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『Re:rights』  作者: 藤崎透
Re:legend
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『Re:rights』VS『JJ』

俺は身を隠していた物陰から縮めていた体を起き上がらせて勢いよく飛び出したと同時にそれを待っていたように一発の銃声が聞こえると共に正面から銃弾が俺の頭部を目掛けて襲いかかってくるのを確認する。

この敵が使っているであろう銃器はその速度や弾の種類から見ても長距離銃のボルトアクション型であるSR-245であることは先程の攻撃で分かっていた。

相手との距離はおよそ1、3km、つまり俺の元までたどり着くのに約2.5秒といった所だろう

確かに早いかもしれないがそれらの情報を事前に頭に入れておけばそんな弾を避けることは難しくない。

俺は体を少しひねり正面から来る銃弾を避けるとそのまま建物の影に隠れて銃弾を警戒しつつ建物と建物の間を潜り抜けるようにし素早く動いて銃弾を避けながら近づいていった

それに合わせるように渉と凛も同じように建物と建物の間をくぐり抜けるように走り抜けながら相手との距離を縮めていきそれぞれ約500メートルの距離まで近づいていく

銃弾を避けながら相手との距離を200メートルにまで詰めたところで相手の詳細な位置を特定する。

どうやら相手はマップ端の山の中腹の木の上から俺たちのことを狙っていたようだった。

場所を特定したことで俺は一旦商店街の通路の影に身を隠し大きく目を閉じると手にしたハンドガンの冷たい引き金を指先に触れながら左手で腰からスモークグレネードを取り出すと商店街の通路の一つに投げて黒煙を上げさせる。

スモークグレネードの目的は自分の身を隠すためだが、それだけがスモークじゃない特にスナイパーのような遠距離武器を使うものにとってみれば黒煙から相手が出てくるものだと思うだろうがこの思い込みを使って囮に使うこともできるのだ。

俺はスモークグレネードを投げ込んだのとは逆の方向から飛び出すとそのまま黒煙の方へ目を向ける敵に向かって一気に距離を詰めた。

そのときだった、視界の端にきらりと一瞬光が瞬くと同時に一発の銃声が響く

今俺が狙っていたスナイパーではない銃弾に俺はすかさず4人目のスナイパーだと言うことに気づくと同時に大きく叫んだ

「鴉野!」

俺の言葉に答えるように名前と同時にもう一発の銃声が辺りに響き渡ると同じくして向けられた銃弾を体を路上に身を投げてギリギリのところで回避する。

「龍ケ崎大丈夫か?」

「なんとかな」

そんなことを言っている間にも最初に狙っていた相手は次弾を撃ち込んでくることは間違いない。体を起こす間もなく俺は腰のバックからもうひとつのスモークグレネードを取り出すと自分の身を隠すように近くで炸裂させた

「凛と渉の方はどうだ」

「こっちはちょうど今ひとりやったところだよ」

「俺もさっきやった」

「そうか、流石だな」

仲間の連絡を受けながら俺は煙の中で立ち上がるとハンドガンを力強く握り締める。

「リーダーがこんなところでやられる訳には行かないよな」

瞼を閉じて心を落ち着かせると目を開いて意識を覚醒させると同じくして俺は黒煙の煙を体にまとわりつけながら飛び出すとそのまま全速力で敵の元へと一直線に近づいて行き、建物の下部までくると隣の建物との間の壁と壁とを蹴ってジャンプしてビルの屋上にまで一気に飛び上がるとそれを待ち受けていた敵が狙うスナイパーライフルの銃口にニヤリとした笑を浮かべながらハンドガンを数発放ち敵を牽制する。

「やっぱり、狙ってたのは日野、お前か」

「そっちこそ、むちゃくちゃすぎるだろ」

ビルの屋上で対峙する俺と日野はお互いにどこか面白そうに見合って相手の行動に牽制しあう。

日野はスナイパーライフルの銃口を俺に向けたままスコープ越しに見える目は一瞬の隙も逃さないという意志の現れなのか細長い目で捉えた。

しかし、俺と日野との距離は10メートルといったところだ、そんな距離でスナイパーライフルで狙うということはつまり一発で相手を捉えること、そんなリスクを考えれば突拍子もないこと

だけど日野はそれくらいの自信を持っているのだろう。クランで最後の1人になった今、勝利を考えるのではなく目の前の俺だけを見ているのだろう。

「ふん、面白い付き合ってやるよ」

日野の計らいに俺は手にしたハンドガンの銃口を日野に向けてお互い戦闘態勢になる。

風が何度か俺たちの間を通るのを感じながらお互い見つめ合ったまましばらくの時間が経過した

その瞬間はピンが外れたかのように急だった。

一発の鋭い銃声が響き渡ると同時にお互いは素早く動き始める。

まずはスナイパーライフルの引き金を引いた、と同時に俺の頭を目掛けて一直線に撃ち放たれる銃弾

それを俺は引き金に置かれた指先の細かな動きを読取りギリギリのところで体を傾けて避けるとそのまま姿勢を低くしたまま日野の元まで近づくとハンドガンの銃口を向けて引き金を引いた。


日野はその動きを見てすぐさま銃弾を装填するとスコープを覗くまもなく引き金を引くと同時に俺が放った数弾の銃弾を受け体力バーが目に見えて大きく減る

しかし、俺の方も日野の素早い装填に驚き身体のバランスを崩したままでよけることもできずに腹部に銃弾を受けてしまい体力がなくなっていくのが分かった。

「クソッ」

最初の試合で不意打ちで削られた体力のせいで日野の攻撃を受けた時点で体力がなくなることは予想も容易い

スナイパーライフルとは思えない装填の速さで次弾を撃ち込んだ日野はさすがだが、だからこそ俺はその相手に負けたくはなかった。

体力が減るまでには多少の時間がかかる、と言っても1秒もないくらいの時間だが、俺は意地を見せて体力が消える前にハンドガンの引き金を引き日野の体を捉える

光となって消えていく中で日野の体力が0になるのを見て日野の顔を見ていると俺を見てニヤリと笑うその姿に俺も同じような表情を浮かべると俺はゲームからログアウトすると同時に勝利したことを告げられた。


『勝者 『Re;rights』 』


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