表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『Re:rights』  作者: 藤崎透
Re:memory
78/139

Clan 『Re:rights』

「 勝者 龍ケ崎 」


その文字を見つめながら俺は『AFW』から出ると同じタイミングで出てきた渉と手を差し出しあってお互いをたたえた。

「久々だったけど、一はやっぱり強いね」

「渉こそ、刀であんなに無茶苦茶動きするなんてな」

笑みを浮かべた俺たちを取り囲むように『Re:rights』のメンバー三人はそろって俺のことを見つめるとその中で代表として若葉が口を開いた。

「それじゃあ、『Re:rights』のリーダーは…」

「うん僕は、はじめがいいと思う」

「私も龍ケ崎先輩で異論はないよ」

「もちろん、俺も龍ケ崎で問題ないぜ」

メンバー全員の視線が俺に集められ俺は照れくさくなり頭を掻きながら視線を逸らした。

「ああ、分かった。これからも頼む」

その言葉に、皆は笑みを浮かべたと同時に俺はその時から『Re:rights』のリーダーとなった。



「こうして今の『Re:rights』が形が出来たんだ」

龍ケ崎は依然として目の前の少女にハンドガンの銃口を向けながら、昔話を語るの一旦中断して表情を伺った。

しかし、その当の本人は向けられたハンドガンの銃口に臆することなく、余裕を見せながら答える。

「あのお二人はそんな経路で後に伝説と呼ばれる『Re:rights』に入ったんですね」

「ああ、鴉野はそれまでの実戦経験から俺たちに戦いのコツを教授してくれたり、凛は『Re:rights』に入ると、その実力と才能で瞬く間に成長を遂げて一流のプレイヤーになっていったよ」

「そして龍ケ崎がリーダーとなり『Re:rights』は世界で戦うまでの実力を身につけたんですね」

その言葉に、龍ケ崎は心の奥底で微笑んだ。

あの時は、ただひたすらに目の前にある勝利の言葉をつかもうとして、毎日のように練習を繰り返しても飽きることはなかった。それだけ、ゲームの世界に魅了されて入り込んでいたのだ。

「そういえば、楠野のとの話もこの時期だったな」

龍ケ崎は昔を思い懐かしむ中で、ある出来事を思い出していた。

それは俺たちが中学3年生に上がった時のことだ、楠野と出会いそれを解決するのだが、が話はそう一筋縄ではいかなかった。



話は3年生に学年が上がった事を実感し始めたのも間もない6月の初めのことだった。

もうすぐで梅雨だというのにその日は夏かと思うほどの青空が広がっている下を俺らは学校の通学路である坂道を登りながら遅刻しない程度に世間話を繰り広げていた。

「一、昨日の『Red.Panthera.leo.Clan』対『J.L.Q』の試合見たか?」

「ああ、そんなのやってたらしいな」

この時になると『AFW』の知名度は世界規模にまで広がり有名なクランが対決するとなるとテレビでもその試合の様子が放送されるまで日常の中に入り込んでいった。

いわばスポーツの一種として皆に認識され地位を高めそれが世界大会へと繋がって行くことになったのは言わば必然に近いことだった。

実際この時も名を馳せていたクラン『Red.Panthera.leo.Clan』と『J.L.Q』との対決が放送されていたらしかった。

「おいおい、まさか見てないってこと無いよな?」

「その試合って確か夜中にやってたろ?その時間には俺は寝てたよ」

「はぁ...一は連れないな」

「まぁまぁ…龍ヶ崎くんだって別に興味ないわけないんじゃないんでしょ?」

「そうだけど」

嘆く渉を宥めるように若葉は小さく笑を俺に見せながら言葉を挟み視線を逸らす。

どんな時でも若葉の向ける笑顔には人の心を動かせるものがある、それはある意味才能にも近いものがあった。

「それじゃあ放課後にでも私の家に来ない?私昨日の試合録画したんだ」

「おー、いいね。俺もまた見てみたいし行くよ」

「もちろん龍ヶ崎くんも行くでしょ?」

その言葉は若干脅迫がかっていた、反論するのは簡単だがそれに対する答えを考えると俺はそんな事をする勇気は無い。

実際問題、俺と若葉は何度か言い合いになり結果は一度も俺の勝利で終わったことは無かった。俺はため息混じりに口を開く

「わかったよ、行けばいいんだろ」

「うん、それじゃあ二人共放課後にうちに集合ね…」

そこまで言って若葉は言葉を詰まらせる。異変に気づいて俺がその横顔を見ていると前触れ無く重い口を開き話題を変えた。

「そういえば学校で妙な噂を聞いたんだけど二人共知ってる?」

「妙な噂って、七不思議的な?」

渉の言葉に若葉は手を口元に置き何か考え事をするような素振りを見せながら俺たちに顔を向ける。

「それがね、学校内でゲームを使った賭博が流行っているみたいなの」

「賭博って事は金を賭けてるって事か?」

「まだ確かな事は言えないんだけど上級生も絡んでいるみたいでさ、お金を払えなくなったら恐喝まがいの事をされたって人もいるらしいの」

「それが本当だったら校内の問題で済まないだろうな」

その話を聞いて小学生の頃の話を思い出した。ランキングによって順位が決められそれによって物を取られるなどの被害が出たが俺たちがそのランキングを消滅させたことでその被害は終わったわけだが

今回の件はランキングなどでは無く勝敗によって金銭が動く言わば博打だ。

少なくとも日本の法律でそんなことをすれば警察沙汰になる事は間違いないだろう。しかしそんなことをするようなやつが俺らの学校にいるのだろうかという疑問が残ったのだが時間が経つにつれて俺は何かを閃く


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ