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第235話 「イマドキ金髪ギャル騎士の身の上話」




「改めてアルタイルだ。よろしくな。てかもう素の口調でいいよ。全然バレてるし」


「……っ!? その、いつもはこんなことなくて……憧れの英雄様にお会いできたからであって……」


 所在なさそうに、指を突き合わせるローレンティア。

 しかし徐々に調子を取り戻し始め、その話術を披露した。


 この金髪の女の子の身の上話を聞く代わりに、我が戦歴などを語ってやる。

 その度に興奮しながら、持ち上げてくるサイドポニー美少女。


 彼女たちのような新米騎士にも、俺は伝説として刻まれているようで何よりだ。

 遠巻きながら俺たちの話に、うっとり聞き入っている者も多い。






「アタシ騎士爵の出なんですけどぉ~……お金なくて学園なんていけないし。家も貧乏騎士一家だからお嫁に行っても、イイ男捕まえていい生活できるわけもないしで、増員中の騎士団に応募したってわけでして! 運よく合格できて、本当によかったです!」


「そういう家も増えていると聞く。大変な世の中だよ」


 世知辛い話だ。

 金がないから就職するしかないってやつだな。

 しかもこんな難儀な稼業に。

 前世の虐待児童たる俺もそんな感じだったから、なんだか仲間意識。


 少しセンチになった俺を見かねたのか、空元気を出すような素振りを見せたローレンティア。

 励まそうとしたのに、逆に気を遣わせてしまったか。

 



「でもアタシめっちゃ勉強できるんですよ! そりゃ男の騎士には体力では敵わないけど、だからそれだけは頑張ったんで! エリート貴族様には及ばないでしょうけど、女だてらにそこそこやるんです!」


 そうだよな。

 何らかの特殊技能がなければ、女騎士には成れないだろう。


 貴婦人の護衛などに重宝されるが、率直に言えば女騎士は弱い。

 伯爵家レベル位の大貴族なら雇う事もあるが、体力にどうしても欠ける。

 需要はそこまで高くない。






「これで少しは弟たちに仕送りできるかなって……えへへ……」


「……そっか。がんばってるよお前は」


 このご時世で女が結婚するにはハードルが高すぎる。

 貴族や官僚たちが各種婚姻奨励政策を制定するのに頭を抱えないことがないほど、女余りが激しすぎる。

 貴族に弄ばれるか、しょうもない男の妻の一人になるくらいしかない。




 だからこうして王国騎士団に入ったのも、男探しの一環でもあるのかもな。

 単純に食い扶持をあるだろうが、流石にそこまで詳しいことは初対面では聞けない。

 新人兵士の給料なんて、雀の涙だろう。


 それを結納金として用意などして、ようやくそれなりの男に嫁げるかどうか……

 自分の生活だけでも大変だろうに、憐憫を誘う。




 てかコイツ話滅茶苦茶うまいんだが。

 今どきの女の子のコミュ力半端ないわ。

 こんなコミュ力高いの、フリチラリアくらいしか見たことない。




「でも王国騎士団に、女騎士枠として入団できてよかったです! 尊敬しているアルタイル様に、こうしてお会いできただけでも光栄すぎて、天国昇っちゃいますよ! あっ! よろしければなんですけど握手してもらえませんか……?」


「へへへーん! いいよっ☆」


 興奮した様子で飛び跳ねるように喜ぶギャル騎士。

 カリスマ英雄たる俺は優しいので、もちろんファンサービスをしてやるのだ!




 暖かくスベスベぷにぷにした手を握る。

 やべっ……俺の方が手汗出てきちゃったぁ……

 バレちゃったかなぁ……でも……いいよぉ……?

 僕のぉ……ヌルヌル……感じてぇ……ヒヒッ……


 俺はずっと手をニギニギしながらも、仕事なので魔法を使い続ける。

 それはそうと女の子の身体って、どこも柔らかいよぉ……






「マジで感激です~~~! アタシ故郷のみんなに自慢できますよ!」


「存分に自慢するがよいぞ♪ お前のことは俺が必ず故郷に返してやるよ☆」


「くぅ~~~! アルタイル様マジでカッコいいです! 超リスペクトです! 吟遊詩人の歌よりも、リアルの方が比べ物にならないくらいイケメンです!」


「デレデレデレ~~~ン♡ ワイも今時ギャルめっちゃ好きやねん♡ 萌え萌えパワーどきゅんどきゅんどきゅきゅ~ん♡」


 思わずデレデレしちまうぜ!

 そんな持ち上げられちゃ、高く美しい鼻がますます高くなっちまうぜ!




 しかしこんなに俺に媚びてくるとは、もしかして俺に気があるのか……? 

 くぅ~! 一流の男には女が集まっちまうってことか!


 さしずめ俺は夜も支配する英雄。

 こんなん世界中の女たちが、俺に向かって殺到する説あるだろ。

 モテモテ帝国築いちゃいますかぁ☆






「こんなことになっちゃいましたけど、アルタイル様がいれば大丈夫ですね!」


「心配することはない。色々わからんことはあるが、今までも色々わからんままで、逆境を乗り越えてきたからな!!!!!」


「くぅ~! マジでイケメンです!」


 俺は戦の真理を享受してやった。

 敵がいるなら倒せばいい。


 そしてここには最強英雄アルタイル様がいるのだ。

 心配ご無用って寸法さ!




「どれだけ敵がいても、倒せばいい話だ。敵が何を企んでいるか、見抜ければよりいいんだがな……」


「いきなり現れましたもんねぇ」


「マジであれは何が何だかわからんかった。あんなの何度も使われちゃ、俺はともかく皆が不安がるのも無理はないだろう」


 自分で言っていて腑に落ちる。

 いくら俺が敵を薙ぎ倒したところで、すべての味方を守り切れるわけではない。


 俺は一人しかいないし、ここまでの大軍のどこに攻撃が加えられるかも不明だ。

 敵はどこから現れたのかわからないし、困り果ててしまう。




「てゆーか神話にあるような転移魔法なんかじゃ、もう負け確定っしょ! 神様には流石に勝てませんって。心配しすぎもいけませんよ!」


「身も蓋もないが、それもそうだ」


 いきなり空間転移したようだった。

 さすがの俺も魔法を唱える前に敵に攻撃されれば、成す術がない。






「まっ! お前は俺が守ってやるけどな!」


「感激です~~~!!!」


 低めのイケメンボイス(当者比)で囁くと、子猫ちゃんは黄色い歓声を上げた。

 喝采に包まれた俺は、ご機嫌急上昇☆


 めっちゃ色目を使ってくる。

 内面から満ち溢れる魅力があるのが、普通のイケメンとは違うところなんだなぁ!




「おっとと! 消灯時間になっちゃいそう! 体拭かなきゃ!」


「おっと邪魔したな。もう水溜まったし体拭いていいぞ。それでは失れ――――――」


「本当ですか!」


 水は貴重。女たちは体が更けると聞いて、喜ぶ。

 だが就寝時間となったようだ。

 あと少しで口説けそうだったのに……


 踵を返そうとしたその時、鎧を脱ぎ捨て上着を脱ぎだした。

 途端に薄い下着が見え、胸元が晒される。


 下着の形に白い肌が露出されており、日焼け跡特有のエッチ妄想が脳内で暴れ出した。

 訓練頑張ってきたんだねぇ……ご褒美にエッチな訓練も僕がつけてあげるよぉ……

 





「む……むっひょー――!?!?!?!?!?」


「どうしたんですか? ……ってアタシ男の子の前で、何やってんのって!?」


 少女の汗ばんだ全身から、むわあっ♡と甘酸っぱい性臭が香った。

 恥じらいながら胸部を覆い隠し、目を伏せて赤面するギャル騎士。


 派手な今時女子という見た目からの、性的なことに対する羞恥というギャップ萌え。

 なにより健康的に実った女の子の証に、目を奪われた。




「アタシ疲れすぎて、とんだ失礼を…………ってアルタイル様はこんな庶民女に興味ないですよね。というか女の人にまだ興味ないかな? 失礼しました」


「あう……」


 隠れちゃった。

 見えなくなってしまった下着姿を思い、意気消沈。


 お預けを食らった犬のように、俺の顔はなっていることだろう。

 しょんぼり。




 そしておっぱいに向けていた視線を、彼女の顔に上げると。

 いたずらな笑みを浮かべて、俺の顔をじっと見降ろす。




「お姉さんの見せブラちらーん♡」



「ぶ……ぶひぃーーーーーっっっ!?!?!?!?!?」



 ギャル騎士はこちらに向けて、

 あまりの突然エッチに吃驚してしまう。




 そこには健康的に日焼けした肌。

 若さの象徴である水を弾く、弾力的な肌が。


 形のいい双丘が上半分、蠱惑的にのぞかせた。

 スケベな艶姿を晒して誘いやがって♡






「このデザイン超かわいくないです? ってもしかしてお姉さんのおっぱいに照れてるの? アルタイル様かわいー☆」


 待ってね。今、溜まってるの。

 ルッコラとステラはいるけど、こんな所で手出しなんかできないの。

 そしてポインポインがないの。


 サルビアほどじゃないけど、確かな女性を主張したものを見せつけられたら俺。

 どうにか……なっちゃう……よぉ……




「今おっぱい見てたでしょ~♪ 英雄様ってエッチなんだ~♡」


「デレへへへへへ♡ ごめんなさぁ~~~い♡」


 エッチなお姉さんに、エッチなことを指摘される。

 クッソエッチなシチュエーションです。




「しっかり男の子なんだー♡ お姉さんにカッコいいところ見せてくれたら、惚れちゃうかもですよ♪ その時はアタシのもっとすごいところ、見せてあげちゃう♡」


 悪戯心全開にして、熱を帯びた俺のギガントソーセージを煽っている。

 そして、もっとすごいところ……?

 もっとすごいところ見せてくれるの!?!?!?






「ほ、ほんとーーーー!?!?!?」


「ほ・ん・と♡」


 その胸部を両の二の腕で挟み、少し屈んで強調する。

 日焼け跡の向こう側に、白い谷間を発見。


 その先を見届けようと、必死に角度調整してジャンプするが届かない。

 あと少しなのに!?




 そんな俺はニマニマと笑っているローレンティア。

 艶やかなリップと組み合わさり、性の目覚めを促されてしまう。

 エッチなお姉さんって……なんてエッチなんだ……!




「おねえちゃぁん……女の子の体のこと……教えてぇ……ニ……チャア……」


「アハハ……約束ですからね♡」


「やったぁーーー!!!」


 おねだりすると性的合意を取り付けられた。

 喜びの踊りが自ずと始まる。


 苦笑いしながら、彼女はセクシーに微笑んだ。

 こんなの。こんなのって……!




 ギャルお姉ちゃんしゅきしゅきー!!!!!







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 『間が悪いオッサン、追放されまくる。外れ職業自宅警備員とバカにされたが、魔法で自宅を建てて最強に。僕を信じて着いてきてくれた彼女たちのおかげで成功者へ。僕を追放したやつらは皆ヒドイ目に遭いました。』

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― 新着の感想 ―
ほんま笑笑こいつは笑笑笑
 更新ありがとうございます。  前回のシリアス展開から一変したサービス展開! 緩急のつけ方が流石です! しかし、急に敵が現れるとは一体どんなカラクリが……次話も楽しみです! PS  絶大な力を持つア…
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