『Re:rights』VS『J.L.Q』
俺たちがポイントされた地点へと近づいたとき、そこにはまだ九十九たちの姿はあり鴉野に撃っていたアサルトライフルの人間は弾が切れたようでリロードするところだった。
そんな姿に、俺は手をチョキの形にすると渉と凛に合図をして二手に分かれると腰に付けたバックの中からグレネードを取り出してそれを掴むとそのまま九十九たちがいる建物の上へと着弾するように投げ込んだ。
そのグレネードは放物線を描き、見事、九十九たちが立つ民家の瓦の上に落ちた、とその音に瞬時に反応した三人は素早く体を捻りジャンプすると隣の民家の屋根に飛び移りグレネードから距離を取った。
その瞬間を見計らったように俺は避けた先の九十九を背後から銃で狙った。
「もらった…」
ハンドガンの銃口が九十九の黒く長い髪が風に揺れる後頭部に狙いを定め引き金を引けば倒す事を確信した。
しかし、それは甘い判断だと気づかされたのは遅くはなかった。
背後から飛び出すようにして狙う俺に九十九は右腕を後ろに向けていたのだ。
つまりは俺たちがグレネードで陽動させるのを一瞬にして判断し、背後から俺が飛び出してくるのも予想していた
向けていた銃口が一転して自分自身に向けられる。そんな状況を作り出すのは決して偶然では無い、九十九の実力と経験と才能、それら全てだった
「くッ…」
向けられた銃口の黒い穴は俺の心臓を的確に狙い、そして俺に反撃の隙を与えまいと銃弾を放った。
空中に飛ぶ俺は避けようと体を捻らせるが左腕に逸らすの精一杯で体力ゲージを4分の1程減らされたのを横目に空中で体を捻った事でバランスを崩し九十九の後方にある建物の屋根の上に投げ出されるように着地した。
それと同時に先ほど投げたグレネードは炸裂し木造二階建ての一軒家の二階部分を瓦と一緒に吹き飛ばし周囲に瓦礫を散乱させた。
「陽動作戦か、確かに油断している相手には有利だが。油断して無い相手には凶と出るかも知れないな」
グレネードの威力で燃え盛る建物を背に振り返った九十九は屋根の上で寝転がる俺を見ると冷たい微笑を浮かべた。それはまるで小さい生き物を無残に殺す小さい子供のような冷酷なもので恐怖さえ覚えるものだった。
「クソ…」
俺は着地した時とグレネードで吹き飛ばされた建物が撒き散らした瓦礫の数々を押しのけるようにして立ち上がると目の前に立ちふさがる九十九を睨みつけた。
「なんだ君…そんな怖い顔をするな」
「ふん、お前のほうがよっぽど怖い顔してるぜ?」
俺は睨みながら辺りを見渡して渉と凛の姿を確認した。
すると二人はそれぞれ、他の相手と対決しており銃声やグレネードなどの爆発音が家屋が立ち並ぶ中で響き渡る。
そんな俺に、目の前の九十九は不意に言った。
「そんな、よそ見をしていて大丈夫かい?」
「何がだ?」
「君がその場所に転げてから今まで私が君にトドメを指すことが出来た回数は7回だ。そんなので君は私を倒せるのかな?」
不敵な笑をより一層不気味にする。この時から九十九は俺にとってみれば嫌味を言うそんな人間として見ている。俺は大きく息を吐き出すと手にしたハンドガンを強く握り締めると口を開いた。
「そうか、それならやってみろ」
「言われなくても、やるつもりさ」
そう言うと九十九はまるで刀を持つようなポーズをすると手にしたハンドガンを握り締める。
俺と九十九は互いに睨み、どちらが先に動くのか牽制しあう。
風が火の勢いを強くさせる中、火の粉が俺と九十九との間に入り込んだ時だった。
「行くぞ…」
九十九の小さな声と共に勝負は再び動き始めた。




