第52話 「さらば王都 婚約者との別れ」
大粒のルビーのイヤリングを、この時のために選んだ。
エーデルワイスの瞳の色に一番近い、濃い赤紫のものだ。
サルビアとステラの監修のもとでプレゼントを選んだから、多分間違いないだろう。
婚約者は袋を開けると、感嘆の息を漏らす。
俺はそのイヤリングを彼女の耳につけてやる。
そしてアイテムボックスから手鏡を取り出して、婚約者に見せた。
黒髪赤目の女の子は、様々な角度から自分の姿を見つめる。
そして髪の毛先を忙しなく弄り、挙動不審に俺の視線をちらちらと気にしている。
俺の言葉を待っているのかな?
可愛い奴め♡
永遠の愛を囁こうか……子猫ちゃん……
「似合ってる。お前の瞳と一緒で綺麗だ」
「………………………」
エーデルワイスは上気した溶けた顔で、俺の顔をどこかぼんやりと見つめる。
潤んだ目と熱い息で俺に、うっとりとした感情を訴えてかけてくる。
喜んでもらえたようでよかった。
買った甲斐があったな。
俺セレクトの超かっちょいい魔法剣とか。
怪しげなおっさんに勧められた、繊細な異国情緒あふれるつくりの謎の生き物の置物とか。
エーデルワイスに似合うと思った服は、ぼろ糞言われて却下された。
どうして……?
まぁ男と女では感性が違うからな。
俺のセンスについてこれないのも、仕方ないと納得もできる。
やれやれ女の可愛い我がままに付き合ってやるのも、男の甲斐性か。やれやれ。
「お兄ちゃんありがとう…………大事にするね…………?」
「ああ。離れていても俺たちは愛で繋がっているぜ☆」
エーデルワイスは陶酔に濡れた瞳で、鏡に映るイヤリングと俺を交互に夢を見るかのように熱く見つめる。
こんなのメスの顔でしょ。
瞳孔がハート型になってるよ♡
恍惚とした上ずった女の声になってるよ♡
これは俺でもお持ち帰りOKの合図だってわかりますわ。
「…………でもこれ……高かったんじゃないの……?」
「ん~~~? 勲章貰ってたんまりと一時金をもらえたからな。それに今までの小遣いも使い道なかったし~~~」
本当の事だ。
むしろこの宝石のついた装飾品を買っても、俺の資産からして誤差のようなものだ。
ルビーの色が暗いからって理由で、グレード低いらしいし割合安かった。
こんなにでかいし綺麗なのに評価されないんだな。
宝石の世界はよくわからん。
エーデルに喜んでもらえたからいいけど。
勲章貰って爵位ももらったから、貴族年金も出るしな。
それに何より王都で散財しなかった。
いや忙しすぎて、できなかった。
娼館……食い倒れ……ちくしょう……
「それに父上に怒られて全然遊べなかったもん!?!?!? せっかく王都に来たのにもう散々だよ!?!?!?」
「…………はぁ……」
エーデルワイスは深くため息をついて肩を落とす。
そして心底心配しているという目で、俺に説教を垂れる。
「お兄ちゃん? わたしがいなくても、ぉ勉強ちゃんとしなぃとだめだよ? 早起きもしなぃとだめだよ? 好き嫌いも直さないとぃけないよ? 本当にわたしがぃなくてもできる……?」
「はぁ~~~??? 黙れっっっ!!! 年下の分際で生意気だぞっっっ!?!?!?」
「お兄ちゃん……」
エーデルワイスは俺をジト目で見つめる。
くっ……何だその目は……
なんだか無性に情けなさが湧いて来た。
お前のせいだぞ。
「わかったわかった。わーかーりーまーしーたーーー!!! チッ……やってやるよ…………チッ…………」
「……もぅ……ダメダメなんだから………」
俺は余りにもイラつき、何度も舌打ちをする。
あ~イライラする。
エーデルワイスはアルコル家の者たちに変に触発されたか、最近はずいぶん生意気を言うようになった。
悪い影響だな。
俺がわからせないといけないねぇ……
俺はエーデルワイスをねっとりと見つめ、視線は下へとその豊満な胸部へといく。
あ~この柔らか脂肪も見納めか。
今のうちに、よぉーく見ておこう。
毎日成長を確かめられないなんて残念でならない。
「…………ぉっぱいばっかり見て……ぇっち……!」
「ぶひょっ!? みみみ見てねぇから!?!?!?」
エーデルワイスは紅潮した顔で自分の胸を両手で掴み、俺を睨みつける。
おっきなポインポインが、そのちっちゃなおててで隠せてないよ♡
俺はにたりと笑うと、婚約者は震える声で抗議する。
「えっちなのも……禁止…………! すぐおっぱぃばっかり触ってくるの……だめ……!」
「……おっぱい……だめなの…………?」
「……むぅ…………めっ……!」
俺はわざとらしく口に手を当てて、悲しそうな顔をする。
エーデルワイスは一瞬怯んだが、しばらく考え込むと腰に手を当てて俺を小さく叱咤する。
も……萌えーーー!!!
ドゥフフフフフ!!!
「………………おっぱいがだめなら……こっちだねぇ!!!!!」
「…………きゃぅ……!? ……おしりも……だめ……!」
「フィーヒヒヒヒヒ!!!!! フゥゥゥゥゥハァァァァァッッッ!!!!! フォッッッフォッッッフォッッッ!!! フォオォォォォォウッッッ!!!!!」
俺は手に残る彼女のスカートの下の体温を、ぐにぐにと顔全体で確かめると甲高い声で勝利の咆哮をする。
茹蛸のような赤ら顔のエーデルワイスは俺の肩を、力なくペしぺし叩く。
それは抵抗になってないよ♡
誘い受けかな♡
プレイの一環だね♡
エーデルワイスはいつもそうだが押しに弱い。
俺が悲しそうな顔をして甘えると、仕方なさそうに俺にされるがままに体を貪らせてくれる。
最近は小さな声で甘く息を荒げていて、本当に辛抱たまらない。
さすがに貴族だから最後の一線は超えられないが。
もう俺以外にお嫁に行けない程度には、いろいろやってるけどな。フヒヒ。
これからも俺好みの女に開発してあげるからね♡
でも俺も申し訳なくは思っているんだ。
ごめんね……ごめんね……
あ~ロリ巨乳たまんねぇなぁ~~~ヒヒヒ。
「――――――だから……」
何事かを思案している様子で、羞恥を露わにしていたが。
エーデルワイスは俺に近寄り、俺の頬に唇を落とす。
「――――――ちゅ。これで……我慢して……! ぁぅぅ……………」
「ぶ…………ぶっっっひょーーーーー!?!?!?!?!?」
大興奮である。
内気なエーデルワイスがここまでするってことは、俺でもわかる論理だ、
俺と結婚しようエーデル。
両想いなんだからな。
婚約者に結婚決定新郎新婦の誓いのキスをしまくる。
「エーデルーーー!!!!! ちゅーーーっ!!! ちゅっちゅっ! ちゅーーーっ!!! ぶちゅーーーーーっ!!!!!」
「……もぉ………! だめぇ…………!」
エーデルワイスは力なく俺に抵抗するが、俺の胸板を押す腕は全く意味をなしていない。
こんなん受け入れ態勢万全だよ。
誘い受けなんて覚えてエッチな子だね……!
俺はエーデルワイスを抱きしめ、その匂いを胸いっぱいに吸い込み。
どさくさに紛れてセンシティブ部位を揉む。
「あぁーーーっっっ!!! 離れたくないよエーデルーーーっっっ!!! はぁぁぁぁぁぁぁぁんっっっっっ!!!!! ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっっっっっ!!!!!」
「…………エッチなんだから…………もぅわたし……お嫁さんにいけなくなっちゃぅ……」
「エーデルは俺の嫁だよ!?!?!? もう絶対結婚するからね!!! 貴様は逃がさんっっっ!!! 地の果てまでっっっ!?!?!?!?!?」
俺はエーデルワイスにすりすりする。
彼女はだんだんと羞恥が薄れていき、呆れ顔になる。
そして俺の頭を撫でながら小さく呟いた。
「…………だから絶対また、会ぃに来てね」
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