一休み
この小説はフィクションです。実際の人物、団体などは関係ありません。
もちろん頭に磁石のついた少女や、くりくりした、みどりぃリスっぽい女の子や、やたら騒がしいお嬢様とは、なんら関係ありません。
あくまで、作者の妄想です。
少女が一人で山道を歩く
『はぁ、はぁ…』
まだ山の麓にも届かない
なだらかな山道を歩く
横には小さな川が流れて
キラキラと太陽の光が反射する
景色を見る余裕は無く
息が上がり
荷物も重ければ
足も重い
『私、こんなにも登れなかったっけ?』
俯き、重い足を前に出しながら進むと
前から登山者が歩いてくる気配がする
顔を上げて前を見ると
驚いた
自分も大概に小柄な方だが、さらに小さな女の子が大人顔負けの荷物を背負い
こちらに向かってくる
まるでリスが大きなどんぐりを背負っているようだ
すれ違う間際に
『こんにちは』『こんにちは』
と挨拶を交わす
何事もなく前に進もうとした時
後ろから声をかけられる
『ねえ、顔色悪いけど大丈夫?』
体に見合った可愛らしい声に振り向いた
『え、えぇ、大丈夫です』
体に見合わない低い声で返す
『そうは、見えないけどなぁ…そうだ!ちょうどすぐそこに休憩できる良い場所があるんだ。』
『い、いやでも、私、先を急がなきゃ。』
『大丈夫だよ、少しくらい。』
半ば強引に川のほとりに座らせられ
荷物からガスストーブやら登山用のやかん、やらを取り出し
手際良くお茶を淹れた
『はい。』
暖かいミルクティーを渡され
『あ、ありがとうございます』
と、お礼を言う
甘い香りが鼻腔をくすぐり一口すする
『あ、美味しい』
女の子は照れたように笑い
『へへ、よかった』
と言った
川のせせらぎが耳に優しく
暖かい日の光が降り注ぐ
時折、鳥の鳴き声が聞こえ
木々のざわめきに耳を傾ける
やさしいミルクティーの味を楽しみながら
女の子は特に何も話さなかった
ただ隣に座り
同じように自然に体を預けていた
『あ、あの、お茶ありがとうございます。おいしかったです』
『別にいいんだよぉ、僕も少し休憩したかったし』
『何かお礼を…』
『だーいじょうぶ、だーいじょうぶ』
『で、でも』
『う〜ん、どうしてもって言うならしばらくここで休んでいくことが僕にとってもお礼になるかなぁ』
『えっ、どうゆう意味で…』
『お〜〜ほっほっほっーーー!!』
会話の途中で遠くから大きな声が聞こえた
『オヨヨよ、道に迷ってしまいましたわ〜!!』
『やっと来たか」
困り顔で女の子は立ち上がり
手際良く荷物をしまう
『よっと』
バックパックを背負い
『とにかく、しばらくは少し休むこと!』
『で、でも』
『大丈夫だよ、焦らなくてもきっとみんな待ってるから』
『え?』
『じゃあね!』
『あっ!』
もう一度お礼を言おうとしたが
あっという間に女の子は山道に消えていった
しばらくして遠くで
『よかったですわ〜!、一時はどうなるかと思ったですわ〜!』
大きい声が聞こえてきた
それも、少しづつ聞こえなくなり
再び自然の音だけになる
目を閉じると大切な人の顔が思い浮かぶ
『待っててくれるかなぁ』
ぽつりと零す
少し、泣きそうになった
その時
ものすごい遠いところからやまびこのようにさっきの声が聞こえた
『大丈夫ですわ〜!!みんな待ってますわよ〜〜!!お〜〜ほっほっほ〜!!』
驚いて振り返った
こだまが響いて遠くに抜けていった
『そっか』
少女に笑みが出て少し元気が出てきた気がした
もう一度目を瞑り大切な仲間の笑顔が浮かんだ
大きく息を吸い
大きく息を吐く
しばらく、それを繰り返し
足に力を入れて立ち上がる
『さぁ、行こう!!』
再び少女は、歩き出した。
おう、jkするついでに、山も登れや!




