ユニーク数1500人突破SS!お買い物デート(?)
グロいものが苦手な方にこのSSを送ります……
と、格好付けたところでこんにちは!今回は早かったでしょ!え?いつもこれぐらいの頻度で書け?またまたぁ···
すみません……もっと頑張ります。
今回は地球に居る時のセイラとアルスの話です。
どうぞ。
これはアルス達が異世界に召喚される前、しごく何気ない日常を地球で過ごしていた時の話である。
「王、お買い物に行きませんか?」
「ん?」
アルスがいつもの通り休日を布団の上で満喫していた時、セイラから不意にそんな事を言われた。
「いえ、先月近くにショッピングモールが出来たじゃないですか。新しくお洋服も買いたいですし、一緒に行きませんかと思いまして」
セイラにそう言われ、どうしたものかとアルスは考える。今日は別に予定も無いのでセイラの買い物に付き合う事は出来るのだが、どうにもやる気がでない。一緒に行ったところでファッションセンスの無い自分がセイラのコーディネートにアドバイス出来るわけでも無いし、荷物持ちにされるだけだろう···と、ここまで考えた時アルスはテーブルの上に置かれていた一枚のチラシに目が止まった。
そのチラシは丁度セイラがアルスと行こうとしているショッピングモールのものである。
『ショッピングモール内のお店で買ったレシートで、3000円で1回福引きが引けます!』
福引きの正式名称が『新井式回転抽選器』である事は隅に置いておき、アルスはこの文章の後に書かれた賞品一覧を見る。
「···っ!セイラよ!」
「はい?」
「行くぞショッピングモールに!」
「は、はぁ。いえ、別に一緒に行ってくれるのは嬉しいのですが···」
セイラがいきなり豹変したアルスに困惑しているのを横目に、アルスはチラシに書かれた賞品をもう一度見る。
そこにはアルスが今最も欲しい物が記載されていた。
「待っておれ···必ず我が引き当てて見せようぞ···『人をだめにするクッション』!」
閑話休題
セイラとアルスがショッピングモールに着いたとき、既にそこは人で溢れかえっていた。
「凄い人ですね···まるで街中の人がここに集まったみたいです」
「そうだな。帰るか?」
「帰りません!」
ほら行きますよとセイラが歩いて行くのに付いていき、アルスはセイラの目的地である洋服屋を探す。
「お、あれではないか?」
「『FRAGRANCE』···あれですね。」
「ならば入るとしようか」
二人は店内に入る···別々の店に。セイラは慌ててアルスを呼び止めた。
「王、ちょっと待ってください。どこへ行くのです?」
「何処って、お主が言っていた店だろう?」
「『FRAGRANCE』ですよ!?」
「ああ、だから『FLAGRANCE』に行ってるではないか!」
「常識で考えてくださいよ!女性服売り場に凶悪とか悪名高いとかいう意味の単語を使う店がどこにありますか!?」
セイラはアルスの手を引き、『FRAGRANCE』の方の店に入る。ちなみに『FLAGRANCE』はビジュアル系の服売り場だった。店の前に既にマネキンが服を着ていたのだが···どうやらアルスのファッションセンスは無いどころかマイナスに振り切っているらしい。
「王、こちらの服とこちらの服。どちらが似合っていると思います?」
セイラが服を見て回り、良いと思った服を2着程手にとってアルスの元へ行ってこの質問をする。アルスは今かつてない程の危機に直面していた。
即ち、『どっちが似合っているか』問題。
女性が男性を連れて服を買いに行った時にほぼ必ずと言っていい位に言ってくる『どっちが似合っている?』。実は既に女性は自分に似合う方の服は決まっていて、あえて男性に聞くことで男性を試しているのだ!
(考えろ···ミスは許されん。もし間違えばセイラの機嫌は悪くなり、我の食事が雑草になる···!最近やっと暑いからといって冷蔵庫を開け放って涼をとっていた事が許され、雑草から生の大根にランクアップしたのだ!ここで間違う訳にはいかぬ!)
セイラが持ってきた2着の服を見る。1着はピンクのワンピース。シンプルなデザインで余計な装飾を加えず、肩を出さない事で清楚な感じを醸し出している。もう1着はブルーのブラウス。ノースリーブの服で、タックが付いていて上品に仕上がっている。Vネックなのでデコルテ効果も期待できそうだ。
どちらもセイラが着たら似合うであろうことはアルスも分かっている。だが、セイラが求めているのはどちらか一つ。アルスは今までの記憶をフル動員して最適解を考える。
「···ブラウスの方だ!ターコイズブルーと黒は配色的に合う色でお主の黒髪と非常にマッチしている!逆にピンクはグリーン系統の色と相性が良かったはず!美術の時間で習ったぞ!」
「判断理由が美術の授業で習ったってなんですか···まぁ良いです。王にしては珍しく良い選択ですね。今日の夕飯は少し豪華なものをお作りいたします」
どうやら正解だったらしい。セイラは鼻歌を歌いながらブラウスに合う服を選び始めた。アルスは試着室に入ったセイラを見届けてから長い息を吐く。
(まったく···だから女性の服選びは嫌なのだ···)
そう思いながらもアルスの顔はにやけている。夕飯が豪華になる事が確定したからだ。雑草でも生の大根でも無い夕食。アルスは心が踊る。
(今日の夕飯は何であろうか?コロッケ?ハンバーグ?いやいや、まさか···豚の角煮か!?)
これで豪華と思ってしまうあたり、アルスの普段の食生活が思い浮かばれる。それだけ日常的に何かやらかしているとも言うが。
「むぅ、女性服を買いに来たとはいえ、男一人ここに残らされても居心地が悪いのだが···」
先程よりあちらこちらから視線を感じてアルスは身をすくめる。早くセイラの試着が終わってくれぬかと思い試着室の方を見ていると、丁度セイラが出てきた。
「どうですか王?」
青のブラウスに白の膝下ボリュームスカートといった清涼感のある格好で出てきたセイラ。あまりの可愛さに店内はすぐに騒然となる。
「誰あれ?モデルさん?」
「凄い綺麗···」
「足長っ!スタイル良すぎ···」
セイラの周りに客や店員が集まる中、彼女はただ真っ直ぐにアルスを見る。アルスの感想を待っているのがありありと見て取れ、周りの人も全員アルスの方を見る。アルスは何故こんなにも注目されるのかと思いつつもセイラに対して言う。
「まぁ、似合っているぞ」
「王って基本的に女性を褒めるためのボキャブラリーが貧困ですよね···」
彼女が可愛そうよ!とか、もっと他の感想あるでしょうよ!とか周りがキャーキャー騒ぐ中、逃げるように二人は会計をして店を出ていった。
「はぁ···はぁ···あやつら一体何なのだ!?初対面だぞ初対面!」
「ふぅ···まあ、それだけ、王の感想が、気に入らなかったのでしょう。私は、満足して、ますが」
走って息絶え絶えな2人は近くのベンチに座り休憩する。ちなみに会計でセイラがお金を出した時も周りから文句を言われたのだが、そこは割愛する。お金はセイラが管理しているのだ。財布の中が32円しか無い男に万を越える支払いを期待するだけ無駄だろう。
時刻は11時30分。お昼には少し早いが、他のお店を周る気分でもない2人はベンチに座ったまま取り留めのない会話をする。
「そういえば、ここのショッピングモールって映画館もあるそうですよ?」
「映画か···そういえばこの前テレビのCMでやってた映画の広告が気になってな。いつか行きたいと思っておったのだ」
「王?言っておきますが映画は無料ではないので32円では見れませんよ?」
「なん···だと···?」
「あ、やっぱり知らなかったんですね···」
セイラがため息をつく。お昼を食べたら見に行きましょうかとセイラが言ったところで12時を告げる音楽がショッピングモール内に流れる。
フードコートに行き、各自で好きなものを注文する。···もちろん自費で。
セイラは明太子スパゲッティ、アルスは今まで食べた中で比較的美味いと感じた雑草だ。
アルスはセイラが目の前でスパゲッティをくるくるフォークに巻きつけて食べているのをガン見しながら雑草をかじる。それで食べた気になる寸法だ。
「···あの、そんなに見つめられると食べづらいのですが」
「気にするな」
「私が気になるんです!···もう、はい」
セイラがスパゲッティを巻き付けたフォークをアルスに向ける。食べていいという事だろう。アルスは遠慮なくフォークにかぶりついた!···喉に刺さった。
「〜〜〜〜〜〜!」
「あー···これは『久しぶりに苦さ以外の味がして喜ばしいが喉がとても痛い!』の顔ですね。自己再生でなんとかしてください」
セイラは痛がっているアルスを無視して自分のフォークを見つめる。アルスの口に先程まで入っていたフォーク。少し躊躇した後、
「···(パクッ)」
顔を赤らめながらフォークの先を口に入れる。間接キスというものを体感して恥ずかしがっているのだろう、血の味がするが全然気にならないらしい。
そんな血と汗と涙(主に全部アルスの)を流しつつの昼食を終えた後、2人は映画館へ向かった。
「おお、これだ。『吸血鬼は人間に恋をする』。我々吸血鬼を主人公としたラブストーリーらしくてな。気になっておったのだ」
「王ってラブストーリーが好きなのですか?」
「いや、映画なら何でも良い。最近の映画は綺麗に動く上にカラーであるからな。見ているだけで臨場感溢れると言えばいいのか···とにかく、惹き込まれるのだよ」
「あー、わかりますそれ。つい登場するキャラクターに感情移入してしまうんですよねぇ」
チケット代、1人1000円。セイラが2人分のチケットを買い、一枚をアルスへ渡す。傍から見ると完全にヒモであるアルスだが、当の本人は気にしていない。
「お、始まるみたいだぞ」
「少しワクワクしますね」
『吸血鬼は人間に恋をする』。それはその映画のタイトルのように、吸血鬼が人間に恋をする話であった。
夜な夜な人間の街に降りて血を吸う吸血鬼はある日、吸血鬼狩りによって聖銀の銃弾を身体に撃たれ、死にかけていた。
その時、一人の目の見えない少女と出会う。少女は吸血鬼の苦しげな声を聞き、その声を頼りに吸血鬼に近づいていった。
『だ、大丈夫ですか···?』
『これが、大丈、夫に、見、えるか···?』
『あ、その···私、生まれた頃から目が見えなくて。すみません···』
これが吸血鬼である男と人間である女の邂逅だった。そこからは女性は吸血鬼の男を自分の家に上げ、ベットに寝かせて甲斐甲斐しく世話をし始める。どうやら話し相手が欲しかったようで、吸血鬼がベットに横たわる中、少女は嬉しそうに雑談を交わす。
『お父様ったら、私の目を治すんだ!って張り切って家を出ていったきり全然帰ってこないのです』
『それは···行動力が凄まじい親だな···』
『そういえば、名前を知りませんでした。貴方のお名前はなんですか?』
『名前か···名はない。そんなものは要らなかったからな』
『では私が付けるとしましょう。「ヌピョ太郎」とかどうです!?抜けている感が可愛いです!』
『頼む、他の名前なら何でもいいからヌピョ太郎だけはやめてくれ···』
色々な話を聞いているうちに吸血鬼は人間の少女に徐々に惹かれ始めていった。今まで血袋としか認識していなかった人間は、ここまで献身的で面白いものなのかと吸血鬼は考えを変えた。
そこから物語は急速に転換していく。不治の病を治すのには吸血鬼の心臓が必要で、それを取るために少女の父親は吸血鬼狩りとなってあの日、聖銀の銃弾を彼に撃ち込んだ事が判明。
自分が死ねば彼女は目が見えるようになるが、彼女の視界には決して自分の姿は映らない。だが···
長い葛藤の末、吸血鬼は一つの決断を下す。それは···
「ふぅむ。中々に面白い映画だったな」
「そうですね···」
エンドロールが流れるスクリーンをボーッと見つつ、2人は余韻に浸る。その中でセイラがアルスにこんな質問をした。
「王は···その、恋をした事や···誰かを好きになった事って、あります···か?」
「そうだな···」
アルスは虚空を見つめて記憶を掘り起こす。セイラは緊張した面持ちで隣の愛する人を見ているとアルスがポツリと喋りだす。
「···わからない、が正直な所だ」
「わからない?」
「ああ。もうあれから200年も経つのか···」
「200年···?あ」
今から200年前。それは吸血鬼の国が滅びた年である。アルスが昔を懐かしむように語りだす。
「吸血鬼にとって致死量の血を吸うと対象の全てを得る。能力、力、知識に経験。そして···」
「「人格と記憶」」
「そうだ。我は200年前に吸血鬼5000人余りの血を3日かけて飲み干した。国民全員を自分の中で生き続けさせる為にな」
「つまり王は···」
「ああ、人格は『これ』に固定されたが、記憶の方はごちゃごちゃでな。アルス•バーンシュタインが恋をしていたか定かではないのだ」
「だから、わからないと?」
うむ、と頷くアルスに安堵と憐憫、そして不満が丁度均等になる様な顔を向けるセイラ。エンドロールが終わるまで、2人は席を動かずスクリーンを眺めていた···
閑話休題
「セイラ!あれを見るのだ!」
「眩しい···ゲームセンターですね」
「行こうぞ!」
「あ、はい。自分で出してくださいね?」
「······」
「冗談ですからそんな捨てられた子犬みたいな目をしないでください!」
1000円だけですよ?とアルスに野口を渡すセイラ。アルスはセイラと共にゲームセンターの中を周る。
「お!音ゲーだぞセイラ!」
「あれは何でしょう?ドラム式の洗濯機みたいですが···」
「やってみれば分かるだろう。行くぞ!」
「きゃっ!もう、引っ張らないでください!」
「負けた···ダブルスコアで···」
「何か···申し訳ございません」
「やめろぉ!謝るでない、余計惨めになるであろうが!」
「は、はぁ···」
「次はあれだ!レースゲームだ!」
「ふぐぅ···ぐすっ、周回遅れにされたぞ···」
「ものの見事にアイテムぶつけられまくってましたね···落下から復帰した直後に爆発に巻き込まれてもう一回落ちた所なんか見てて憐れに思いましたよ···」
「もう争う系のゲームはやらぬ!我は争いは好まぬのだ!」
「平和主義を掲げる理由がゲームに負けたからとは···」
和気あいあいと楽しみ(?)つつ、アルスとセイラは様々なゲームを楽しむ。
「あら、これは···」
2人がクレーンゲームのコーナーを散策してる時に、セイラはとある物を見つけた。
「ん?どうしたのだ?」
「三葉ちゃんが先日、好きと言っていたキャラクターのぬいぐるみが景品でありましたので少し気になりました」
「ふむ、雛鳥が···か。よし、取るぞ!」
アルスはクレーンゲームの台に100円を投入してクレーンを動かす。景品のぬいぐるみに掠りすらしなかった。
「王···」
「言うな!我も薄々『あれ?我ゲーム下手過ぎないか?』と感じているが何も言うでない!」
「自分で全部言ってるじゃないですか···」
「ぐはああああああ!!」
アルス、自分の言葉で精神的ダメージを受けて沈む。セイラがアルスの代わりに台の前に立ち、100円を入れた。
「よっ、ほっ、あっ!やった!掴みまし···あぁ、落ちちゃいました」
「アームの力が弱いな···よし、我の魔法で」
「王の事ですから、アームの力を強くしすぎてぬいぐるみを貫くレベルまでなってしまいそうなので止めましょう」
「うーむ···ならば、〈運命操作:福音〉!」
「ちょっ、こんなところで禁術指定の魔法使わないでくださいよ!」
「ふはははは!今なら我はぬいぐるみを確実に取ることができる!行くぞ!」
ガチン!アルスの操作したアームはぬいぐるみに掠りすらしない。
「何故だ!?」
「その魔法、運が良くなる魔法ですから···運要素が絡まないところには効果ないですよ」
「くそがああああああ!!」
四つん這いになって絶叫するアルス。他の客の迷惑になります!とセイラに「めっ」とされたあと、セイラに魔法をかけて無事にぬいぐるみを取ることができた。
「それを雛鳥に渡せばお主らの交友関係も更に良くなることだろう。明日は学校があるからな、そこで渡せばよいだろう」
「あ。私の為だったんですね···てっきり三葉ちゃんの為かと」
「もちろん、雛鳥の為でもあるぞ?だがそれより我の家臣の為だ」
「王···」
アルスの内心は「ここでセイラに良いところを見せたら更に夕食が豪華になるかもしれん!」と甘さもへったくれも無い打算に満ちた考えだったが、恋する乙女にはクリティカルだったようで顔を真っ赤にしてぬいぐるみに顔を埋めている。
周りの人から絶え間なく舌打ちが聞こえてくるが甘い雰囲気を意図せず醸し出している2人は気づかない。
「王···その、あの、今日の記念に撮りません、か?」
セイラが上目遣いでアルスを見ながら指差した先にあるのはプリクラ。別に断る理由もないアルスは了承し、セイラと共に中に入った。
『お金を入れてね!』
「400円···だと···!?仕方無い、受け取れい!」
すごく苦渋の顔をしながら400円を機体に入れるアルス。するとポップでノリの良いBGMが始まる。撮影コースは2人とも初めてなのでお任せコースを選択した。
BGMが更にテンポアップし、撮影が始まった。
『まずは笑顔で!ハイ、3、2、1☆』
「うあっ、ちょっ、待て!」
慌てながら笑顔になるアルスと幸せそうな顔で既に笑顔のセイラが写真に収まる。アルスの顔は引き攣っていたが。
『ピースサインをしてみよう!』
「ピ、ピース?」
「王、こうやるんですよ」
セイラがじゃんけんのチョキの形を作る。アルスも真似をしてピースをし、カメラの方向を向いた時にシャッターが切られる。
「大体分かってきたぞ。さあ、どこからでもかかってくるがいいプリクラよ!」
『さあ、最後に二人でチューしてみよう♡』
「「はぁ!?」」
プラクラが放った一言にアルスとセイラは素っ頓狂な声をあげる。
『ハイ、3、2、1☆』
「待て待て待て待て!」
「···っ!」
チュッ···
アルスの頬に柔らかくて瑞々しい感触が当たる。その瞬間、カメラのシャッターが切られた。
「なっ!」
どういうことだ、とアルスがセイラの方を向くより速く逃げるように編集ブースに移動したセイラ。撮影ブースに取り残されたアルスは···
「もっとキスというものを大切にせぬか···馬鹿者が···」
と呟き、なんとなく気恥ずかしくなってセイラの居る編集ブースには行かず、外で待つことにした。
「お、王···その、写真、です···」
編集ブースから出てきた顔真っ赤のセイラから撮ったプリクラを渡されるアルス。その中にキスされた写真が無い事から、アルスはやっぱり恥ずかしくなって消去したのだろうと思い渡されたプリクラをポケットの中に入れた。
「···か、帰るとするか!」
「そ、そうですね!もう夕方ですし!」
アルスとセイラは何かに追われるようにショッピングモールを後にする。その後、アルスの夕飯はちょっぴり豪華になったのは言うまでもない。
「あ。福引きするの忘れておった···」
後日、レシートを持ってアルスは一人福引きをしに行き、「今日の日付の分しか使えません」との言葉に打ちのめされたのだった。
いちゃつきやがってこのやろぉ……
はっ、すみません。あまりのいちゃつき具合に私、イライラしちゃいましたっ☆
ラブコメって難しいですね……書いている間ずっとダメージをくらう感覚があるんですよ。
俺の青春時代にこんなこと無かったのに…とかいちゃつきやがって…とか。考える度に大ダメージです。みんなはラブコメを見ている時に握り拳から血が出ていませんか?心配です。
え?私ですか?そんなのあるわけ無いじゃないですかぁ!ところで絆創膏ってどこにあります?
〜映画を見終わったあとの一幕〜
アルス「そういえばヒロインのネーミングセンスには笑ったぞ!『ヌピョ太郎』とはまたすごい名前を考えつくな!」
セイラ「いえ、王もベクトルが違うだけでネーミングセンスの酷さは同じぐらいですよ?」
アルス「なっ!なんてことを言うのだセイラ!?そこまで言うなら証拠を見せるのだ」
セイラ「ママチャリに『ソニックサイクロンV』。炊飯器に『ベルゼビュート•ジャー』、洗濯機に『洗枡』……」
アルス「かっこいいだろう?」
セイラ「小学生ですか王は!良いですか、そもそも電化製品に名前を付けること自体ダサいんです!しかも油性マジックで書いているから消すのが面倒くさいんですよ!?」
アルス「だ、だが名前を書けば愛着が……」
セイラ「愛着を出すならせめて個人で使うものだけにしてください!恥ずかしいんですよ!」
アルス「かっこいいのに……」
セイラ「かっこよくないです。私から言わせて貰えれば『ヌピョ太郎』レベルです」
アルス「そんなにか!?」




