第94話 「新たな同居人たち」
ある日のこと。俺はある服を見つめ、喜悦に浸っていた。
その服は目の前にいる女の子が着ているものだ。
少し前に奴隷商で譲り受けたネコミミ褐色ロリ奴隷のルッコラたん。
愛らしいぷに♡ぷに♡のお顔を倦怠感に染め、ぱっちくりとした大きな琥珀色のお目目をジト目にしている。
「メイド服似合ってるねルッコラたん♡」
「…………ふん」
俺の誉め言葉に顔を背けるルッコラたん。
照れちゃってきゃわいい~~~♡
着ているのは特注の尻尾が出る構造の、丈の短いミニスカメイド服さ。
黒ニーソから形成された絶対領域がエッチだ。
魅惑的な太ももにも、むっちりとお肉が詰まっていて……オイシソウだなぁ…………
凝視するうちにサワサワしたい欲求が沸々と湧いてくるね♡
そして揺ら揺らと揺れ動いて、オスを誘惑するしなやかな尻尾♡
グツグツと肉欲が煮えたぎってくるね♡
ツンデレネコミミ褐色肌ロリ奴隷ニーソメイドって、属性盛りすぎて萌えを極めている。
脳内萌え研究家の方は、次のように評論する。
白いエプロンと黒ニーソに挟まれる褐色肌。
オタク殿。これは萌えの三連コンボというものではありませぬか?
うむ。萌えの境地じゃ。
儂はこういうものが見たかった。
もっと早く見たかったんじゃが、そこは展開上の都合で色々葛藤があったんじゃ。
しかし今ここで、こうして見れることができた。
それでいいと思わんか?
限界オタクみないな感想ばかりじゃが、この萌え萌えキャラを目の前にしてみよ。
限界オタクになるぞ。
「ルッコラ!!!ステラのことはお姉さんと呼ぶように!!!わたしが先輩なんだからねっ!!!尊敬するように!!!!!」
「……………………」
「こらーーーーーっっっ!!!話を聞きなさーーーーーい!!!!!」
先輩面するステラが両腕を振り回してキレている。
しかしルッコラには完全に無視されている。
滑稽で笑える。
だがルッコラの態度には問題があるな。
それとなく行動を改めるように命じておかねば。
聞いた話ではサルビアの下でメイドとしての修業をさせているが、最低限のことしかやらないようだ。
彼女を見ていると俺に近づいてきて、静かに言葉を紡ぐ。
「坊ちゃま。情け深くお育ちになられたこと、まことに嬉しく存じます。しかし情をかける相手は選ばなければなりません。坊ちゃまの救いの手は、遍くすべてを救済できるほど大きくはないのです」
「あぁ。わかっているつもりだ」
「ですが…………この獣人は余りにも…………」
サルビアはいったん言葉を切り、非難がましい視線を一瞬ルッコラへと向ける。
ルッコラは聞いているかは聞いていないのかはわからない。
しかし意に介してもいないことは確かだ。
あまりこの家のものに馴染もうとしなさすぎるのは問題だ。
彼女自身のためにもならない。
「獣人へ偏見があるわけではありません。しかし聞くところによれば、坊ちゃまに大怪我を治して頂いたにも関わらず、まるで敬意が見えない態度。このような者を、坊ちゃまのお傍に置くことには反対いたします」
「…………………お前の意見は分かった。何かしら対応はする」
サルビアは頭を下げる。
しかしその顔には不満と、あと別の何かが浮かんでいる。
どうしたのだろうか?
他にも何か気になることがあるのかと言おうとする寸前、彼女は躊躇いがちに口を開いた。
「…………………もしかして……このような女子が好みなのですか……?私では不足なのでしょうか…………」
「いやいやいやいやいや!?!?!?そんなことはないよ!!!サルビアは最高の女性さ!!!だいす~き♡ぎゅぎゅぎゅ♡」
「坊ちゃま…………」
抱きつきに行くと、サルビアはいつものように俺の頭をなでる。
しかしその声は不安に揺れている。
どうしよう。女のこういう時の扱いなんぞ、わかるわけがない。
こういう時どうすればいいのかは、サルビアが教えてくれたことだ。
俺はまだ教えてもらってない。
一体どうしろと?
「アル様―――――!もう稽古の時間だよーーー?」
「おう!!!今行く!!!また後でなサルビア!!!!!」
「――――――ぁ……………はい。いってらっしゃいませ…………」
ナイスタイミングだステラ!!!!!
まさに天祐だ。救いの手は常に正しいものにもたらされるんだね。
いったん話を切り上げるとサルビアはいつもの調子に戻り、優雅に一礼して俺を見送った。
よし問題なさそうだ!この話はまた後でいいだろ!
そうだ。
稽古と言えば、いい機会だ。あのカスも連れていくか。
あいつの能力も把握しておかなければ、
全く気が進まないが、今後一緒に暮らしていかざるを得ないのだ。
護衛まがいのことをやってもらうようだが、そうなると主人である俺があいつの戦闘スキルを認識して運用すべきだからな。
あいつの独房に赴くとするか。
俺はあいつの部屋。俺の隣にある部屋へと向かい、扉を開けた――――――
「――――――――模擬戦?そんなのやるか馬鹿が。私は忙しいんだ。そもそも雑魚人間にエルフ様が負けるわけがない。ばかばかしい。本当に知能が劣っているな?私は下等生物にいったいどれほどの労力を割かねばならんのだ?」
部屋に入るとこのエルフの出来損ないは、ぐうたら寝転がって本ばかり読んでいる。
休日のおっさんみたいだ。
こんな冒涜的な姿、人々に見せられないでしょ。
エルフってもっと森の賢者なはずじゃん。
ちょっとどころではなく解釈違いだわ。
こんなのまるで便所から這い出てきた汚物ではないか。
もうエルフだと思わないほうがいい。
何か別の存在、卑しい下賤のオークとでも認識するか。
心の汚れがすさまじい。キモさぶっちぎってる。
お前なんて俺の好きなエルフにふさわしくない。
認めないからな。
『お前なぁ……お前の能力なんて俺がわかるわけないだろ?それを教えろって言ってんの。まだ頭の怪我が治らないのか?』
『アルタイル。貴様はこのスーパーエリートエルフ様が管理してやる。その中でヒトカスと世界最高存在エルフ様との差を思い知ることになるだろう。用件が済んだら失せろ。それとも……………滅茶苦茶にに犯されたいのかぁ?』
俺の言葉をまじめに受け取らないで、ぞんざいに扱うオークもどき耳長。
ようやく俺にその顔を向けたと思ったら、醜悪な表情で最悪な発言をする。
このショタコンキモエルフは指で輪っかを作り、卑猥に口元で前後させる。
真っ赤な舌がうねりまわり、エア手コキのポーズだ。
胸元をむき出しにして見せつけ、下品に大股を開いてその中を見せつける。
まさか…………こいつ履いて…………!?
俺はそれを凝視し、目に焼き付ける。
どうして人は欲望に抗えないのだろうか?
死を目前にしているのかもしれないのに。
これが死に魅入られるということか。
自分にウソはつけないからしょうがないね。
『ムラついてきたぞ♡早く服を脱いで来い。頭おかしくなるまで、たっぷり躾けてやる♡無様に尊厳を破壊しつくしてやる♡いうこと聞かないならボコボコにするぞ?いや絶対その顔をぐしゃぐしゃにしてやる♡選良たるエルフ様の寿命を長年費やして考案した虐待プレイを、片っ端から試してやるからな♡』
『――――――――――ッッッ!!!!!』
その発言を聞くや否や、俺は脱兎のごとく逃げた。
これ以上の相手をすれば死に等しいと、チンコはすぐに萎える。
ボコボコのボの字で俺は危険を察知し、ドアを閉めて堅牢に土魔法で閉じ込めた。
今までで最高の出来だ。極限状況の中で生存本能から、最高の集中力を出すことができたのだろう。
このまま封印したいが、なんだかものすごい音が土壁の中から聞こえてくる。
俺は時間を稼いでいるうちに、窓から屋敷を出る。
気配察知スキルでオークもどきの気配が把握できた。
屋敷のあちこちを豪速で動き回っている。
それを理解するや否や、全速力で駆ける。
安全圏へとたどり着くと、次第に冷静な思考を取り戻していく。
なんで俺は自分の家でこんなに切羽詰まってるんだ?
弱いって…………惨めだよぉ…………
面白い、または続きが読みたいと思った方は、
広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価、またはレビューしていただけると、執筆の励みになります!!!!!!!!!!




