テーマ別短文集
卓メンの人達と共に、行った500制限短編集
NO1題名:世界最後の日
テーマ(純愛・世界最後の日)
作:サチベリア
「千佳、こんな所にいたのか」
私が海の見える崖にいると、
背後から声をかけられる。
「悠、どうしたの?」
「『どうしたの』って、こっちの台詞だぞ。探したんだからな」
私を探してくれていたらしい。
悠の顔は夕陽に照らされているせいか、はたまた元々なのか少しだけ顔を赤らめている。
「あのさ、少しだけ
時間…あるかな?」
その言葉に私は頷くと
悠は隣に立つ。
私たちは幼馴染でよく一緒にいたけど、悠が隣に立つのは新鮮だ。自分の顔が熱くなるのを感じるが、無視する。
「こうやってお前と一緒にいてさ、高校三年生の今になってやっと気付いたんだよ。」
そこまで言った悠は、頭を掻きながら困った表情をしていた。
「あ〜クソっ!上手い台詞なんか思いつかねぇよ!だから…
そのまんま言うぞ。」
顔を赤らめた悠は私に向けて
「好きだよ、千佳」
つい、涙がポロポロと溢れてしまって悠は焦っていた。
だから、答えなきゃ。
「私も悠のことが!」
と答える前に
足に力が入らずよろけてしまい悠にあたってしまった。
悠は、崖側に押されて
そのまま落ちた。
これが、
私の世界最後の日。
NO2:気になるあの子
テーマ(アンジャッシュ感・屋上)
作:てふてふ
「おい 急に屋上なんかに呼んでどうしたんだよ 渡部。」
「あぁ、お前 隣のクラスのかよ子ちゃんの事好きだろ。」
「はぁあ?! なんでそんな事急に..(それにあいつにはもう彼氏がいるんだぞ。)」
「まぁまぁそう慌てなさんな。お前がかよ子ちゃんの事好きな事ぐらい全校生徒が知ってるぞ。」
「え゛!?全校生徒まで?! この学校でどんだけ浮いてるんだよ俺!!」
「まぁ学校のアイドル的存在だからな。手元に置いておきたい程愛おしいと校長先生も思ってるって言ってたな。」
「校長先生までも!?ま、まぁ そんぐらい可愛いのは認めるけど」
「そんなお前に相談したいんだが、明日 かよ子ちゃん出産しそうで、そr」
「ちょ、ちょっと待て かよ子ちゃん出産するのか?!16歳で!? しかもなんでお前がそんな事知ってるんだよ!!」
「そんな事って言われても この事は全校生徒と近所のおばさん達も知ってるぞ。」
「え゛ぇ!?そんな認知されていいものなの!?」
「知らないお前こそおかしいぞ。それでその出産の手伝いをして欲しいんだよね。」
「新たな命を赤の他人の俺に?!ちょっと俺かよ子ちゃんに聞いてくる!」
「ふぅ、後でかよ子ちゃんの甲羅でも磨くか。」
NO3題名:貴女と一緒に
テーマ(正月・百合)
作:麻木 若葉
世間は凧揚げや、羽根つきで賑わっている中、私は彼女と神社に来ています。
誰かと二人きりでお出かけ、というものは経験がなく、内心焦っています。何故、私のような温室育ちの娘と一緒に行くのでしょうか?聴こうとしても、この、幸せな時間を壊してしまうのが怖くて、そう思ってしまう小心者の自分が憎いです。
それでも、貴女は私の思いを関係なしに、その、眩いほどの笑顔を向けてくるのでしょう。でも、その笑顔だけで、私は来てよかった。そう思ってしまうのです。
神社に着いた後も、私は貴女の後ろ姿を追ってしまいます。参拝の時も恥ずかしながら、見とれてしまいました。
えっと....お願い、ですか?
このような時間がずっと続けばいいなと、願っていました。
この空が続くまで。
作者一言
サチべリア:文字数が少なすぎる。
てふてふ:アンジャッシュネタはよく作られてる。
麻木 若葉:テーマを考えたのは、皆です。
この企画が続けば、連載するかも。