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第151話 「えっちっち~♡」




 手渡したそれ。

 俺セレクトの次なるコスプレを広げた二人の少女は、衝撃からか固まる。

 意識が再起動したエーデルワイスは、強く否定を口にした。




「だ……ダメッ……! こんなエッチなの……着ないっ……!」



「怒らないで……?」



「怒るよぉっっっ!?!?!?」



 いつになく大声を出すエーデルワイス。

 愛くるしく憤慨の意を示すが、全然怖くない。


 だが俺はその姿にしょげ返ることを装い、次の言葉を呈する。

 全ての布石がここから結実するのだ。






「エーデルは……俺との約束破るのか……」



「違うよぉっ……でも……こんなの着れないよぉっ……!」



「エーデルに着せたかったのになぁ~~~可愛いエーデルを見たいと思ったんだけどなぁ~~~エーデルは俺にばっかりお願いを聞かせようとするけど、俺の言うことは聞いてくれないのか……残念だよ……」



 失望したとばかりに悲しそうな顔をしたら、エーデルワイスはショックを受けたような顔つきをする。

 彼女は話を聞いてくれないという事に、幼少時代のトラウマがある。

 だからこそ人の話をよく聞くという事を、自らに課している節があるのだ。


 その俺が選出した衣服を手に持ちながら、しばらく思い悩む。

 そして意を決して、おずおずと首を縦に振ったのであった。

 満足しながらそれを見て、俺は次の作戦に赴く。




「うんうんありがと♡ ……フリチラリア♡」


「絶対着ませんっ」


 プイと顔を背けた少女。

 完全に聞く耳持たずである。

 しかし俺には必殺の手があったのだ。




「今つけてるブレスレット。エーデルがどこで誰から手に入れたか知ったら、どう思うだろうなぁ……?」


「…………っ!? 卑怯な手を……! それを言ったらアルタイル様だって……!」


「エーデルは俺の婚約者だからなぁ~~~それに俺たちの絆は、固く結ばれているからね~~~…………でも今日会ったばかりのフリチラリアには、エーデルはどう思うかなぁ?」


「くぅっ……!」


 ニヤつきながら俺は彼女の耳元でゆっくりと、ねちっこいウィスパーボイスでその鼓膜に刻み付ける。

 この少女が今もつけている装飾品は、かつて俺が贈ったもの。

 彼女自身が選んだという事もあるが、気に入ってくれているのだろう。




 自爆戦術を取っているが、まだ完全にエーデルワイスの信頼を勝ち取れているわけではないフリチラリア。

 彼女の方がダメージレースでは確実に上回る。


 もちろんそれが発覚すれば、俺も良く思われない。

 しかし年月で培った重みは、俺たちの絆を引き裂くことはないのだ。




「じゃ。そういうことで♪」


「…………」


 フリチラリアは恨みがましい視線を向けてきた。

 俺は満面の笑みでそれに返す。

 反撃の時間が、ここから始まる……!






「…………………………」



「…………………………」



 着替えたエーデルワイス。

 だが全然帰ってこないから、無理やり引きずってきた。


 フリチラリアも同様だ。

 両手で体を覆い隠していたので、ただ一人両手を自在に操れる俺があの手この手で引っ張り出した。




 婚約者の少女は湯気が出そうなほどに頬を紅潮させ、硬直している。

 純情可憐な女の子に、下品なエロ衣装着せるのはたまんねぇなぁ!




「………………パーフェクトガール」



 エーデルワイスの姿を凝視する。

 一言、滑らかな滑舌で評した。

 視覚内に収められているのは、制服によく似た格好。


 しかしスクールブラウスの丈が短く、露出した臍の上あたりで結ばれている。

 いわゆるヘソ出しだ。

 おへそ舐め舐めしたい。




 そしてスクールブラウスのボタンが、あるべきところに存在自体がない。

 よってその谷間が、ぽよ♡ぽよ♡の北半球より上部は丸見えだ。

 こぼれ落ちそうなぐらい、頼りない服の出来栄えである。


 必然その下の下着も主張が激しい。しかも刺激的なデザインだから尚更誇示しているまである。

 スクールスカートも超ミニで、パンチラどころかパンモロ必至。

 セクシーなランジェリーを履いているため、パンモロどころかその内部も露呈しかねない。


 布の切れ端のようなスカートでは隠しきれないムチムチの臀部と大腿部のために、衣服が千切れかけている。

 スクールベルトなどを追加して、涙ぐましい努力で補修している有様である。。




 続いて再度、胸部の方に目を向ける。

 胸元を大きく押し上げている性欲煽るデカメロンののせいで、白ブラウスのボタンに非常な負荷がかかっていた。

 そうなるとド派手な見せブラが全開になりそうで、見るからに危うい。


 チャラチャラしたデザインの見せブラも、えげつない威力を秘めている。

 それを目にした瞬間殺傷性の高さから、興奮のあまりショック死する男も出るだろう。




 ギャルが着けるような、ゴテゴテとしたド派手なアクセサリーが全身に散見される。

 そう。これはアメスクと称される、露出過多な衣装なのであった。






「ふー――――ん…………これは……なるほど……ふむふむ……」



「もぉ…………やだぁ…………」



「研究の余地があるなぁ…………これはぁ……購入決定だねぇ……」



 涙目のエーデル。

 その耳元でネットリともったいぶって、感嘆の品評をつける。


 羞恥心を著しく刺激されたからか、小動物のように震えながら足元ばかり見つめている。

 俺とは目も合わせようとしない。

 粘度が高い笑みが漏れ、生暖かい湿度の充満した吐息まじりの報告をする。




 さて。一段落したし、まずはフリチラリアから堪能しますか。

 こんな機会、滅多にないからね♪






「…………こんなの……大人が……夜に……」



「とってもかわいいね☆ 似合ってるよ♪ しかしフリチラリアたんはぁ………これをどういう風に使うのかぁ……知ってるみたいだねぇ……?」



「………………っ」



 フリチラリアは細い指を忙しなく何度も組み替えながら、赤面して俯く。

 俺は口角を歪めて、粘着質に声をかけた。


 天真爛漫な彼女であるが、今は見る影もなく消え失せている。

 普段のふわふわした表情も、おとなしく慎ましやかなものに変じている。




 それもこのような艶姿を晒しているからだろう。

 目を見開き、食い入るように焦点を合わせる。


 全身のシルエットが露わになる、ボディラインを強調している服。

 体に密着する、光が強く反射するエナメルのような素材だ。

 何か特別な皮素材を、特殊加工でもしているのだろうか。




 それはさておき彼女が着ているのは何かというと、ボディコンである。

 しかも大きく腰の上までスリットがはいった、丈の短すぎるものだ。


 これ、おパンツ履いてるんですか?

 これ、おパンツ履いてるんですか?????

 これ、おパンツ履いてるんですか??????????




「おぱんちゅ…………グヒ…………」




「…………っっっ!!!?!!?」




 思わず漏れ出た言葉と、舌なめずり。

 顔を真っ赤にしたフリチラリアは、スカートを懸命に伸ばしてそれを隠そうとする。


 しかしそれでは胸部の布も伸びてしまい、そこに浮き出てきたのが…………!

 フィーーーーーヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!!!!!!




 そして背中はほとんど全部丸出し。

 シミ一つない、雪原のような柔肌が目前に広がっている。

 全身で飛び込みたいなぁ。だってまだ無邪気に遊びたい年頃なんだもん♪


 露出度高めの過激さが、劣情を擽る。

 これは法律違反だ。取り締まる必要があるな。

 エチエチ警察だ! エチエチ美少女陳列罪でタイホする♡




 活発なこの子らしい、しなやかな体。

 しかしそこには少女特有の柔らかさが、確かに存在する。

 俺はそれを目で味わう。


 実に素晴らしい。

 いつまでも愛でたいものだ。

 大きくなったら俺は、美少女ソムリエになりたい。






「可愛い肩甲骨だね♡ でもなんだか固まってるなぁ……きっと凝ってるんだ! 肩もみしてあげるね☆」



「ひゃあっっっっっ!?!?!?!?!?」



 甲高い少女の悲鳴が、俺の鼓膜を刺激する。

 心地よい数々の刺激が、俺の脳に快楽物質を充満させた。


 すべすべ♡ぷにぷに♡つるつる♡の柔肌を、指で確かめる。

 やわらけぇ~~~!!!!!

 たまんねぇ~~~!!!!!

 度しがてぇ~~~!!!!!




 奥にある小さく細い骨の感触が、女の子の人体を触っているという事を実感させるなぁ~~~~

 可愛い関節もじー――っくり揉み解してあげるからね♡

 ふにゃふにゃに溶けた顔を、嘗め回すように眺めてやるからなぁ……♡






「よぉ~~~やく緊張ほぐれてきたね♡ リラックスできたなら、よかったよかった♡ それじゃ何から話そっか♡ フリチラリアちゃんは今何歳なのかな♡ 好きな男のタイプは♡ 今までこういう服着たことあるの♡ 誰にどこまでこの肌を見せてきたのかな♡ 俺の好きなところ100こ言って♡」



 気分が盛り上がっちゃうなぁ~~~♡

 我ながら秀逸な言葉責めだった。




「エッチなのダメです!!!!! こういうのは大人になってから!!!!!」



「えぇ~~~~??? 心外だなぁ~~~~。エッチなワケないじゃないか? もしかして知らないのか?????????? 肩 は、 エ ッ チ じ ゃ な い」



 動揺からか、不思議なことをのたまう茶髪緑目の少女。

 きょとんとした顔をわざと取り繕い、完膚なきまでに言い負かした俺。

 隙が完全絶無の説得力に、彼女は悔し気に口を噤む。


 その澄ました顔を剝ぎ取って、雌を暴き立ててやるからな♡

 淫乱の本性曝け出して、獣みたいに喘がせてやるからな♡






「ん? もしかしてもしかしてもしかしてもしかして~~~~~????? そっかそっかそっかそっか~~~~~~」



 俺は得心がいった。

 答えなど一つしかない。


 サディスティックな感情がグツグツと煮えたぎり、この女を骨の髄まで屈服させようとする。

 獰猛なる獣性が発露され、フリチラリアを完膚なきまでにボコボコに完全敗北させた。




「わかっちゃったわかっちゃったなぁ……♪ …………フリチラリアちゃんは……変な妄想ばかりするエッチな子なんだね♡♡♡♡♡」



「――――――――――っっ」



 茹蛸のように真っ赤な顔で絶句する。

 そしてそのままカチコチに固まってしまった。


 己の浅ましさを自覚してしまったのだろう。

 愉悦とは、なんと甘美なるものか。

 俺は満足して頷く。




 浮き立つ心でぴょんぴょんスキップしながら、エーデルワイスの隣へと向かう。

 そして後ろ手に指を組み、エーデルワイスの斜め後ろに立つ。






「ゲーーースゲスゲスゲス!!!!! さてさてさて~~~♪」



「……もう……終わりっ! ……着替えるから……!」



「じゃあ最後に見納めとしますかぁー――♪ かわいいエーデルをじっくり見せてね☆」



「…………………ちょっとだけだよぉ……」










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― 新着の感想 ―
[良い点] エーデルちゃんになんてことを……! アル様、いたいけな女の子にこんなものを着せてはいけません(;´Д`) ふ、フリチラリアちゃんにまでなんてことを……! まったく、「グヒ」じゃありません…
[良い点] 史上最悪の笑い方
[良い点]  想像以上の変態ぶりに驚嘆しました  エロい格好をさせるだけでなく、言葉責めで精神的に屈服させて楽しむとは……うらやま──いや、けしからん(笑)  確かに前話は前座ですね……おみそれし…
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