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第41話 「水着を着た妖精たち」




 アルコル領内にある、森の中を流れる小川。

 そこそこの幅を持ち、胸くらいまで水に浸かり、そこまで急流ではない。

 泳ぐには絶好の場所だ。


 そしてこの絶景だ。

 女体こそ世界で一番の美しい景色だと、心の底から思うよ。




 右を向くと巨乳。

 左を向くと育ちかけの貧乳。


 水を弾く乙女たちの、瑞々しい白い肌。

 はしゃぐ黄色い声。

 これが天国のように見えるから、俺はこの光景を心の底から美しいと思えるのだろう。






「アルタイルーーー!!! はやくこっち来なさいよーーー!!!」



「ふっっっひひーーーーーっっっ♡♡♡♡♡ ノジシャたん今行くブヒねぇっっっ♡♡♡♡♡」



 天使のような可愛らしい水着姿のノジシャが俺を挑発し、俺はそれを追いかける。

 女の子の誘いには答えなきゃいけないよ。

 俺は彼女に狙いを定め、その長髪と同色の真紅のパレオに向かって突撃する。




「ちゅっっっ…………!!! ちゅかまえたぁっっっっっ♡♡♡♡♡」



「あはははは!!! くすぐったいわよ!」



 俺はノジシャたんにしがみついて水に一緒に飛び込む。

 その衝撃で全身隈なく貪るが、不可抗力だ。

 ひらひらのパレオの奥に素早く手足を滑り込ませ、くんずほぐれつする。


 や…………やわらけぇーーーーー!?!?!?!?!?


 す…………すべすべだぁーーーーー!?!?!?!?!?


 た…………たまんねぇーーーーー!!!!!!!!!!




「えへへへへへっっっ」



 俺はノジシャの体に頬擦りする。

 もう俺はこの女の子の体の形を大体全部わかっちゃったからねぇ………


 ふっくらとしたノジシャの健康的な柔肌が、俺の頬と共にもちもちと形を変え合う。

 体温高いなぁ…………体の芯の方があったかいなぁ…………






「こらっ! 女の子の変なところに触っちゃだめよ?」


「はぁ~~~い♡」


「まったくもう……そんなにエッチだと女の子に嫌われちゃうからね?」


「ごめんなさぁ~~~い♡」


 ノジシャは、俺の顔に濡れて張り付いた髪を俺の後頭部によけて、俺の両頬を引っ張る。

 俺は間近に迫った彼女の顔にたまらず、キス顔をしてしまう。

 従姉の少女は深くため息をついて、俺のケツをはたいた。


 それはぁ……ご褒美だよぉ…………ふひひひひっっっ!!!!!




 俺は水分補給に川から上がる。

 いやぁ気分爽快だぜ!


 たまには運動ってのもいいものだな!

 身も心もすっきりリフレッシュになるな。




 水を飲んでいると、二つの小さな影が近づいてくる。

 俺はその姿に粘着質な笑みを浮かべる。




「お兄ちゃん………………わたしとも遊んで………?」



「アル様ぁーーー!水遊びしましょーーー?」



「ぐへへへへへ! 二人ともきゃわいいねぇ!!! 俺と遊ぼうか!!!」



 ワンピースタイプの水着を着た美少女たちの肩に、自らの腕を回し。

 水着ハーレムを作り上げる。


 ステラはまだ性知識に疎いのか、ほとんど無反応だ。

 俺がいつも胸やけつを揉んでも、エッチだとか口で言うだけで甘えているのだと勘違いをしている。


 着用しているフリル付きのピンクの可愛らしい水着に、ついつい悪戯をしてしまいたくなるが。

 まだ機ではないと心を押さえつける。


 対してエーデルワイスはしおらしく赤面して俯くが、俺に微かに体重を預ける。

 エーデルはエッチな子なんだねぇ……

 そんな清楚な水色水着なんか似合わない、イヤらしい本性をしているんだねぇ……




「……………ぁぅ………」



「もぉ~! アル様すぐべたべたする! そろそろお姉ちゃん離れしなくちゃだめだからね!」



「よいではないか! よいではないか!!! ふへへへへっ!!!」



 女の肩に回した男の腕の意図がわからないなんて、まだまだ子どもだね♡

 ステラちゃんには性教育が必要だと思うんだ♡


 お兄さんが優しく教えてあげないとね♡

 性の快楽をそのちっちゃな体に忘れないように、刻み込んであげるからね♡

 しかしその考えはある一言によってかき消される。






「坊ちゃま。もう水には慣れたようで何よりでございます。そろそろ泳ぎの練習の時間です」



 サングラスをかけて白いビスチェビキニを着たサルビアが、俺に近寄ってくる。

 デッッッッッ!!!!!


 布面積多いのに零れ落ちそうだよ!?

 俺が支えてあげないと!?!?!?




 サルビア! うなじ出してるのかいサルビア!

 いつもと違って活発的だねサルビア!


 舐めちゃダメかなぁ……サルビアぁ…………

 舐め舐めしたらどんな味がして、お前はどんな反応を返してくれるのかなぁ……

 気になっちゃう……よぉ…………?


 まぁこいつの水着の下を、全部俺は味を確認したんだけどな。ぶへへ。






「――――――サルビア。お前の水着姿、綺麗だよ。普段とは違った魅力を見ることができて嬉しい。お前は素敵な女性なんだって改めて感じる」



「――――――ぼ……坊ちゃま…………! 冗談はおやめください……!!!」



 サルビアは珍しく顔を真っ赤にして俺に抗議する。

 だが俺は怒涛の追撃をもって、彼女に愛を囁く。




「本心だよ。その白い水着はお前の白い肌と、綺麗な銀の髪によく似合っている。女神様みたいだ」



「なっ……! なんということをおっしゃいますか………!!! 全く………!!! マックスにでも変なことを吹き込まれましたか……?」



 サルビアは俺から目を逸らし、ぶつぶつと独り言を小声で呟く。

 彼女が俺から目を離した瞬間、無言で逃走する。






「――――――お待ちください」


「んむっっっ!!!!!」


 俺はサルビアの両腕に抱き留められる。

 彼女の水着から薄皮一つ隔てただけの、むっちりとした暴力的なまでの肉厚な二つの山が俺を挟み込む。

 お前の脂肪で形成された胸筋が、俺の顔にフィットして息できねぇんだけど!






「お戯れはここまでです。旦那様から水泳の練習を仰せつかっております。」



「むぐぐっ! 馬鹿野郎! 俺はもう泳げんだよ!!! 手を離せぇっっっ!?!?!?」



「いけません。はいと言うまで離しませんよ」



 なんだその悩む二択は!?

 サルビアの胸で窒息するか、水で窒息するかの差!?


 答えは、無言だ。






 ぶっちゃけ息ができなくて何も話せない。




「む…………むごごご……!」


「……? ……あぁ……苦しかったのですね……申し訳ございません……」


 サルビアは俺の体を離す。

 胸元が俺の唾液でびちゃびちゃであるが気にも留めていない。

 毎晩の事だからな。ニチャァ…………


 サルビアは説教臭く、俺の先日のことをグチグチと話す。




「マックスから聞いていますよ。馬術はお得意ではないようですね? でも水泳はできないといけませんよ?」


「うっさいっっっ!!! わかってるっつーの!!!」


「まったく……そう言うならすぐに始めましょう」


 サルビアは俺を水深の深い場所まで連れていく。

 透明度の高い水なので、底までよく見える。

 石もあまり無さそうなので、怪我もしにくいだろう。


 そこには俺の兄弟たちが、既にいた。

 こいつらのやっているのは…………






「お兄様―! 一緒に泳ぎましょう!」


「僕たち泳げるようになりました!!! 褒めてください!!!」


 このハイスペック共は既にパタパタと泳いでいる。

 アルデバラン馬鹿速いんだけど? お魚かな?

 まさか遊んでいるうちに覚えたのか?


 お前ら転生者を惨めにさせるな。

 俺たちはお前たちみたいなリアルチート共に、劣等感を刺激されて転生しているところあるから加減をしてくれ。

 



 カレンデュラは茶髪をお団子にして、露出の少ないタンクトップビキニをつけている。

 こいつ足なげぇ。ガキだがスタイルがいい。

 ギーゼラお義母上に似たんだな。


 俺を見ると近寄って来たので、頭を撫でてやる。

 目を瞑って気持ちよさそうにしている。

 かわいいでちゅね~~~






「坊ちゃま。ノジシャ様とエーデルワイス様は既に泳げるようです。坊ちゃまも泳げるようになるために私がしっかり指導いたしますので、どうぞ頑張ってくださいませ」



「…………マジかよ……」



 まさか泳げないのって俺だけ……?

 俺の水泳の練習を応援しようと、ガキどもが集まってきた。


 晒し者かよ……

 悪意はなくてもそれはイジメだ。

 イジメ、かっこ悪い。


 俺は学生時代に持杉の野郎に、学校で全裸で過ごさせられたことを思い出す。

 あ~~~クソクソクソクソ!?!?!?




 俺はサルビアに連れられて川に入っていく。

 どんどん俺の足がつかなくなっていく。


 足吊るっっっ!?!?!?

 やめてよっっっ!?!?!?




 そうしてサルビアは俺の手を離した。

 足が川底に届かない。

 俺は崖から突き落とされたような気分になる。


 どうする……どうやってこの局面を切り抜けるんだ!?!?!?

 今まで俺は長子だから、頑張って生き抜いてきた!




 考えろ!!! 俺!!!!!









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― 新着の感想 ―
[良い点] 「たまには運動ってのもいいものだな!」に運動だったの?(笑)と思わず笑ってしまいました( ´艸`) アルさま、水泳も駄目でしたか;つД`) なんかこう、魔法とかチートとかでうまぁく切り抜…
[良い点] <ぶっちゃけ息ができなくて何も話せない。 急に我に返ったような冷静なツッコミを入れられるのは腹がよじれる程面白いからやめろ(いいぞもっとやれ)
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