第9話 「メイドとの日常 ステータスアップ」 (イラストあり)
月日は流れ、俺は体調を崩すことも比較的に少なくなった。
一日の限界まで体を動かして体力をつける。
体の限界値が日に日に増していくのを感じた。
子供の生命力というのは、とてつもないものがある。
無論俺の努力は口で言うには難しいほどの労苦があった。
だが生きるという執念は俺の体を動かす原動力となり、努力は実を結んだ。
俺の体は文字通り進化した。
口で長々と説明するより、ステータスで見るのが早いか。
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アルタイル・アルコル
ステータス
筋力 26
耐久力 19
敏捷力 22
魔力 9999999999999999999999999999999999
知力 61
スキル
数学lv14
科学lv13
社会学lv12
礼法lv2
芸術lv1
現代知識lv24
製作lv3
頑健lv50
病気耐性lv50
毒耐性lv30
苦痛耐性lv57
回復魔術lv42
魔力操作
【出力】lv33
【制御】lv38
【変換】lv13
【具現化】lv11
【干渉】lv41
【効率】lv14
スキルポイント残り0
チート
魔力世界最高
全スキル・魔法取得可能
成長無限
成長率アップ
アイテムボックス
ステータスオープン
スキルポイント自由割り振り可能
全言語読み書き
状態異常
多臓器不全(部分寛解)
免疫不全(部分寛解)
代謝異常(部分寛解)
血液異常(部分寛解)
内分泌疾患(部分寛解)
遺伝子異常
装備 高級な幼児服
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これが現在のステータスだ。
はいスキルポイント全部使ってスキルレベル上げました。
でも(スキルポイント)お高いんでしょう?
まぁそれなりに……
ざっとだが調べた結果、大体のスキルが1レベル上げるごとに1スキルポイントを消費する仕組みだった。
でも肉体とか運動にかかわるスキルは高かったんだよな……
なぜだろうか? 調べる必要があるな。
あと神に貰ったスキルポイントと、俺がもともと持ってたスキルポイントがあったみたいだが……
どうやってスキルポイントは稼ぐのだろうか?
神に聞いておくべきだった。失敗した。
今回は頑健と病気耐性にスキルポイントを振り、体力の根本的解決を図った。
幸いなことにスキルレベルが上がった瞬間、体が一気に楽になっていくのを感じた。
最初にスキルレベル上げた時はマジ必死で、あんまし覚えてねーんだよ。
「(おかげで体調は一気に改善したけどな」」
庭でサルビアと走り回った時は、みんな泣いてたっけ。
父上なんか感極まって、教会にかなりの寄付をしたみたいだ。
かなり大げさだと思うがな。
状態異常も部分寛解……
チートのおかげで分かった言葉だが、要するに少し軽くなったみたいだ。
だが遺伝子異常は治っていない。
期待はしていなかったが少しショックである。
遺伝子治療とか回復魔法の領分なんかな?
全然詳しくないがこの世界は『なれば?小説』でよく見た、中世ヨーロッパみたいな文明程度だし。
それじゃ治す当てがないんだよな~
医者に聞いてもチンプンカンプンみたいだったし。
いずれは子どもも貴族的に作るの必須だろうし、何かしら調査していかないと。
遺伝子異常を遺伝させるとか、あまりにも可哀そうすぎるでしょう?
多分チートなかったら今頃死んでた自信はある。
「(まずは自分の健康あってだが……)」
それにしてもスキルポイントは何時の間にかじわじわと増えていったが、取得条件が不明だ。
スキルポイントが俺の場合死活問題なんだよ。
ホンマ何が基準で付与されるか、皆目見当もつかんわ。
おそらくはスキルレベルが上昇するごとに、同じだけポイントがもらえるシステム何だろうが……
それだけでは説明できないことが多すぎる。
例えば礼法のスキルレベルが上がってた時に同じだけ1ポイント付与されてたから、スキルレベルを自分で上げることかと思えば。
いつの間にか10ポイント付与されてたりするし……
その時何してたかといえば、サルビアと最初に庭で走り回ったくらいだぞ?
そのあと彼女と遊んでもポイント付与されなかったし。
サルビアちゃんと遊んでスキルポイント手に入るなんて最高かよ。
でも世界はそんな甘くないんだね。
「(ステータス画面を見ているうちに、色々わかってきたが……)」
スキルレベルは最高が99レベルみたいだ。
また一度スキルレベルを上げたら、元に戻すことはできないらしい。
これはこれで利点もあるけどな。
肉体関係のスキルとか下げたら体に悪そうだし、覚えた魔法を忘れるってのもおかしな話だ。
とくに俺とか即死しかねなくない?
色々いじったがステータスは上がらないのな?
平均値は……30くらいか?
なんか半端だよな~
まぁあくまで目安だろうし、各ステータスの平均値が一致しているとも限らないか。
スキルレベルは基準がさっぱりだ。
あと俺は絶対つっこまない。
「(HPとかMPとかはないのか」」
HPはぶっちゃけ気力によっても左右されそうだし、数値が当てになるかも微妙だよな。
HP1とかでほっといても死なないとか、現実ではありえないだろう。
足骨折しているが、HPはまだまだあるなんてときに舐めプしてたら死んだなんてこともあるかも。
数字に過信しそうだ。
MPはどうでもいいや。チートだし。
それにステなんぞ、スキルでどうとでも補正効くだろうしな。
でも体は自分で鍛えろってことかよ? めんどくせー
「そして……! なんといってもこの魔力よ!!!!!!!!!!」
いや笑うわ。
弱い魔法とか魔力10あればうてるみたい。魔法撃ち放題ですわ。
あとちゃんとチートスキルついてる~~~嬉し~~~
「(もっと力があれば……母上を……)」
そう思ったが栓なきことだ。
俺だってそもそも前世でひどい目に遭わなければ、異世界に転生を願わずに済んだ。
結局惨たらしく死んだけど。
その場その場で力が足りないと嘆いても仕方ないと、散々に打ちのめされて思い知らされたはずだ。
それでも悔恨は止められない。
「…………」
さて取得したスキルの詳細についてだが、先述の通り当然各種耐性スキルが中心だ。
そして回復スキル。
回復魔法があったので迷わず取得。
そこまではよかったのだが、気になったのは魔力操作という項目である。
それぞれどんな効果があるのだろう?
考察するにおそらくこんなところだろうか。
【出力】……魔法の規模の指標。強化力
【制御】……魔力を操る力
【変換】……魔力の属性変換力
【具現化】……魔力を具現化する力、物体にする力
【干渉】……魔力により何らかの現象に干渉する力
【効率】……魔法を使う際の魔力消費の効率、魔法の持続性
以上のように推測して、とりあえず回復魔法のために必要な項目を取得した。
とりあえず回復魔法に必要そうな項目に、ポイントを振った。
どうせ魔法使いビルドだし、魔力操作は振っとくべきだろ。
怖いので、いくらか必要なさげな項目にも振ったが。
おそらくこれらのスキル同士はシナジーはあるだろう。
しかしスキルポイントは使い切ってしまった。
だが何度でもいうが命には代えられない。
生きることが最重要だ。
「どれも腐らないスキルだ。今回取得したすべてが今後の人生で幾度となく世話になるだろう。腐らないはずなんだ!!!」
何度見る度に、自己暗示する。
でも正直不満はある。
どれが効率の良いスキルであるか推考できていない。
各種スキルの対象や規模など把握する暇がなかったのだ。
効率厨である俺の頭と、悲鳴を上げる俺の体の間で起きたせめぎあいから導かれた結果なんだよ。
許してくれ俺の頭と体。
だからこそリスク分散のために、ばらけさせてスキルを取得した。
しかしこれこそが長期的には悪手になるかもしれない。
大体のゲームでは極振りこそが強キャラの近道なのだ。
あれもこれもと手を出していては器用貧乏になるのは自明だ。
だからこそキャラそれぞれに分業させ。
パーティでそれぞれの役割を担わせて、苦手分野を埋め合う。
「……いやいや現実はゲームじゃないんだ。極振りなんてできる環境じゃないよきっと。うんうん。これは自己暗示じゃーないって。考えても仕方ないって」
「あまりモゾモゾされると……くすぐったいです坊ちゃま」
俺が独り言ちながら頭と視線を動かすたびに、銀髪翠眼の少女が赤面して身じろぎをする。
奇妙に聞こえるだろう独り言にも反応できない程に、性感を得ているのかも♡。
この類稀なる脳細胞で、考えられる限り最高の息抜き息抜き♡ ヌキヌキ息抜き♡
そのサルビアですが今……おっぱい枕で俺に本読んでくれてまーす!!!!!
ウェーイ!!! オタク共見てるかーーー!!!
女は最高の寝具だよ!!!!!!!?!!!
サルビアこの数年で、マジのデカデカポインポインになったわ。
俺が夜な夜な育てた甲斐があった……
歩く毎にむち♡むち♡って擬音がしそうだもん。
母上がいなくて寂しいとか言えば、秒で一緒に寝てくれんだもん。
最高のぉ……ご褒美ぃ……気持ちよすぎ……だろぉ……
チョロすぎでしょ可愛いね♡
……いやそんなん言われたら断れないか。
しかも俺一応上司みたいなもんだし。
でも嫌がってないし……嫌がってないよね……?
いや母性のボランティアみたいなもんだろ。
それもメイドの業務に含まれるはずだ。
それに幼児特権だからセーフだ。こんな風にな。
「サルビア! 本読んでくれてありがとー!」
俺は寝物語に童話を呼んでくれたサルビアの胸に飛び込み、頭から抱き着く。
ポインポインのプヨンプヨンのウッヒョヒョヒョだ♡
これしゅごい~♡ 天上の悦楽じゃぁ~♡
萌え萌えメイドたまんねぇなぁ!!!
「坊ちゃま。おっぱいはもう卒業ですよ。赤ちゃんですよ」
サルビアは俺を口では窘めるが、表情は柔らかい。
しかもその手は頭も撫でてくれている。
お前それバブバブしろってことか?
そんな時はこれだ。
「サルビアは……俺のこと嫌いなの?」
くらえ! 母上そっくりの顔で上目遣い!!!
うるうる攻撃だ!
母上にべったりだったサルビアにはクリティカルヒットだ!!!
「そんなことはございませんよ。坊ちゃまのことが大好きですからね」
「本当?嬉しい!一緒に寝よ!」
サルビアはこれをすれば一発だ。
ほら……見てろよ……来るぞ…….!
「甘えん坊ですね……それでは一緒にねんねしましょうね」
チョッッッッッッロッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!