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豪邸でした

 俺は馬車から降りて馬鹿でかい門の前にいる。

 なんだここ、こんなでかい門テーマパークでしか見たことないぞ。

 奈々葉の奴、マジで金持ちなんだな。


「お帰りなさいませ」


「ただいま、カナムラ」


 うわ、金髪の美女。それもメイドだ。

 てか、メイドがいるならなんで奴隷市場になんていったんだ?

 いや、俺からしたらありがたいんだけどな。


「おや、そちらの可愛らしく食べてしまいたくなる子は?」


「食べちゃダメよ?」


 え、食べる?

 何を言ってるんだ。確かにこの世界の俺は食べちゃいたいくらいの美少女ではあるが、本当に食べれるわけじゃないぞ?


「初めまして、私はミーナです。今日から奈々葉の奴隷になりました」


 俺はそう言って、会釈をする。

 あれ、敬語とか使える。

 そうか、さっきの命令は奈々葉に対してだから他の奴には敬語使えるんだ。


「なるほど、私はカナムラ。ナナ様の懐刀兼メイドの鬼族です」


 そう言って会釈するカナムラ。

 すると、先ほどまでは身長差の所為で見えなかったが頭に角のが二つあるのが見えた。

 なるほど、鬼族ってそういう事か。

 そういえば、奴隷部屋にも猫耳とか明らかに純人間じゃないのがちらほらいたな。


「あら、鬼族は珍しくて恐ろしいのに驚かないんですか? 私、少し期待してたんですけど」


 あ、そうか。俺を驚かせたかったのか。

 確かに、鬼なんてお化けとかそんな類だしな。

 俺も同じ立場だったら驚いてもらいたいしな。

 ここは、前の世界で手に入れた演技スキルを発揮するか。


「ワー、ビックリー、キャー、タベナイデー」


「バカにしているんですか?」


 なに、俺の演技スキルが通用しないとは。


「してないです。驚いてあげなきゃ可哀想かと思ってやっただけです」


「よし、バカにしてるんですね。いいですよ。私も鬼族の端くれ、売られた喧嘩は買いましょう。表に出なさい」


 表に出ろってここが表なんだけどな。

 カナムラが指をパキパキ鳴らしながら私の方を見てくる。

 やばいな。少し揶揄いすぎたかも。


「落ち着きなさいカナムラ。……そもそも、あなた鬼族じゃないでしょ?」


「あ、そういえば、そうでした。最近は鬼族になってる事が多かったですから……」


「まぁ、この子は私の奴隷なんだから勝手なことはしないで頂戴ね」


「……分かりました。今はなにもしません」


 あぁ、これは後で何かされるやつだな。

 ま、いいか。


「ミーナ、家の中を案内するわ」


「あぁ、ありがと」


「カナムラはお風呂の用意をしていて」


「はい、かしこまりました」


 カナムラは指をパチンと鳴らすとその場から消えた。

 この世界ってそんなこともできるのかよ。


「ほら、行きましょう」


「あぁ」


 俺は奈々葉に家の中を案内される。

 もうこれ、お屋敷だろ。

 なんでトイレが二十個もあるのさ。

 なんで部屋が五十以上あるのさ。

 なんでお風呂が男と女で分けられてるのさ。


「広すぎ……」


「え、まだ、半分も回ってないわよ?」


「なぁ、この家に住んでのって何人なの?」


「そうね。今は三人ね。あっ、今日からは四人だわ」


 四人……。

 いや、それって掃除とかするカナムラの負担でかすぎだろ。

 後で労ってやろう。


「四人ってこんなスペース必要なのか?」


「あはは、いらないわよ。でも、知り合いに頼んだらこんなのが出来ちゃったのよね」


 出来ちゃったって、そんな軽い規模の建物じゃないぞ?

 てか、こんだけ部屋見てきたけど汚れてたり埃かぶってる部屋見てないんだが。

 カナムラ、かなり優秀なんだな。


「次はこの部屋ね。この部屋は図書室よ」


「図書室か。他の部屋よりドアが大きめだな」


「まぁ、ここがこの屋敷で一番大きい部屋だからね」


 一番大きい部屋って、奈々葉ってそんなに本好きだったっけ?


「入るわよー」


 そう言ってドアを開ける奈々葉。

 あれ、もしかして誰かいるのか?


「うぬ。ナナハ、その女は?」


 中に入ると紫髮で見たからに悪魔っぽい女が居た。

 背中に生えてるの本物だよな?


 その女は本を片手に俺の方を見ている。

 もしかして、この部屋ってこの女のための部屋なのか?


「紹介するわ。今日からうちに住む、私の奴隷のミーナよ」


「ぬ、奴隷を買ったのか」


「はじめして」


 俺は会釈する。

 それにしても本当に本がぎっちり詰められてるな。

 これは、圧巻ってやつだな。


 この世界の技術はそこまで高くない。

 本一冊作るのも簡単なことではない。


 だから、この世界では本は貴重品、高価なものだ。

 それがパッと見でも千冊以上はある。


「我は元魔王のナルナガだ。気安くナルと呼ぶがいい」


「元魔王……ですか?」


 うん、これは流石に驚きだ。

 元魔王、つまり今は魔王じゃないのか?

 というか、なんで元魔王がこんところにいんだ?


「今は、そこの勇者に力を奪われて力が戻るまでここで休息しているわけだ」


「勇者……」


 え、奈々葉って勇者なのか?

 俺は奈々葉を見る。

 すると、奈々葉は俺の視線に気づき少し苦笑いをする。


「私、勇者なんだ……元だけどね」


 なんじゃそら。

 勇者、そして魔王?

 なんだそれ、どこのドラ◯エだよ。


「そうなんだ」


「あれ、信じてない?」


「いや、信じてないわけではないが疑ってないわけでもない」


「それ、信じてないってことだよね?」


 そもそも、じゃあなんで勇者と魔王が共同生活してんだよ。

 おかしくないか?


「それは、魔王様が必死に命乞いをして助けてもらったからです」


 命乞いって、情けなさすぎるだろ魔王……ってえ?

 いきなり後ろから聞こえてきた奈々葉ではない者の声。

 俺は咄嗟に後ろに振り向く。


「遅い。もしも私があなたを殺しに来た刺客だったら、すでにあなたの命はありませんでしたよ」


 後ろに振り向くとそこには俺にモップを突き立てているカナムラがいた。

 いや、カナムラ。

 そんな無表情でボケられても困る。


「カナムラ、どうかしたの?」


「ナナハ様、お風呂の準備が終わりました」


「そう。じゃあ、ミーナと家の中を周り終わったら行くわ」


「かしこまりました」


 カナムラは頭を下げながら指をパチンと鳴らすと、カナムラがその場から消える。

 先ほども見たがこれは魔法というやつなのだろうか?


「それじゃ、私たちは他の部屋を見てくるわ。ナルも今日は一緒に夕食を食べるわよ」


「うむ、了解した」


 俺と奈々葉は部屋を出た。


「ふふ……」


 ドアを閉める瞬間、部屋の中から気持ちの悪い視線を一瞬感じた。

 俺は額に冷や汗を流し、少し急いでドアを閉めた。

 部屋を出た俺は奈々葉に家の中を案内される。


 ほとんどの部屋が客室状態で俺の部屋は奈々葉の部屋の隣になった。

 てか、奴隷が部屋一つもらっていいものなのだろうか?

 いや、こんだけ部屋があるんだしいいのか?


「さて、お風呂に行くわよミーナ」


「ん、あぁ」


 俺は自分の部屋の中を色々見ていたら奈々葉が知らせに来た。

 確かに、今の俺はお世辞にも綺麗とは言えない。

 てか、汚い。


「さ、入りましょ」


 お風呂場の前の脱衣所に着くと奈々葉が服を脱ぎだす。

 ちょちょちょ、待ってよ!?

 俺は咄嗟に目を閉じる。


「なっ、なんで脱いでんだ!!」


「え、なんでって私も一緒に入るからだけど……?」


 いや、そんな『何か問題でも?』みたいな目で見るな。

 確かに今の俺は完璧女、美少女ではあるが中は男だ。

 てか、一瞬だけ奈々葉の裸見えたが……だめだ俺、こんなところで欲情するな!

 変態と思われたら流石にまずい。

 流石の奈々葉も「え、女の体に欲情する女とかマジありえないんですけど〜クビ」とか言われて追い出される可能性だってある。


「あ……もしかして、ミーナって」


「な、なんだ?」


「同性愛者ってやつなの? だから、裸とかでそんな」


「ち、ちげぇし!!」


 いや、ある意味違くないけど。

 やばいな。こうなったら覚悟を決めるしかない。

 俺は早まる鼓動に落ち着けと言い聞かせながら目を開ける。


「ふっ、はらかくらい、おれには通用しらいのら」


 あれ、なんか上手く話せない。


「ミ、ミーナ、鼻血出てるわよ!?」


「ら、らいじょうぶ、お風呂前にはいつもこうらから」


 俺は鼻声でかなり無理のある嘘をついた。


「そ、そうなの?」


「さ、お風呂入ろう……。じゃないと貧血で死ぬ」


 これは冗談ではなく本気だ。

 俺はボロボロの服を脱いでお風呂に入る。


 お風呂では奈々葉が体を洗ってくれた。

 俺、奴隷なのにこんなに良い待遇でいいのか?

 少し、罪悪感が出てきた。


 そして、その後貧血で倒れてしまった。

更新はかなり気まぐれです

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