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俺は魔王で勇者は乙女  作者: 藤川そら
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モナカ&マルガリータVSカマス&ババロア

「ルールは簡潔!相手方チーム二人ともHPを1にしたほうが勝ち。それ以外は武器その他に制約なし。部外者は手出し無用。以上!」


マーマレードの説明が終わるやカマスが仕掛ける。


「ノロマのてめえに何ができる」


モナカの周りを回るカマスに為す術なく、振り回される。


「モナカん、よく見て!」


マルガリータが声をかける。カマスの動きは更に速くなり、モナカは目を回しそうだ。


「どこを見ている…。自分の心配したらどうだ?女だからって俺は手を抜かないぜ」


マルガリータの前に突如現れたババロアはマルガリータの腹に回し蹴りをお見舞いした。


マルガリータは悲鳴をあげ、転がっていく。木に衝突して止まる。


かなり吹き飛ばされた。ふらつきながらも立ち上がる。


「マルちゃん!」


「お前もよそ見が好きだな…。心配すんな、すぐお前もああなるんだから…」


カマスはモナカの背後をとった。モナカの大きな背中に手を当てると呪文を唱えた。


「サンダーボルト!」


「うわっ」


モナカは目映い光に包まれると煙をあげ、黒こげになり、膝まづく。


その時、ティラミスが静かに目を開いた。息を一杯に吸い込むと声の限りに叫ぶ。

「モナカーん、あなたは速さでカマスには敵わない。マルちゃんはドジっ子で真っ直ぐだからババロアの意地悪で姑息で愚かな知恵には敵わない」


「ティラミスちゃん…。ちょっと言い過ぎよ…。敵はさておき、味方に…」


ショコラがティラミスの袖を引く。ティラミスはそれでもお構い無しに続ける。


「ーーでも、あなたたちならできることもある。いや…。あなたたちにしかできないことがある。それはきっとカマスやババロアには絶対出来ないこと…。だから、絶対に、絶対に諦めたらダメー!」


風が通りすぎる。


「あの魔娘…。何わけのわかんねえことを…。俺に出来ないことなんてあるか…。ーーカマス!一気に片をつけるぞ」


「御意」


カマスは再び飛び上がった。広げた両手に目映い光が宿ると、呪文を唱え始める。


モナカは頭を振りながら、起き上がる。しかし、カマスの方は見ていない。


このままではサンダーボルトの餌食になってしまう。


俺は見届け人である以上手出しはできない。せめて気づいてくれと祈ることしかできない。


ティラミスもさぞ気を揉んでいるだろうとそっと顔色を伺ってみた。


驚いた。


ティラミスは不敵に微笑んでいる。俺はモナカにもう一度目を戻した。


「新兵器、モナカスライダー」


モナカは懐に忍ばせていたブーメランをカマス目掛けて投げつけた。


不意を突かれたカマスは呪文の詠唱を中断し、防御の体制に入る。


しかし、ブーメランはカマスの目の前で大きく弧を描き、右へ逸れていく。


「脅かしやがって…。下手な時間稼ぎしたってムダなん…。ーーいかーん!ババロア様、後ろからブーメランがあー」


叫んだカマスに何事かと振り返るババロア。マルガリータを仕留めようとしていたので状況が飲み込めていないようだ。


だが、もの凄いスピードと風を斬るブーメランの音に気づくと身をのけぞらせてやり過ごす。


「アブねえ…。鼻先掠めやがった。しっかりテメエの相手ぐらい食い止めておけや!それでもうちの家臣かー」


「す、すいません」


カマスが御辞儀して頭をあげた。


そこにブーメラン。


まともに顔面を直撃。目から星が飛び出さんばかりにカマスは千鳥足で左右にふらつく。


「もう逃がさないぞ」


モナカが両手でカマスの胴を捕らえる。


「止めろ!」


「痛かったら御免なさい。レイムダック・オブ・ジャイアント!」


鯖折りだ。カマスは苦しがって足をばたつかせる。マーマレードがカマスに戦意を確かめる。


カマスは首を横に振った。本気になればカマスは全身の骨がバラバラで洒落にはならなかったはずだ。


しかし、そこまでしなくても大丈夫とモナカは踏んだのだ。本当に優しい奴だ。


「何やってんだ、あんなトロールごときに…」


ババロアが歯軋りする。


「ファイヤーボール!」


マルガリータが呪文を放つ。ババロアは咄嗟に盾で避けると後ろに跳ね、間合いを空ける。


「余所見をしているからチャンスとでも思ったか?女に負けるほど弱くはねえぞ…。カプチーノなら100000万回に1回くらいはやられるかもしれないだろうがな」


ババロアが言い終わらないうちにマルガリータは間合いを詰めにいく。


「バカか?魔法使いが接近戦挑んでどうする?戦士やスカウトに比べて防御力の低いお前が攻撃力の高い俺に肉弾戦で勝てるわけがないだろう」


マルガリータは避けながら、少しずつ後退していく。

「魔力が弱いお前は近距離から魔法を放ち、俺を仕留める作戦だったかもしれないが、所詮はアホの考える作戦…。逃げ回ることで精一杯で、やがてスタミナ切れ。俺様の追加ダメージ1000のオーブつき剣でさくっと葬ってやる」


ババロアの剣が蒼白く光る。ババロアはそれを確かめると、軽く剣を一振りした。


斬撃が飛ぶ。マルガリータは不意を突かれて、よろめき、倒れた。肩を押さえる。破れた肩口から血がじんわりとにじんでいる。


「ドジもたまには役に立つんだな。倒れなきゃ首もバッサリ斬ってたぜ。--言っておくがオーブのスロットは3つ。そんな常識も知らなかったんだな。あと一つは30秒ごと毒の追加ダメージ、ドット100だ。魔法も打てる。攻撃力も強い。さらに武器もぬかりない。さあ、土下座しろ。そうすれば助けてやるぜ?」


「折れない心。たとえわが身は滅ぶとも魂までは譲り渡すまじ!」


マルガリータは胸に手をやると懐からネックレスを引きずり出す。まばゆい光が辺りを包むと傷が癒され毒が効果を失う。


「うっ、まぶしい」


ババロアが一瞬目をつぶる。


「主のもとへ、来なさいクリスタルマジシャンロッド!」


虹色に光る杖がどこからともなく現れマルガリータの差し出した左手に収まった。


空がにわかに黒くなり、雷鳴がとどろく。


マルガリータが何事か叫んだがその声は天の御神によりかき消される。


目くらましに反撃を恐れたババロアは四方八方に斬撃を飛ばし、身を守る。


斬撃が数発マルガリータをかすめていった。空が晴れ、対峙した二人にしばしの静寂が戻る。







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