『Re:rights』vs『black blood』
最初の特訓から2週間ほどたった今日、俺たち三人『Re: rights』とチーム名が決まってからの初めての戦いだった。
相手はランキング9位の『black blood』
順位を考えれば格下の俺たちが実績も無いにも関わらずこんな上位のチームに挑もうとするなんて一見すると無謀のように思えるがここまでの2週間の練習を試すためにも順位が近いチームとやるよりも上位のチームとやった方が良いとなったのだ。
学校の裏庭の周囲に張り巡らされると同時にメガネを掛けるとこの前と同じように荒廃したステージが広がった。
「それじゃあ早速、試合を始めるとするか」
「ああ」
俺は握った刀を大きく振るとこれまでの練習を思い出すように大きく息を吸いこんで集中すると試合開始の文字が鐘と同時に表示される。
と同時に前回とは俺と渉は上級生の相手に向かって突進した。
前回とはうって変わってこちらから攻撃を仕掛けるのはやはりまだまだ体力が足りない俺が短時間で力を発揮させるには攻撃を待って反撃をするよりかは自分たちから攻撃を仕掛けた方が良いとなったのだ。
2対2のこの試合、渉が一人相手をして倒せば2対1となり俺たちの方が有利になる。
そのためにも渉が最初に突っ込み一人を倒す間の隙を俺がカバーしなければいけない。
「一!!」
渉が攻撃範囲に入ると俺たちから見て左にいる上級生に斬りかかる、と同時に右にいた相手の仲間がその隙を突くように刀を振り上げた。
「わかってる」
俺が言葉を言うのと同時に渉は相手が横に振り払った攻撃を姿勢を低くしてよけると懐に入り込んで刀を腹部へと突き刺す。
その華麗な動きで作戦通り相手の一人を倒す。
瞬間、俺は渉と残っている相手の間に入ると振り下ろされた刀を自身の刀で受け止める。
刀と刀がぶつかる音が耳の中に響く
「クソッ」
意表をつかれ驚いた表情をした相手は俺と向かい合うと自分の不利な状況をみて俺達との距離をとった。
「92位なのにどうしてこんな」
相手は息を整えながら捨て台詞のように言い放つ。そこには俺たちに対する恨みのようなものが含まれていた。
それに対して俺は言葉を返した
「そりゃあ正義を取り戻すからな、俺たちはこんな所で負けるわけにはいかないんだ」
「何言って、そんなの無理だ」
「無理だって?」
2対1のこの状況をどこかどう見ても俺たちの方が断然有利だ。
客観的に俺は相手が負けを認めないでいるのかと思ったんだがその続きを聞いてみるとどうやら違うらしかった・
「確かにお前たちは俺たちよりランキングが低いのに強い、だけどな本当に強いのはランキング3位以上からだぞ…しかも、聞いた話じゃ中学生や高校生まで関わってるって話だ」
「ふん、それがどうした俺たちはただお前らがやってることを止めるだけだ」
俺が話している間に渉は起き上がると俺たちは顔を見合わせ頷くともうひとりの相手の所へ走って向かう。
先に突っ込んだ渉は相手の攻撃を見極めると同時に刀で受け止めると俺は渉の後ろから飛び出して大きく刀を振った。




