魔女お話
詩を書きたくなりました。
ある日ある時ある場所に、悲しい想いの魔女がいた。
ある日ある場所ある朝に、魔女は朝日で目が覚めた。
その時その場所その光、魔女は黄金の光にこう想う。
私が、こんなに辛いのに、何故に勝手に日が昇る。
何故に空は青いのか。何故に雲は白いのか。
悲しき魔女はこう想う。何故に時は無残に過ぎるのか。
ある日ある時ある場所で、魔女は夕陽にこう想う。
私の心が寒いのに、何故に夕陽は、鮮やかに、西の全てを染めるのか。
何故に小鳥は家へと帰るのか。私は独りで過ごすのに。
ある日ある時ある夜に、魔女は寂しく見上げる夜の闇。
闇の空にも友がいる、真白に光る満月と、きらきら輝く星達が。
私は死ぬまでたただ独り。悲しいままで朽ちて行く。
悲しい魔女は試しにと、空に呪いをかけてみた。
朝日が西から昇るよう、夕陽は東に沈む様、夜空の友は消え去るよう。
自分の全ての力を使い、ある日ある時ある場所に静かに呪いをかけてみた。
ある日ある時ある場所で、魔女はゆっくり目を覚ます。
呪いの効果を見るために、外へと慌てて、出てみれば。
空は鉛でざぁざぁと、つくよな雨が降っていた、風はごうごう吹き荒れる。
雨空見上げて、ふと気付く、私の力が無くなった。
ある日ある時ある場所で、悲しき魔女は居なくなり、いるのは楽しく毎日を、笑って過ごせる人がいた。