宿と旅の理由
別れたあと歩いていき
宿に着いた。
「いらっしゃいませ。」
「えっと、デイルさんからオススメされて来たんですけども」
「あら、あの人のおかげでこの宿もお客様が増えて、嬉しい限りです。」
色んな人に紹介しているんだな
「とりあえず1週間ほど泊まろうかな」
1週間分のお金を渡した
「はい、大丈夫です。部屋は2階の202になります。部屋着の方も用意してあります。
お料理は19時に1階の食事スペースに来てもらったらお出ししますので」
部屋着も用意してくれるとは
「はい分かりました。」
階段を上がって部屋に入ると
値段の割に結構広かった。
ナチュラルにニコラも同じ部屋だけど小学生ぐらいだし大丈夫だよな?
「ニコラ俺と同じ部屋だけど大丈夫か?」
「ん」
OKということだろうか。
ゴロゴロしていると時間に
「1階いくか」
1階に着くと人が多くて驚いた
「おお!兄ちゃん達ここ座んな!」
オッサンが話しかけてきた。
ご飯の皿を持って呼ばれたところに座り隣にニコラを座らせると
「兄ちゃん、ここ来たばっかりだろ!俺の旅の話聞かせてやるよ!
っていうか聞いてきな!」
周りの人達がまた始まったよと言い出したがオッサンはそれを無視して
強引に話を聞くことにされた。
「俺が旅をした理由はなぁ、吟遊詩人に憧れてたからだったんだよ!」
「はい?」
「誰もが夢見る吟遊詩人だよ!」
「ここにいるということは吟遊詩人の旅が終わったんですか?」
「まぁ、そうだな・・」
歯切れの悪そうにいうオッサン
「俺は諦めたんだ吟遊詩人は。
俺には嫁が出来てよぉ
そしたらいつの間にかこの国で息子まで出来ちまって、嫁は寛大だから許してくれるかもしれねぇけどよぉ
俺がもう一度旅をしたいとか言って万が一にも嫌われたくねぇんだよぉ
俺は・・うぅ・・」
また自分で話して泣いてるよあのオッサン
という声は聞かなかったことにしよう
他の人からも旅の理由とここに来た理由を聞いた。
夢を追いかけて他のものを失うのが怖い人
まだ理由を持っていない人
夢を諦めた人
ある日突然、理由が無くなってしまった人
たくさんの人が様々な事情を持っていた。
そしてニコラは女性達に可愛い可愛いと言われてもみくちゃにされていた
食事を終えて部屋に戻ってきた。
今日一日で色々あったなぁ
異世界に飛ばされた実感というのが今更湧いてきた。
「おやすみニコラ」
「ん」「わふっ」
眠る前の今のうちに、旅の目的を考えなきゃな。
最初は何となくだったけど
ここから出られないとなると
ちゃんとした理由が必要だよなぁ
俺たちに着いてきたニコラはどうなんだろうか
彼女は両親を殺されて日々奴隷として売られるかも知れない恐怖に怯えて生きていくんじゃないだろうか。
そうしたら国の外に連れていかれることもない、ここの方が安全だし。もしそうなったら旅をすることを諦めてここで永住するか
ん?自分で考えててなんだが
旅をすることを諦めるってどういうことだ?
夢でもないのに諦めるって
まぁ寝るか