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『Re:rights』  作者: 藤崎透
Re:vival
37/139

『Re:rights』VS『LIーVE』

次の瞬間、この葉を揺らす音が聞こえたと同時に上空には二人の人影が見えたと同時に手にした武器は相手を狙う。

そのうちの一人、内海は右手を相手に向けると同時に叫ぶ

「『マジック』 スモーク」

その言葉と同時に放たれた光は楠野の目の前で炸裂すると龍ケ崎をも巻き込んで辺りを包み込んだ。

「やっぱりそう来なきゃ!」

煙に覆われた中で楠野は依然として笑い続ける。状況と反したその行動は今まで以上の不気味さを放った。

そんな暗黒の煙の中で龍ケ崎のそばに近寄ってきたのは鴉野だった。

「龍ヶ崎、大丈夫か」

「これのどこが大丈夫に見えるんだ。ってそれはとにかく早くこの場から逃げるぞ!」

鴉野はその言葉に頷くと同時に龍ケ崎の腕を自身の肩に回して担ぐと煙の外へと出る。

とその瞬間だった、龍ケ崎の後方から煙の中にいる内海を狙うのがマップ上に点として表示された。

これはさきほど龍ケ崎を後方から攻撃してきた楠野の仲間だろう事は予想するに容易い

「後ろだ!」

龍ケ崎の叫び声と同時に内海は後ろを振り向く、と同時に発砲音が鳴り響く

銃弾は的確に急所を捉えている。当たれば確実に死は免れない

しかし、内海にはそれを避ける余裕はない

「任せて」

声と同時に煙の中へと飛び込んでいき内海を押し倒すよう地面へと倒れこみ間一髪のところで銃弾は煙の中を過ぎていく

「二人共無事か」

龍ケ崎は相手を牽制しながら晴れていく煙の中で倒れこむ2人に声をかけた。

「なんとかね」

その言葉に余裕がないのは現状を表している。その証拠に薄れた煙の中で楠野が今しがた危機を回避する為に体勢を崩した凛と内海に銃口を向けていた。

龍ヶ崎が二人に叫ぶ前に隣の鴉野が瞬時に腰のホルスターからハンドガンを取り出した。

「させるかよ」

鴉野から放たれた銃弾は楠野の急所を的確に狙う。しかし楠野は予見したかのように体をひねらせて自身めがけて飛んでくる銃弾を華麗に避ける。

だけどこれでいくらかの時間を稼ぐことができた、その間に凛と内海の二人は体勢を立て直す

「ありがと」

「そんな余裕ないぜ」

依然として動かない自身の体、目の前で仲間が危険に迫っているのをただ見ることしかできないもどかしさを覚えながらも今できることは『Re: rights』のリーダーとして仲間を勝利に導くだけだからだ。

龍ヶ崎は木にもたれながら唯一動かすことが出来る口を大きく開いて場にいるメンバーに向かって言う

「内海、今だ!」

その言葉と同時に呼ばれた内海は軽く頷くと腕を自身の足元に向ける

「マジック 『ウィンド』」

マジック『ウィンド』、それは放たれると同時に強力な風を引き起こす技の一つだ。

前の試合では相手のクランがスモーク対策として使っていたのを参考に作戦に取り入れていた。

内海の発した言葉と共に腕から放たれた閃光は地面に着地するとその場を中心に強烈な旋風が起こるとその風と共に舞い上がったのは地面に山になっていた枯葉だ。今回のマップは紅葉が目立つ山奥、落ち葉はたくさん落ちている。

突然の強風と舞い上がる木の葉に『LI―VE』の二人は龍ケ崎の思惑通り気を取られる。

これが作戦の一つ、地の利を利用した陽動作戦

「凛、鴉野!」

龍ケ崎の呼びかけよりも前に両者は既に動き出していた。

風と共に巻き上がった木の葉に注意が向いている今が隙だ、凛と鴉野の二人はその長年お経験と知恵で『LI―VE』の二人へとそれぞれ銃口を向け同時に引き金を引いた

「まさか...」

完全に油断していたグランは凛が放った銃弾に反応が遅れた為に急所は逃れたものの胴に当たって瀕死の状態にまで陥った。

一方の鴉野がローに向けて放った銃弾は咄嗟の反応で右腕を掠る程度、体力ゲージもまだ危険な状態までに削ることは出来なかった。

「クソッ」

元より近距離戦闘を苦手にしている鴉野は悔しそうな声を上げる。

そんな中で楠野は依然として笑い、龍ケ崎に向けて奇声のようにも聞こえる言葉を発した

「僕はもう負けませんよ、龍ヶ崎さん」

旋風も弱まった中で突然の宣言に一同は一瞬静まり返るとその隙を見計らったように楠野は手元に握っていた物のピンを外す。

その光景を目にした瞬間、龍ケ崎は咄嗟に内海に叫んだ

「逃げろッ!」

楠野は手にした物、手榴弾を龍ケ崎の方へと投げる。と放たれた手榴弾は綺麗な放物線を描き龍ケ崎の元へと投げ込まれる。手榴弾はピンを外してすぐには爆発はしない、しかし爆発しようものなら致命的なダメージを受けることは間違いない

もしそれが、ゲームの世界で生きる人間に当たりでもしたらどうなるか

真っ先に動き出したのは凛だった。龍ケ崎の元へ投げられた手榴弾の元へと走り出す。


しかしその行動は敵に背を向ける自殺行為に過ぎない、ここぞとばかりにグランは凛の背中に銃口を向ける。

「もらった...」

グランの勝利を確信した小声はしかし一人の銃弾でかき消される。

「させませんよ」

内海の言葉と同時に『LI―VE』のグランは光となって消えた

しかし依然として状況は余談を許さない、手榴弾は龍ヶ崎の元へと確実に飛来してくる。

「クソッたれが!」

鴉野はそう言って楠野に銃口を向けるが対抗しようとする素振りを見せないばかりか先程よりも声を荒らげて笑っている

「もうこれで何もかも終わりだ」

笑う楠野に反して手榴弾の元へと走り腕を伸ばして手榴弾を掴む一人の人影が

「終わらせない」

凛は今にも炸裂しそうな手榴弾を掴んだまま言うと続けて言葉を言う。

「マジック 『テレポート』」

その瞬間、龍ケ崎の目の前から凛の姿が消えると同時に頭上に黒煙と衝撃音が響き渡ると火薬の匂いが鼻についた、爆発は予想以上に強く衝撃波であたりの木々は葉を揺らす。

そんな中でも一人だけ笑う、その異様な姿を龍ケ崎は睨んだ。

「まさか自分から死ににいくようなことするなんて、仲間思いっていうかね...」

「もう終わりだ」

龍ケ崎の言葉と同時に鴉野は楠野に向けてハンドガンの引き金を引いた。

重い銃声と共に急所に当たった銃弾を避ける素振りすら見せずに笑っていたのは諦めの現れだったのか、それとも他に何かあったのだろうか。

ともかく、こうして俺たち『Re: rights』は凛のおかげで勝利した。


試合結果 2時間29分08秒

『Re: rights』残り3人

『LI―VE』 残り0人


『Re: rights』が『LI―VE』を殲滅した事により勝利


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