第4話 「ステータスオープン!!!」
気が付くと俺は暗闇の中を漂っていた。
体を動かそうとするが、どうにも手足が言うことを聞かない。
目を開けることができているのかすら、わからない。
頭も働かず現状を把握する前に、俺の意識は更なる闇へと落ちていった――――
どれほどの微睡と、浅い覚醒を繰り返したのかもわからない。
俺は牢獄のような揺り篭のようなこの場所に、延々といた。
閉じ込められているのかもしれないが、不思議と恐怖は感じない。
閉所恐怖症でない人間でも、閉じこめられ続けていれば発狂する。
この時の俺はそんなことを考える思考力すらなく、思考できないが故の無条件の安心感に身をゆだねていた。
しかし突然俺を包む世界は収縮を繰り返し、俺はここにきてはじめて混乱と恐怖を覚えた。
何か重大な変化が起きようとしている。
本能が警鐘を鳴らし、生存欲求が俺の心を満たしていく。
しかし俺の体は言うことを聞かず、光の方向へと押し流されていく。
世界が七転八倒する衝撃が体を襲い、意識は明滅する。
眩しい光が俺を包むと、俺は意識を手放した――――
「――――――カフッ……!? ……ぅぅ……ぁ……」
俺は目を覚ましたのだろう。
何度か苦しさを覚えた記憶はあるが、意識は鮮明になる。
だが目を開けているのか、いないのかわからない。
まだ目ぇ見えねんだわ。
そうだ……俺は転生したんだ。
今思えば最初いたと思った世界は生まれる前で、生まれた時には息をしていなかったのか……
てかあの神っ!!! 死ぬとこだったじゃねぇか!?
転生してすぐ死ぬ転生者があるか!?
全然楽しくないオマケやめろや!?
詐欺師でもドン引きするわ!!!
クソッ頭がぼーっとする……死にかけ赤ちゃんスペック低すぎ……?
マズいぞこのままでは寝てる間に、死ぬなんてことになりかねない……
羽のように軽い、転生したての命……
いや待てよ? 俺は転生チートがある。
ステータスポイントを振って、生命維持に利用すればいいのでは……?
天才か俺? 天才だーーーーーー!!!!!
よし! すぐにステータス操作だ!
スキルポイントはもったいないが身体能力系スキルは腐らない! ……はず!
もう少しこの世界のことを吟味してから割り振りたかったが、背に腹は代えられねぇ!
ほな……お約束いきましょか………………
すぅぅぅぅぅはぁぁぁぁぁ…………!!!
ステーーーーータス!!!!! オーーーーープンっっっ!!!!!!!!!!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アルタイル・アルコル
ステータス
筋力 17
耐久力 8
敏捷力 15
魔力 999999999999999999999999999999999999
知力 45
スキル
数学lv14
科学lv13
社会学lv12
礼法lv1
芸術lv1
現代知識lv24
製作lv3
苦痛耐性lv48
スキルポイント残り243
チート
魔力世界最高
全スキル・魔法取得可能
成長無限
成長率アップ
アイテムボックス
ステータスオープン
スキルポイント自由割り振り可能
全言語読み書き
状態異常
多臓器不全
免疫不全
代謝異常
血液異常
内分泌疾患
遺伝子異常
装備 高級な幼児服
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ひゃ゛あ゛―――――!!!!!
テンションぶち上がるぜーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
キメラクラスで最強になって、内政チートでハーレムを築くでござるコポォwww
なれば?チートで余裕すぎるwww控えおろう異世界の弱者どもwww
ポテンシャル底なしかよwww
勝ち確人生大爆笑wwwww
この世界の種族にメタを貼れるスキル構成の研究のため、まぁしばらくは様子見と行きますかwww
シナジーするスキル同士も、丁度赤子で動けない時間を利用して考察せなばなりませんからなwwwんwwwんwww
拙者ゴミ山から掘り出したTRPGを、暇な時一人でで遊びつくした猛者ゆえwww
やばい高まるんだがwww
テンプレなれば?主いけっぞこれwwwww
「……ひ………ぁ……」
ぐぉぉぉおぉおぉおおお喉が痛ぇ!!!
喉痛っっった!?
まともに声すら出せないのかよ!?
赤ん坊はほぎゃほぎゃ泣くもんだろうが!?!?!?
てか全身がひしひしと痛い!
自覚し始めると、肌が焼きつくされるように痛い!?
なんか肌とかすごい赤黒いし!
赤ん坊の肌ってこんな色普通してんのか?
こんないつも痛けりゃ、そりゃあんだけピーピーいつも泣いてるわ!
「(いやいやステータスよく見ると状態異常多すぎだろ!? そりゃこんな体ボロクソだわ!!!)」
くっそ……! 幼少期からの度重なる虐待と、いじめに慣れていなければ死んでいた……
全身に爆竹ぶつけられた後に、塩を傷口に塗り込まれた時もここまで痛くはなかったぞ?
1か月近く寝返りうつたびに死にかけてたわ。
あんまり痛すぎると、人間叫び声すら出ないのな?
いやよそう過去に囚われるなど不毛だ……それより現状を改善せねば!
声出せないとかマズいでしょ。
なんかあってもエマージェンシーおくれないし。
もしかして俺は大貴族イケメン嫡男というカタログスペックに騙されたのか……?
詳しく質問してなかったから、こんな貧弱虫の息ボディに転生させられた……?
あの神ならありうる……お前作家になれば?でも極稀にあったな。
意地悪な神に騙されて転生する、かわいそうな主人公……
大抵絶望の果てに、死にそうな目に遭い続けてたな……
マズくね?
いやマズいマズいマズいマズい!?!?!?
ちょっと待ってくれよぉッッッ!?
ハーレムとかチートとか言ってる場合じゃないじゃん!!!
「…………ングッ……!? …………ぁ……」
てかヤバい余りの痛さに意識失いそう!!!!!
俺の人生ここでフィニッシュなんてことないよな!?
ふざけんな糞神が~~~!!!
なれば?小説はユーザフレンドリーだろうが!!!
苦渋の決断だが……ステータスアップしないと死ぬ……!
世界の理不尽に殺される……!
やらなければ……!!ステータス操作!!!!!
俺は途切れそうになる意識を必死につなぎ止めながら、ステータス操作を行った。
スキルポイントの入手方法は不明だし、言わずもがなスキルの精査なんてできなかった。
だが俺の小さくも貴き命には代えられない。
その結果がこれだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アルタイル・アルコル
ステータス
筋力 17
耐久力 8
敏捷力 15
魔力 9999999999999999999999999999999999
知力 45
スキル
数学lv14
科学lv13
社会学lv12
礼法lv1
芸術lv1
現代知識lv24
製作lv3
頑健lv30
病気耐性lv30
毒耐性lv30
苦痛耐性lv48
回復魔術lv30
魔力操作
【出力】lv30
【制御】lv30
【変換】lv11
【具現化】lv11
【干渉】lv30
【効率】lv11
スキルポイント残り0
チート
魔力世界最高
全スキル・魔法取得可能
成長無限
成長率アップ
アイテムボックス
ステータスオープン
スキルポイント自由割り振り可能
全言語読み書き
状態異常
多臓器不全
免疫不全
代謝異常
血液異常
内分泌疾患
遺伝子異常
装備 高級な幼児服
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
やり遂げた……
痛みに強くなければ死んでいたかも……
とりあえずさっさと回復魔法かけるか……
「『Sanatio』」
囁くように俺が呪文を唱えると、柔らかな緑の光を発する魔法陣が浮かび上がる。
それは俺の体に纏わりつき沈み込んでいった。
おお……! かなり楽になったぞ!
あ……気が抜けたら、なんかどっと疲れてきた……
バイト終わりに家着いた時よくあるやつだ。
ぐっ……! もう意識が……!
持ってくれよ俺の体……!
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