第31話 「で、でた~~~! 内政チートする奴www」
内政チート。
転生したらほぼすべての主人公が着手し、社会的成功を収め。
人々からチヤホヤされる鉄板のアレである。
オリ主もすなる内政チートといふものを、俺もしてみむとするなり。
そういうことだ。
あいつらにできるんだから、俺にできるに決まってんだろうがッッッッッ!?
「うんこだ! うんこ集めろ! うんこくれ! うんこ一杯だ!」
「………………」
「…………ふぇ………」
内政チートするために必要なものを集めるように、メイドたちに命じた。
だが二人は彫像のように固まったまま、一向に動こうとしない。
二人ともどうかしたのか?
サルビアは口を真一文字に結び。
目をカっと見開いて、俺の顔を信じられないものを見るような目つきで凝視する。
ステラは顔が青ざめ、ガチガチと歯の鳴る口に手を当てて涙目で俺を見る。
全く驚くのはまだ早いんじゃないのか?
チートはまだまだだぜ子猫ちゃんたち?
「…………坊ちゃま……私の育て方が間違っていたのでしょうか……? ナターリエ様になんとお詫び申し上げればよいか……」
「さ、サルビアさーーーーーんッッッッッ!?!?!?」
サルビアは凄まじい形相で、へなへなと膝から崩れ落ちる。
ステラは彼女の背中をさすり必死に起こそうとするが、この女性は全く立ち上がる気配がない。
どうしたんだサルビア?
「どうしたんだ? サルビア?????」
「…………坊ちゃま…………母の愛を知らない私では…………母代わりにはなれなかったのですね…………うっ………うぅっ………」
「アル様―――――!!!!! キチガイやめてよーーーーーーーーーー!!!!!!?!!!!」
サルビアはさめざめと泣きだし始めてしまった。
てかステラお前、ご主人様に向かって何て言い草だ。
お前最近生意気だぞ?
これはお仕置きが必要だねぇ?
「何泣いてるんだサルビア。ふざけてないで、さっさとうんこ集めてこい。あとステラ? あんまり言いたくはないんだが……お前最近ご主人様への態度がなってないぞ? 少しは常識ってものを弁えてくれよ? 本当に恥ずかしいぞ? お前そんなんじゃどこに行ってもやっていけないぞ?」
「アル様に言われるのホントにむかつくんだけどぉぉぉぉぉおおおおお!?!?!?!?!?」
うわびっくりしたぁ~~~
大声出すなよヒステリーか?
ステラは俺の耳が潰れてしまうかのような絶叫をかまして。
息荒く俺をまじまじと悍ましいものを見るように見つめ、ついに諦めたようにがっくりと項垂れた。
なんかサルビア大泣きし始めちゃったし……
小さいほうのメイドは引き攣る声で俺に叫ぶ。
「なんでぅ……ぅんちなんか集めるんですか!? 汚いっ!!!」
「決まってるだろ。内政チートだ」
「だから説明をしてくださいよッッッ!?!?!? もぉーーー!!! 信じらんない!!!」
あ~なるほどね。
意図したわけではないがギャグじゃないぞ(激ウマギャグ)
全く教育のない奴はこれだから……なんて言わないぜ?
俺は文明の進んだ国からやってきた。
満足に教育を受けられない人を馬鹿にするつもりはないよ。
あぁ……なんて俺は器のでかい男なんだろうか……
「畑にうんこを撒くと収穫が増えるんだ。俺はそれを実証したくてな。お前たちに協力してもらいたかったんだ」
「…………………そうだったのですか………?」
サルビアは俺の言葉を聞くと、涙を拭い目は赤いがいつもの表情に戻る。
そして普段通り姿勢よく、素早く立ち上がる。
「私ったらとんだ早とちりをしてしまいました…………お許しください坊ちゃま」
「ふふん構わないぞ。知らないことは罪じゃないさ♪ てかなんだよ早とちりって」
「……それが本当だとして……なんでアル様がそんなこと知ってるんです?」
サルビアよ。天才は理解されないものだ。
仕方ない。すべては結果が出るまでの辛抱だぜ。
ステラは人差し指を口に当てながら天を見つめ、疑問符のついた顔をする。
あ……そのポーズ可愛い。
……じゃなくてあのなぁ。
そんなの決まってんだろうが?
「本で読んだからに決まってるだろーーーん?」
「アル様勉強大嫌いじゃないですか。本なんて全然読んでるの見たことないし」
ステラは俺を疑わしそうにジト目で見る。
このガキが……細かいことをグチグチと……!
「うるさい!!! 俺は勉強できるからいいんだよ!!! 俺より勉強できるようになってから言えやボケが!!! えぇッッッッッ!?!?!?」
「なっ……!? ……うぅぅぅぅぅ!!!」
ステラは一瞬動揺し、涙目で頬を膨らまして俺を睨みつける。
そんな時、サルビアは俺たちの間に割って入った。
「二人ともそこまでです。坊ちゃま? 必要以上に他人を貶してはいけませんよ?」
「はいはいはーい」
「もう…………はいは一回ですからね。ステラもご主人様のいう事を疑ってはなりません」
「わかりました……」
サルビアの注意にしゅんと落ち込むステラ。
ったく小生意気が。
俺が鷹揚で、お前がまだガキだから許してやるんだぞ?
「はい。それでは排泄物をマックスに集めさせるように言います。すぐに畑も準備するように手配します」
「おう!」
「私は農業に疎いので……私の家の農民に付き添ってもらいましょう。それでは失礼いたします」
サルビアは優雅に一礼するとすぐに部屋を出た。
うしっ! 内政チートの始まりだぜッッッッ!!!!!
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