表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/237

第37話 「糞みたいな宗教勧誘 ステータスアップ」




 今日はなんていい日なんだろう。

 お日様は明るく俺たちを照らし。

 穏やかな風は優しく俺たちを包み込み。

 小鳥たちは俺たちを祝福するように囀っている。


 こんな幸福に満ちた日には、何か新しいことを始めたくなる。

 生きることは挑戦の連続だ。

 俺たちは自分の人生をより良くするために。

 生き甲斐や趣味など夢中になれるものを、見つけていければいいんじゃないかと思う。




 今日は善意からそんな大切なことを、一つ教えてあげようと思うんだ。






「実はすごい宗教があるんだよサルビア! ちょっと聞いていってよ!」



「……………」



 サルビアは俺の自室の掃除をする手を止め、俺を見つめると形容し難い表情で固まる。

 ん? 聞こえなかったかな?






「サルビアだけにいい話があるんだ! サルビアもきっと幸せになれるよ!」


「坊ちゃま……後で遊んで差し上げますから、後にしてくださいませ……」


「そっかそっか! いつまでも待つよ!!! これもサルビアの人生に潤いを与えてあげるためさ!」


 銀髪メイドは心なしか、いつもよりも丹念に掃除をするのだった。

 俺はそれをにこにこと機嫌よく見るのだった。










「坊ちゃま……何のお話でしょうか……」



 サルビアはげんなりとしながら、淀んだ目で俺に向き直って暗澹たる口調で問う。

 今日はなんだか調子が悪そうだね? もしかしてあの日かな♡




「サルビアは神様を信じているかな?」


「まぁ人並みには信じていますが……何か?」


「うんうん。実はサルビアに是非この世界の真実を知ってもらいたくてね!」


 目の前の長身の女性は黙り込む。

 それを続きを促しているのだと受け取り、嬉々として素晴らしい神様について布教活動する。






「それは幾何学の神トート神様! 俺を救ってくれるんだ!!!!!!?!!!!」


「トート神様ですか……? 不勉強なので私は存じ上げませんね。どのような神でいらっしゃるのですか?」


「えーと……わかんない!!!」


 サルビアの顔はより一層渋くなる。

 やっべ失敗したか?

 でも俺神様のことよく知らないし……


 そもそもこの世界の神話ってどんなもんだっけ?

 勉強怠いから、起きながらほぼ寝てたわ。







「恐らくは小神のようですね」


「小神? なんだっけ?」


「8大神以外の神々のことです。何回も教えて差し上げましたよ」


「あ~悪い悪い…………あはは……」


 俺が髪をいじりながら焦る姿を見て、サルビアはため息を吐く。

 藪蛇だった。

 なんか曖昧ながらも覚えはあったが、条件反射で聞き返してしまった。




「坊ちゃまはどのような経緯で、トート神様を崇め始めたので?」


「それは……えーと……ぇへへ…………」


 どうしよう。カバーストーリーも何も考えてなかった。

 俺が愛想笑いをして誤魔化すと、サルビアはそれ以上追及してこないようだ。


 よしっっっ!!!

 切り抜けたぜ!!!!!




 それよりサルビアを、トート神様の信徒に勧誘しなければ!






「サルビア。特定の信じている神様はいるのか?」


「はい。敬虔な信者とは言えませんが」


「変えればいいじゃない!!! それが…………! 今だろ☆」


 サルビアの目がほそまり、眼光鋭く俺を射抜く。

 あ、怒られるときのパターン入った……





「坊ちゃま。崇める神は人それぞれです。その人の人生の根幹となるもの。その人の救いそのものでもあります。むやみにそれを否定したり、押し付けてはなりません」


「…………はい………」


「国にもよりますが、私のようにほとんどすべての人々は、光の神ルキナ様を信仰しています……まさかとは思いますが……私以外にそのお話しはなさっておりませんよね?」


「まだしてない…………ぇへへ……許して♡」


 うやむやにしようと目を泳がせながら、サルビアに媚びるように笑う。

 彼女は頭痛を抑えるようにこめかみを抑え、呆れた顔をする。






「はぁ……一度旦那様に教会へ連れて行ってもらうべきでしょうか……」


「…………ぇへへへへ」


 俺は諂うようにサルビアにすり寄り、彼女の胸に顔をぐりぐりと押し付ける。

 あ~~~やわらけぇ~~~いい匂い~~~

 これできるの子どもの特権ですよ。


 バブみクーデレ銀髪巨乳メイドとか、こんなんオネショタ不可避やん?

 こんなポヨポヨに吸い付かない男たちの数を数えてみたいものだ。




「まぁいけません。赤ちゃんは卒業ですよ? こんなに大きな赤ちゃんはいませんよ」



「やだやだやだぁ~~~」



 サルビアはこうすると少しの事なら許してくれる。

 銀髪メイドは困ったような声を出すが、一方で俺の頭を優しく撫でてくれる。




「仕事が残っておりますから、もう行きますね? さぁおっぱいから離れましょうね」


「は~~~い」


「先程のようなことは、他の人にはしてはいけませんからね? それでは失礼します」


 サルビアはお辞儀をすると部屋から出ていく。

 俺は名残惜しそうにそれを見送り。

 今後のステータス育成計画の修正を余儀なくされたことに、頭を抱える。






 俺は前にトート神様からお告げがあったように、信者を集めてスキルポイントを集める手筈だったのだ。

 しかしそれは始まろうとするところで頓挫してしまった。

 

 サルビアを勧誘できないとか、誰を勧誘しろってんだよ。

 コミュ障には難易度高すぎる。




 かといって権力使うと、各方面から反感呼ぶだろうし。

 父上たちに怒られるに決まってるし……

 八方塞がりなんだけど?


 地道にスキルポイント稼ぐしかないのかな……

 努力とか俺の最も嫌いな概念の一つだ。

 楽して生きる方法はないものかと自問自答する。






 ちなみに今のところのステータスはこんな感じだ。






――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 アルタイル・アルコル 


ステータス


 筋力  32

 耐久力 33

 敏捷力 28

 魔力 9999999999999999999999999999999999

 知力  66



スキル


 数学lv15

 科学lv13

 社会学lv12

 礼法lv9

 芸術lv1

 現代知識lv24

 製作lv3

 舞踏lv1


 頑健lv70

 病気耐性lv70

 毒耐性lv30

 苦痛耐性lv72


 剣術lv1


 火魔法lv7

 水魔法lv52

 土魔法lv1

 回復魔法lv70


 魔力操作

 【出力】lv40

 【制御】lv70

 【変換】lv22  

 【具現化】lv23

 【干渉】lv70

 【効率】lv21


スキルポイント残り0



チート

 魔力世界最高

 全スキル・魔法取得可能

 成長無限

 成長率アップ

 アイテムボックス

 ステータスオープン

 スキルポイント自由割り振り可能

 全言語読み書き



状態異常

 多臓器不全(部分寛解)

 免疫不全(部分寛解)

 代謝異常(部分寛解)

 血液異常(部分寛解)

 内分泌疾患(部分寛解)

 遺伝子異常



装備 

 魔法剣

 皮の魔法鎧



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――






 トロルを倒したら、めっちゃスキルポイントもらえた。うれし~

 トート神様のアドバイス通り、遺伝子異常をまず治すようにすることが当面の目標だ。

 あともう少し。


 回復魔法もいい魔法覚えたしな!

 80レベルを目標にするとキリが悪いから、魔力操作にも振っておいた。


 魔力操作は上げれば魔法に加算されるからな。

 一応均等に上げておいた。




 そういやトート神様に、ステータスの質問すればよかったな。

 忘れちった。へへへ。






 魔力操作にスキルポイント振ったら、マジで操作性がよくなったし、魔法効果も上がった。

 もはやこの国に俺を超える回復術師は、いないだろうと断言できる。

 

 俺の回復魔法は神話の域に達した。

 機会があれば、それを使うこともあるだろう。

 戦いには事欠かない有様だしな。






 しっかしどうすっかな~~~

 ヤバい事件が起こるらしいし、レベル上げときたいが魔物を一人で討伐なんていけないし。

 一人で外出なんて、これからもできっこないし。




 何か手立てを考えなければいけないかもしれない。

 しかし自前の優れに優れた大天才の頭脳をもってしても、なかなか良案は思い浮かばない。






 まぁいいや! 明日からまた考えるか!

 今日も日課のお昼寝しよ~~~!!!









面白い、または続きが読みたいと思った方は、

広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価、またはレビューしていただけると、執筆の励みになります!!!!!!!!!!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑

面白い、または続きが読みたいと思ってくださる方は、上の☆☆☆☆☆から評価・感想していただけると執筆の励みになります!

新作も読んでくださると嬉しいです!

 『間が悪いオッサン、追放されまくる。外れ職業自宅警備員とバカにされたが、魔法で自宅を建てて最強に。僕を信じて着いてきてくれた彼女たちのおかげで成功者へ。僕を追放したやつらは皆ヒドイ目に遭いました。』

追放物の弱点を完全補完した、連続主人公追放テンプレ成り上がり系です。
 完結保証&毎日投稿の200話30万字。 2023年10月24日、第2章終了40話まで連続投稿します。



一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] 布教活動! 確かにこれは、難易度高いですね。 既に崇められている光の神様がいるのでは……。うーむ。 でも、既に英雄のアルさまですから、うまくやれば広められそうな気はします! アル様がんばれ…
[良い点] 宗教勧誘されちゃうアルタイル君!? って思ったらする側だった(笑) でも転生させてくれた神様のお願い事だから死活問題なんだよな…果たしてコミュ障はこれからどうやって信者を増やしていくのか…
[良い点]  宗教の勧誘はこちらの世界でもデリケートってことですね! [一言]  そう言えば、トロルを倒したらどれくらいスキルポイントが貰えたんだろう?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ