第177話 「ステラのおいしさは舌の上で踊り脳内で跳ね回る刺激」
家に帰ると、誰もが泣き腫らしていた。
今となっては落ち着いているが、家にたどり着いたときは物凄い家族の荒れようだった。
ガキどもは狂乱するように、俺を見て泣き叫んでいたし。
普段は温厚なカレンデュラたちも、下手人たちに口調荒く憤慨していた。
なんとかその場は窘めることができたが、獣人たちに反感を持ち続けていないかが気がかりだ……
アルデバランは大型犬のように俺に組み付いてくるものだから、別の意味で死を覚悟した。
こっぴどく大目玉を食らった弟は、面会を制限されることとなったという次第である。
危なかった。もう力でアイツに勝てることは諦めた。
実弟に命を散らされる兄とか、壮絶なサーガじゃん?
「じぃぃぃぃぃ…………」
「……そんなに見つめなくても、もう逃げないっつーの!」
「ふふっ♪ ごめんなさい。お兄様が可愛らしくて……えへへ」
「……ったく」
カレンデュラが寝ている俺のことを、穴が開くほど観察している。
ガキの頃から同じ部屋で寝ることが殆どなかったから、物珍しいのかもしれない。
寝ている俺の顔は、さぞかし愛らしく美しいだろうからな。
見惚れるのも仕方ないのだろう。
確かに暇すぎて脱走しようとして、こっぴどくサルビアに怒られたのは致し方ない。
だからってこんな監視を受けるのは、筋違いだっての!?
そんなこんなで今は、実の妹に毎日欠かさず見舞われている。
父上たちは何をしているのか、外に出払っているし。
そのおかげで、誰もが忙しそうにしている。
みんなに聞いてもはぐらかして、答えてくれないし。
なんだか使用人の気配も最近はまったくしないことから、俺の看病は妹やステラがしている。
お爺様もほとんど屋敷に居ないみたいだし、どうしたんだろうか?
「アル様……痛いところはない?」
「頭が痛いかもしれないよぉ~ナデナデしてぇ~」
「うぅ……かわいそう……ステラが撫でてあげるから、早く良くなってね」
俺の頭をそっと撫でながら、労わりの言葉をかける美少女ロリメイド。
俺はステラをベッドに誘い、甘えた声で抱き着く。
最近はサルビアどころか、ステラまで過保護だ。
心配そうに甲斐甲斐しくお世話してくれる♡
ルッコラは戦闘訓練が忙しいとかで、姿を見せない。
大変そうだなぁ。
チューベローズは話題にも上らず、影も形もないのだ。
隣の部屋に住んでいるにもかかわらず、ずっと閉じこもっているらしい。
何だアイツ。もしや気を使ってる? まさかな。
とは言え新種の魔物を倒した時から、自室に引きこもりがちだったし……関係ないか……
「うんっ♡ 寂しいよぉ~抱きしめてほしいよぉ~母上ぇ~」
「もう……しょうがないなぁ……今回だけだからね?」
「ウィヒヒヒヒヒ!!! はぁ~~~~~い♡ 揉み揉み揉み揉み!!! ペロペロペロペロ!!! クンクンクンクン!!! ん゛ん゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛あ゛あ゛あ゛っ゛っ゛っ゛♡♡♡」
「こらっ! 暴れないのっ! 身体が治らないでしょっ! まったく落ち着きのない子だね!!!」
甘ったるい匂いが俺の鼻腔を刺激して、思わずエビのようにのけぞる。
脳ミソがぁ……ステラたんのぉ……皮脂でぇ……茹で上がっちまったからなぁ…………♡
手のひらと顔からも脳天に直撃した快感が、三連コンボして俺はノックアウト。
1つだけでも負け確定なのに、3つもとか勝てるわけないんだよなぁ
ちなみに、このくだりは通算数十回目。
ステラはお利口さんだから今回だけという言葉は、次の日どころか飯を食べたら忘れているのだ。
俺のおやつを分けてあげると、このツインテガールは花が咲いたように喜ぶ。
そしてそれまでの記憶は、たちまち消し飛ぶのだ。しめしめ。
「ステラに甘えたいのよ。お可哀そうに病床にあるお兄様は、心細いのでしょう」
「えぇ……? そうなんですかぁ? アル様は本当に子どもだね~ お姉ちゃんとして心配だよ」
「ぷよぷよだぁ~~~!!! つるつるだぁ~~~!!! もち肌だぁ~~~!!! ングフフフフフ♡♡♡」
「ステラはママじゃないんだけどなぁ……でもアル様は…………う~ん仕方ないなぁ……」
隣で椅子に腰かけて、脱ぎ散らかした俺の服を畳んでいたカレンデュラ。
俺の実の妹は苦笑いしながら、俺たちの仲良し♡を横目で見やる。
辟易とした面持ちで、されるがままになっているツインテロリメイド。
俺はそのメイド服をかき分けて、そのぷに♡ぷに♡ボディ♡を愉しむ。
愛らしいベビーフェイスを嘗め回し、頬ずりを繰り返し堪能する。
フワフワしたツインテールに顔を埋めると、脳髄が焼け付くようにカイカン☆ヘヴン。
実年齢よりも更に幼い印象を受ける、柔らかそうな小さな輪郭と整った顔のパーツ。
透明感のあるプリプリふっくらした頬は、新鮮果実のようなフレッシュな味わいである。
あどけない行動も庇護欲と癒しを誘い、だからこそその無邪気さと純粋性を穢したくなるのだ。
唾液まみれとなった小さなメイドの体から、わざと音を立てて口を離し。
その可愛らしい形をした耳元で、愛を囁く。
まだ無垢なこの女の子は、薄汚れた性欲を知らないのであろう。
反応はやや鈍いが本能的に危機を察知したのか、若干の抵抗を見せたが我慢している様子。
それじゃぁ……えげつない性体験をぉ……ぶつけたくなってもぉ……仕方ないじゃないかぁ……グフッ……
「チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……チュパッッッッッ!!!!! ステラたぁん……最近とっても柔らかくなってきたねぇ……オイシソウになってきたねぇ……今日はどこから食べちゃおっかなぁ……ギュヒッ♡」
「うわっなんか……気持ち悪い…………早く満足してよね!」
「…………」
ステラは一瞬体を震わせると、ぷっくりとした小さな唇を噤んで硬直する。
カレンデュラが真顔になり、衣服を畳む手が止まった。
子どもには刺激が強かったか。
だがそうやって人は成長するんだ。
これも世の定めだから、しっかり受け入れるんだぞ?
俺はベッドの中で彼女の体に絡みつき、固くホールドしているので逃れることはできない。
普段なら力づくで振りほどいているのだが、倒れている俺を慮ってかロリメイドは口を固く結んでこらえている。
その表情が、最高にそそる♡
嫌悪感が滲み出た面持ちで、胴体にまとわりつく俺から視線を外すピンク色のツインテールが特徴の女の子。
俺の妹も、なんだか曖昧な笑みで無言である。
……でもぉ……なんかぁ……こういうのもぉ……興奮してきたぁ……♡
そんな光景に、変化が訪れた。
ドアを叩く音。
俺たちはそちらへと視線を向ける。
ドアが開かれると、派手な外見の美女が現れた。
「―――――失礼しますね。アルタイルさん。お体はいかがかしら?」




