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『Re:rights』  作者: 藤崎透
Re:legend
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Beginning of nightmare

「そしてこれが、その技術を元に2028年に発売され、後にファーストティーンとして社会問題になるまでに広がったゲーム『Game Shift 01』が発売されたときの記事だ。発売された当時からウェアラブルコンピュータメガネをかけるだけで現実世界と仮想世界とをリンクさせ出現する敵を倒していくこのゲームには大きな注目があって、現実と仮想との区別がつかなくなって危険だと言う人間も出たりした。しかし、それはゲームに取って見ればいい宣伝になったも同然、益々売上を伸ばし仮想空間という世界は一般的にも広がっていった」

言い終えると蜂谷は間髪入れずに画面をスワイプして記事から記事へと移り変えていく

「やがて、それらのゲームは年を追うごとに進化していき2030年には『fantasy World multi Play』で複数人による同時対戦プレイが可能になり2034年にはその技術を応用し規模を拡大した『CLOWS OF WORLD』が発売。それらの進化するゲームの発売に伴って、人々にはある夢が生まれた。それは何か」

そこで言葉を切った蜂谷は答えを求めるようにちらりと俺を見つめる、それに答えるように俺は小さく呟いた。

「仮想空間を使った体感型大規模オンラインゲーム、つまりVRMMOゲームの誕生」

「そう、技術が進歩するにつれて兼ねてより夢だったVRMMOゲームを2035年にそれまでの技術を余すことなく使い、更にはまだまだ未完である『HES』を使い完全仮想空間を生み出すことに作成に成功、そしてその三年後にはそれらの技術を受け継いで作られたゲーム、つまり今の『Act Frontier War』が発売された」

一応に言葉を言った鉢屋はふと大きく一息吸うと、再び画面をスライドして新しい記事を見せると俺のことを見つめる。

「こうして、広まっていったゲームは国内だけでは無く世界までをも巻き込むほどに成長しそして国をも動かす力を持ち始めた。結果この四半世紀で各国のパラメーターは軍事力ではなく仮想空間による対決によって図られるようになっていった。その証拠に二年前の2039年、国連は各国のパラメーターが仮想空間の戦闘で図られ現実世界の軍事力が減ったこと、それに伴う戦死者が減少した事を評価した。それらを機に世界の国々は現実の軍事力を増強させるより仮想空間による戦闘力に力を入れはじめた」

「その話が俺と何か関係あるんですか?」

その問いに蜂谷は少し笑を浮かべた。

「なに、そのことは順を追って話すさ。世界の軍事力のパラメーターが現実世界の軍ではなく仮想空間の対決によるものに変わっていった。それは私たち日本も例外では無い、寧ろ我先に飛びついた、現実世界の軍事力では世界に負けるが、現実の軍事力とは関係のない仮想空間上での戦闘に勝てば軍事力以上に外交上にも有利に立てるんだからね。そこで2038年、政府は仮想空間における戦闘のエキスパートを集めた。それが『Japan Leiurus Quinquestriatus』通称『J.L.Q』というわけだ」

その時、俺の頭の中で九十九の顔が浮かんだ。

あの冷酷で冷たい眼差し、いつも物事を見透かすような口ぶり、結成された五年前というと九十九は14歳だ。そんな俺と二つしか変わらない少女が国を背負って戦っているとは思いもしなかった。

「ここからが本題なんだけどね」

蜂谷は驚く俺を見つめもったいぶるようにそう言うと続けて呟く

「今回の『AFW』世界大会はこれまでにないくらいの規模で開催される。そこで各国は今回の大会の結果をパラメータとしようと考えているんだ。日本政府としてはそこで良い結果を出して世界での立場を上位にしたい。だから当然、日本中から集めたエキスパートを『J.L.Q』に期待をするわけだが、期待通り『J.L.Q』はその実力でここまで勝ち上がってきた。だから僕は彼らが日本で一番強いのだと思っていた。だけど今日、君たち『Re:rights』との対戦はどうだったか?」

「あれは、俺の意識が無くなったから無効試合になったはずでしょう?」

「確かに結果としては無効試合だ。だけど君と九十九くんとの一騎打ち、あの時に倒れさえしなければ君が勝っていたことは間違いないだろう。そこで僕は確信したよ、今の日本で一番強いのは『J.L.Q』ではなく『Re:rights』なのだと」

そういう蜂谷が口元がニヤリと不気味に微笑んだ。

しかし、それを聞いた俺は自分が日本一だと言われてもなぜか嬉しさが込み上げてくる事は無かった。

「そこでだ...龍ケ崎君、君に僕から、いや日本政府からお願いがあるんだ」

「願い?」

「うん、日本代表として今回の『AFW』世界大会で優勝する事。簡単なことだろう?」

蜂谷は依然として不気味な笑を浮かべたまま俺のことを見つめているだけだった。

その言葉に俺はしばらく言葉を詰まらせ無言で考えていたが、何かを思い出すかのように問いかける。


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