第14話 「俺のチートの分析とステータスアップ 模擬戦と新魔法」
俺は日がな一日中遊んでばかりで、何もしていないわけではない。
日々俺の能力は、目に見えて向上しているのだ。
ステータスがあるから一目瞭然だし。
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アルタイル・アルコル
ステータス
筋力 30
耐久力 31
敏捷力 26
魔力 9999999999999999999999999999999999
知力 64
スキル
数学lv14
科学lv13
社会学lv12
礼法lv7
芸術lv1
現代知識lv24
製作lv3
頑健lv70
病気耐性lv70
毒耐性lv30
苦痛耐性lv57
火魔法lv2
水魔法lv8
回復魔法lv47
魔力操作
【出力】lv35
【制御】lv44
【変換】lv15
【具現化】lv15
【干渉】lv46
【効率】lv16
スキルポイント残り0
チート
魔力世界最高
全スキル・魔法取得可能
成長無限
成長率アップ
アイテムボックス
ステータスオープン
スキルポイント自由割り振り可能
全言語読み書き
状態異常
多臓器不全(部分寛解)
免疫不全(部分寛解)
代謝異常(部分寛解)
血液異常(部分寛解)
内分泌疾患(部分寛解)
遺伝子異常
装備 木の模造剣
皮の鎧
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スキルポイントはいつも通り頑健と病気耐性に全振りだ。
体感的にこれらのスキルを上げるのが、俺の体調改善に一番効率が良かった。
水魔法と火魔法を新たに取得した。
スキルレベル1だけでとったがな。
そのあとは自力で上げた。
水魔法と火魔法を取った理由はどちらも戦いだけではなく、生活に必須だからだ。
戦争には力だけあればいいのではない。
兵士を養うには兵站が必要なのだ。
この二つの魔法はそれを軽減できる。
資源の輸送にかかる労力もばかにならない。
水持って行軍とか絶対キツイじゃん。
俺が水魔法を取得したのはそれに尽きる。
まぁアイテムボックスでも代用できるんだけど、自然界に存在する水も有限だしな。
「(スキルのこともようやくわかってきた」」
まずスキルレベルは熟練度のようなものだ。
スキルをつかっているうちに自然と上がっていく。
そしてスキルには適性があるようだ。
俺は魔法スキルが得意で、身体能力にかかわるスキルが苦手。
得意なスキルはポイントが安いし、苦手なスキルはポイントの消費が多い。
それも踏まえてスキルを取得しなければならない。
スキルポイントの取得条件はまだわからないけど。
前にも言ったが何時の間にか増えてたりするし。マジで謎。
今後の育成方向としては、頑健と病気耐性をカンストさせ。
俺の状態異常が治れば様々なスキルを、スキルレベル1でとってみようと思う。
大凡の目標だからあ、もちろん変更はあるけど。
命が一番大事だから。
俺のチートの真骨頂である『どんな才能も得ることができる』のは、余裕ができてから試そうと思う。
シナジーするスキルも実践を経て、戦闘傾向を分析してから熟考するつもり。
そして育成の肝となるのは、ステータスアップと魔力世界最高スキルのシナジーだ。
当然のことだが魔法スキルを使うには、魔力が必要。
しかし常人の魔力は無限ではない。
つまり魔法スキルの熟練度は、魔力量にある程度比例する。
これはこの世界の普通の人間でもそう。
魔法を使えば使うほど威力は上がり、効率や操作性も上がっていく。
だがそれには常に魔力の限界という問題が伴う。
魔力回復薬なんてものもあるが、それは専ら戦争に優先されるし。
練習に使うにはバカ高いコストがかかりすぎる。
「(だが俺はその『世界のルールに囚われない』)」
魔力がほぼ無尽蔵だからだ。
つまり俺は魔法スキルを鍛えた方が、普通の人間より圧倒的に効率がいい。
こうなると俺は魔法使いジョブに専念する一択となる。
魔法使い自体がこの世界では貴重なのだから。
回復魔法なんかめちゃくちゃスキルレベルが上がっている。
まぁ一日何百回も使いまくってるしな。
あと水魔法もかなり上がっている。
暇さえあれば水魔法を使いまくってアイテムボックスの中に保管しているからな。
まぁこれはすぐ水を出せるようにするためだよ。
更に実はスキルレベルを上げる以外の意図もある。
俺には必殺の秘策があるのだ。
まぁ後で楽しみにしとけや!
なれば?チートを目ぇかっぽじって見ておけよ! ふひひ!!!
「戦の中で魔法を撃つときは、射線上に仲間がいないことが大前提です」
「ああ」
「ですが儂が前衛の時は、遠慮なく撃って頂いて結構です。避けるんで」
「お、おう……」
「後衛にとって前衛がどれくらい邪魔になるか、模擬戦で身をもって体験しようとしますか……おいお前たち、構えろ」
「「「はっ!!!」」」
ダーヴィトはとんでもない理論、もとい暴論をこともなげに俺に告げると。
部下の兵士たちに、模擬戦の準備をするように命じた。
「さて……ご準備ください『fortis』!」
あれは強化魔法か……?
ダーヴィトの体に淡い光がかかり、存在感が増す。
気になっていたんだ。
どれぐらいのものか見定めるのにちょうどいい。
さて! 俺も新魔法のお披露目としますか!
「ダーヴィトいくぞ! 『ignis』!」
「承知っ!!!」
ダーヴィトが俺の掛け声とともに駆け出す。
彼の後ろから兵士たちに魔法を直撃させないように、兵士たちがいる10mほど前の地面へと俺は火魔法を撃つ。
火魔法の衝撃によって、轟音と共に地面が礫となり兵士たちに降り注ぐ。
天高く巻き上げられた砂埃がとてつもない勢いで舞う。
魔力操作の制御のレベルもそれなりに高い。
魔法を撃ってからの曲射という芸当も、最近できるようになった。
ズドーーーーーーーーーーンッッッッッ!!!!!!!!!!!
バキバキバキバキバキッッッッッッ!!!!!!!!!!
「なっ!? 曲がった!?!?!?」
「ぐふっ!!!」
「ぐあっ!? 目に砂が……!」
俺の火魔法がスキルレベル2であるのに、ここまで威力があるのには訳がある。
魔力操作スキルが高いからだ。
出力を上げているから大きな火球となっている。
魔力操作スキルの効果倍率の検証もしたいところだが……
何分比較対象がいない。
それに俺の魔力値が高すぎて、比較できるかも微妙だ。
それは置いておいて俺が放った魔法によって、兵士たちは砂埃が舞う平野で大混乱にある。
そしてそんな隙を逃すダーヴィトではない、
キンキンキンキンキンキンッッッッッ!!!!!
ドンッッッッッ!!!!!
「未熟者めがっ!!! 視界が塞がった程度で隊列を乱すなど笑止千万っ!!!!!」
ダーヴィトは砂埃が舞う中で盾を構えながら内部へと突入しを試み、単騎で飛び込み乱戦に持ち込む。
兵士たちは混乱から誰が敵かわからなくなり、数の利を生かすことができない。
結局砂埃が晴れる頃には、兵士は10人いた中で3人しか残っておらず。
アルコル家武官長に各個撃破されて、勝敗は決した。
俺は回復魔法で兵士の治療をする。
細かい切り傷が体中を覆う者ばかりだ。
後はダーヴィトの巨大な体格から繰り出される、シールドチャージによる打撲痕があった。
しかし俺の回復魔法にかかればなんてことはない。
一回で治らなければ数をこなすまでだ。
俺は何十と回復魔法を使い、すべて傷を完治させた。
「なんという技量だ……感謝いたします。アルタイル様」
「全然体が痛くない……すげぇ!!!」
「関心していないで訓練に戻れぃっ!!!」
ダーヴィトの一喝で兵士たちは俺に礼を告げると、脱兎のごとく訓練に戻っていった。
もう少し俺をいい気にさせてもよかったんだぞ? まぁいい……
「いやはや! ぶったまげましたわ!!! 単純明快な魔法の威力! 前衛に合わせた魔法のタイミング! 曲射できる技量! 兵ではなく地面を狙う戦術眼! どれをとっても一級品です! 御見それいたしました! 言う事なしですわい!!!」
「はーーーっはっはっは!!!!! まぁな! 俺は魔法の天才って言われるだけあってそれぐらいはできないとな!」
ダーヴィトはすこぶる感心しているようだ。
こいつは馬鹿正直だからな。
本心から感心しているのだろう。
ま! これが俺の実力ってやつですよ!
前世ではいろんな種類のゲームやってたんだ。
その中には戦術ゲームもある。
それで無学なそこらのガキに負けちゃあ困るしな。
やっぱし前世持ちエリートはこの世界じゃあ、発想力ってものに差が出ちまうんだよなぁ!
俺はその中でも特別だけだどな☆
いやこの世界の一般のガキ共には悪いね!
俺という存在が、お前たちの生きるハードルを上げてしまう事には涙を禁じ得ないよ。
そんなことを思っていると俺はあることに気が付いた。
「ダーヴィト! 怪我してんじゃねーか!!!」
「む? これくらい鍛練をしていれば当然です。唾でもつけておけば治りますわい!」
ダーヴィトの体にも切り傷がたくさんついている。
魔法は制御できても、礫の方向まではコントロールできないからな。
覚えておかなければ。
俺は慌てて回復魔法を彼にかける。
「お母君に似て、回復魔法が得意でいらっしゃるのですな……」
「母上も回復魔法を……?」
ダーヴィトは回復魔法がかけられている間、感慨深そうに母上の名前を出した。
母上も回復魔法を使えたのか……?
「えぇ……アルタイル様ほどのものでは決してありませんでしたが……一度怪我をした時治してもらったことがありましてな。気持ち楽になった程度のものでしたが、当時は一兵士に過ぎない儂を気遣ってくださったことはとても嬉しかった」
「そうか……初めて知った……昔、母上には回復魔法を使って……俺が体を治してあげると約束していたんだ…………だけど……」
俺は俯き、その後の句を告げられなかった。
自分でも母上のことを考えると、思考がまとまらない。
父上とも長い付き合いになるし、新たな家族も増えた。
だからこそ母上も家族だと強く思えるのだ。
だがそれは後悔と悲しみを、より強くさせる。
それが俺にはどうにも感情の整理をできなくさせるのだ。
もう会えないとわかっているから、それもまたどうしようもなく辛い。
ダーヴィトは悲し気に俺を見つめる。
そしてしみじみと母上を俺を重ねるように見つめた。
「アルタイル様は本当にお母上に似ておられる。見た目も魔法も……他はアルフェッカ様にそっくりですがね!」
「そうかよ」
母上は死んだ。
でも俺たちの中に母上の記憶は残っている。
それはダーヴィトも同じなのだ。
俺を通してダーヴィトは母上を思い出してくれる。
なんだかそれはとても嬉しかった。
「騎士として亡きナターリエ様に代わり、アルタイル様をお守りします」
ダーヴィトは剣を構えて敬礼をする。
かつてなく真剣な様子の彼に俺は驚いたが、俺は何故か自然と言葉を返すことができた。
風が吹いて来た。
母上譲りである俺の豊かな金髪を靡かせる。
風が止んだ頃、俺は言った。
「ああ。頼んだ」
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