1(×10)

 魔防2X+1→200X+1(×100)』


 体力と速度は最初から体に期待していないから×5にして、至妙は分からないから×10、魔攻も同じ理由。大事になる魔力と魔防を×100にした。


 これをどうやって反映させるんだ? と思ったところで『ステータス変動値計算方法、変更しました』と通知が来た。これは本当に便利だな。


 とは言っても、ここからが一番面倒なところだ。


 この目の前にある膨大なスキルの中から、一万スキルポイントを消費して俺自身をカスタマイズしないといけない。


 とりあえずさっきから保留にしている『スキルリライト』を習得するためにそのボードにタッチした。


『スキルリライト(SP100)を習得しますがよろしいですか? YES/NO』


 YESと。


『スキルリライトを習得しました』


 これでステータスを見ると?


『真名:高森幸人 レベル:1

 攻撃:1

 耐久:1

 速度:1

 至妙:1

 体力:1

 魔力:1

 魔攻:1

 魔防:1

 スキル

 ≪スキルリライト≫』


 こういう感じになるのか。スキルポイントの方は『9900/10000』になっている。


 ここで一旦どういうスキルを手に入れるのか、どう考えているのか整理しよう。


 これはゲームで人間以上の知能を持った者が参加者じゃないとゲームのルールを理解できないから、必然的に心理戦になる可能性は高いんじゃないか?


 これは根本的な話だが、魔力がなければスキルを使うことはできないしレベルが上がらないとせっかくステータスの変動値の計算方法が変わっても意味がないから、手っ取り早く経験値を稼いでレベルアップする方法を模索する。


 それからどんな状況でもこちらのペースに持ち込めるスキルがあれば強い。


 逆にどうしようもない状況になった場合に戦略的撤退をするのも考えておかないと。


 スキルで可能なら精神攻撃ができる魔法とか、ルールの穴をついた攻撃に対応するスキルがあれば習得したい。


 とりあえず人間としての最低限の暮らしはしたいな。


 ていうかこの世界に知的生命体がいるのか謎だ。


 純粋な強さがあれば強いが、その強さは多彩でなくていい。単色で十分だ。


 戦わない状況にできるのなら戦わない。戦わなければならない状況なら戦う、みたいな制約ができるスキルも、これだけ数があればありそうだ。


 俺は策を講じることができても、たかが知れているから強さよりも頭の良さだな。


 こちらがやられたら嫌なこと、それは洗脳とか精神攻撃だ。だから俺もそれができるようになるのなら強いな。


 できることなら現代科学も使いたい。そもそもスキルに射撃術があるけど、この世界に銃があるのか?


 あっ、今までに食べれなかったおいしいものを食べたいな。あと未成年だけどお酒も飲みたい。


 欲を言えば、不自由のない体にしよう。


 ゴーレム、使い魔、ロボット、それらを使えれば俺が一人でも各地に向かえる。


 そのためにはマルチタスクができる頭が必要になるな。


 もう最後の方は俺の欲望がつまっているような気がするが、どうせゲームをするなら楽しくしないと意味がない。切羽詰まったゲームなんてつまらない。


 さてさて、これらを考えた時に何を習得すればいいのかを考慮しながらスキル一覧を見ないといけない。……正直に言って面倒。でも面白そう。何か俺に合ったスキルを自動で選んでくれないかなぁ。チラリ。


『自分で見て、考えてください。これは私からの愛のムチです』


 さすがにダメか。でもまぁ、これだけのスキルを一度くらいは目を通しておかないといけないわな。あっ、それなら最初に脳を強化できるスキルをゲットしておきたいな。


 攻撃系、防御系、支援系、補助系、魔法系、職業系、特殊系の中なら、補助系に分類されるのかな?


 ……あぁ、あった。『完全記憶能力(SP3)』、『脳内処理速度強化(SP1)』、『並行思考能力(SP1)』、『思考加速(SP1)』の四つくらいか。一つずつ見ていくか。


『完全記憶能力(SP3)

 一度見たものを記憶領域に関係なく忘れなくなる』


『脳内処理速度強化(SP1)

 脳の情報処理速度を二倍にする』


『並行思考能力(SP1)

 一度に二つのことを考えることができるようになる』


『思考加速(SP1)

 通常時の二倍の速さで思考を加速させることができる』


 説明を見たスキルから順番に習得した。これだけのスキルがSPが3と1になっているが、もしかしてこれは選ばれやすさでSPが上がっているのか? まぁこれだけのSPがあれば俺には関係ないけど。


 残りのSPは『9894/10000』になったが、まだまだあるな。


 次はどれにするか。知識、知性、いや、答えを導くための思考能力、その知識量。そのためのスキル構成があれば、どんな状況でも最適解を求めれる。


 ただ、これはあまり俺のやり方には合わない気がする。俺は別にそこで最適解を求めることは考えていない。


 それでも知識というアドバンテージは持っていたいところではある。そういうのは特殊系か、はたまた職業系になるのか。ていうか職業系って何だよ。


『職業系

 剣士(SP5)

 拳士(SP5)

 兵士(SP5)

 騎士(SP5)

 暗黒騎士(SP5)

 聖騎士(SP5)

 戦士(SP5)

 槍士(SP5)

 弓兵(SP5)

 魔法使い(SP5)

 僧侶(SP5)

 賢者(SP5)

 盗賊(SP5)

 暗殺者(SP5)

 召喚士(SP5)

 魔物使い(SP5)

 商人(SP5)

 錬金術師(SP5)

 薬師(SP5)

 木こり(SP5)』


 これも無限にあるな。まだまだある感じだが、スキルの詳細を見た感じ、これらはその職業系のことをすれば、補正がついて、かつ戦闘でなくても経験値がもらえるということか。


 職業と言っているのだから、一つしか取れないような気がするが……、試しに賢者でも取ってみるか。どうせ魔法を使うからこれで経験値を得られるだろう。


『賢者(SP5)

 魔法を極めた者の職業。魔法全般に補正がかかり、魔法に対しての耐性が高くなる』


 これが他の職業と同じSP5で手に入れられるんだよな? もしかして魔法使いと僧侶になっていないとなれないとか言われても、俺は知らないぞ? どうにでもなれぇ!


『賢者(SP5)を習得しますがよろしいですか? YES/NO』

「いえぇす!」

『賢者を習得しました』

「……賢者を習得したって、パワーワードだな」


 兎にも角にも、肝心なのはこの先だ。そうだな、『木こり(SP5)』を習得してみようか。ポチっとな。


『木こり(SP5)を習得しますがよろしいですか? YES/NO』

「お? YES」

『木こりを習得しました』

「お? お、お?」


 文字列の上では習得したことになっているが、ステータスではどうなっているか分からないな。ブルータス! じゃなかった、ステータス!


『真名:高森幸人 レベル:1

 職業:賢者、木こり

 攻撃:101

 耐久:1

 速度:1

 至妙:1

 体力:101

 魔力:1001

 魔攻:1001

 魔防:1001

 スキル

  スキルリライト、完全記憶能力、脳内処理速度強化、並行思考能力、思考加速』


 おぉ、ちゃんと職業というところがあるけど……、これ、職業は強くないか? これに加えて賢者は魔法の強化、木こりは木を伐採することで経験値がもらえる。


 職業系のスキルについては後にしよう。強いは強いが……力を有り余らせる可能性がある。


 それよりも俺がしようとしていたことは知識についてのスキルを見つけることだ。とっとと見つけて次に進もう。とりあえず職業系じゃなくて特殊系を見よう。


 ……ふむ、色々と興味深いのがあったけど、これかな? これだな? これしかないよな?


『アカシックレコード(SP100)

 あらゆる次元を超え、現在までの事象を記した世界記憶』


 これだなぁ、よし習得。ついでにアカシックレコード! ……あぁ、これはダメな奴だ。意識が飛びかけた。一気に情報が脳内に入り込んでくる。


 それが分かった瞬間にスキルをカットした。脳内処理速度強化とかを習得してなかったら脳が壊れるところだった。


 だけどスキルが意図的に最初にこの情報を持ってきたのかは分からないけど、このスキルを使うためには『取捨選択』の情報が流れ込んできた。


 特殊系スキルに属している『取捨選択』をタッチした。


『取捨選択(SP1)

 思い浮かべている必要な情報を瞬時に選び出す』


 これは脳を強化している今の俺にとってもいいスキルだな。習得! ……ふぅ、少しだけ頭がまだ痛い。これを治すためのスキルがあればいいが……。


『魔力栄養補給(SP3)

 魔力を変換させることで体に必要なエネルギーを補うことができる』

「えっ、なんでこれ?」


 もっと再生とか時間戻しとか、そういうのはなかったのか。でもこれはこれで普通に餓死する心配がないということだよな? 習得ぅ! そして補給ぅ!


 おぉ、頭の痛みが治まってくる。ふぅ、これで一安心してアカシックレコードに触れることができる。

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