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『Re:rights』  作者: 藤崎透
Re:vival
22/139

『Re:rights』VS『Universal Soldier』

「まずは一人」

後ろからの奇襲を避けて狙撃場所を見ると丁度、内海が敵を倒しその敵は光となって消え去る瞬間だった。

内海も龍ケ崎を見て静かな時間が流れた、しかしそれも束の間だった。龍ヶ崎が体を立て直すと同時に一発の銃声が響き渡り空気を変える

龍ケ崎は銃声のした場所を体を捻りながら見てみるとそこにいたのは先程の戦闘で龍ケ崎の体力ゲージを減らした相手だった。手に持っているのはボルトアクション式の遠距離武器、この近距離が有利の中で火力を活かす為に遠距離武器を使う者も少数ながら存在する

龍ケ崎は捻った体制を素早く整えると力強く一歩踏み出して敵に向かって突撃していった。

敵までの距離まで走っておよそ15秒、初弾を避けた今、次の銃弾が来るまでそれなりの時間がかかるはずだ。銃口から目を離さず弾道を予想する。

簡単なことではないが龍ケ崎にとってみれば出来ない事ではない。引き金に置かれた指が動くの同時に弾を避けるように上空に飛び上がった。

敵の銃弾を見事ギリギリで躱した龍ケ崎はハンドガンの銃口を敵に向ける。

正確に頭部を狙い引き金に指をかけたとき、どこからともなく大きな発砲音が聞こえるとその銃弾は龍ケ崎の髪の毛先を擦った。

龍ケ崎から見て目の前の敵の20メートル左側の場所にもう一人スナイパーがいた

飛び込んできた龍ケ崎の頭部を狙ったのだろう、あともう少しタイミングがずれていれば確実に即死だった。

しかしそんなことで龍ケ崎は動揺はせず、小さく呟く

「そんな弾当たるかよ」

龍ケ崎は空中で体を回転させて今発砲してきた敵の体に2発の銃弾を当てて体制を崩し自身が着地すると同時にトドメと言わんばかりに銃弾を心臓に命中させた。

「これで二人」

華麗に着地を決めると再び走り出し目の前の敵を倒しにかかる。相手は突っ込んでくる敵の姿に驚き一瞬手が止まったがすぐに銃口を急所に向けて引き金を引いた

龍ケ崎自身が敵との距離を詰めているのでもちろん先程よりも銃弾が早く到達するのが常識だ。そうなれば避けることは困難を極める。

しかし、龍ケ崎は体を捻りいとも簡単に敵の銃弾を避けて敵に進んでいくことをやめようとはしない。人間離れしたその行動に敵はすかさず叫んだ。

「アサルトライフル 『AIU26』」

そう言うと、先程まで使っていた遠距離武器から近距離武器であるアサルトライフルに変わった。

遠距離武器だけでなく近距離武器まで使いこなせる。やはり経験を積んでいるクランだけのことはある。だけど龍ケ崎は一切焦りはしなかった。

「敵は俺ひとりじゃないんだぜ」

勝ち誇った顔でいう龍ケ崎を見て、改めてマップを確認するとその言葉通り先程まで敵を倒してその場に立っていた内海が後ろから突撃してくるのがわかった。

慌てて振り向くと内海は中距離のところにいた。それを見てアサルトライフルの銃口を向ける。

しかし反射的におこなったその行動が罠だと振り返る前よりも声が近い事で龍ヶ崎がすぐ後ろにいると分かり気づいた。

「だからひとりじゃないって言っただろ」

体の向きを変えることも出来なかった。それは恐怖や絶望などではなく背中に心臓を狙う銃口の確かな感覚を感じたからだ。

敗北、それを悟るのに引き金を引くまでの時間はいらなかった。



敵が消えていく光と共に『WIN』の文字が目の前に表示されたのを確かに確認すると龍ケ崎は手に握ったハンドガンを力なく地面へと落とした。

足に力が入らず地面へと倒れ込むと心配した内海が急いで龍ケ崎のもとへと近づいてくる。

「龍ヶ崎さん大丈夫ですか!」

今にも途切れそうな意識の中、内海の声が聞こえると龍ケ崎は倒れたまま返事を返した。

「悪いが起き上がるのを手伝ってくれないか?」

龍ケ崎は力なく右腕を上げて内海に助けを求める。

言われた当人は心良く受け入れて肩に腕を回して龍ケ崎の体を持ち上げた。

「無茶しすぎですよ」

「このくらい無茶しないと勝てなかったからな」

そうつぶやきながら昔のことを思い出した。これでもまだいい方だ、過去には試合に集中しすぎて意識を失ったときよりかはまだマシだった。

「でも、おかげで勝てたので私にはこれ以上言う資格はないですよね…」

その言葉とは裏腹に内海の顔は満足感に満ちていた。ひとまず死の恐怖から解放されたんだ、安心して頬を緩ませているのだろう。龍ケ崎はその顔を見ると静かに口を開ける。

「とりあえず拠点に戻らないか」

今の状況を改めて見てみると女子に肩を借りて二人で話し込んでいる。そんなの話を聞くだけでも小っ恥ずかしい

「大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だから良いから早く拠点に戻してくれ」

龍ケ崎は肩にかけられていない左腕を広げ降参の意を示した。

満足気な顔をより一層明確にすると内海は自身のホログラムを呼び出してボタンを押すと同時に二人の体は光に包まれた。


対戦結果 勝者『Re: Rights』

試合時間1h06m48s


『Re: rights』

残り2人

『Universal Soldier』

残り0人


『Re: rights』が『Universal Soldier』メンバーを全員倒したことで勝利


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