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『Re:rights』  作者: 藤崎透
Re:legend
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『AFW』 The last qualifier in Japan

凛は無事に高校へと進学し、俺たちも高校二年になった関東予選から3ヶ月後の5月。俺たちは『AFW』日本最終予選大会の会場に立っていた。

試合形式はこの前の関東代表大会と同様に7つのブロック分けされた各代表は2つにグループ分けされるとそれぞれグループの中で生き残ったクランが日本からの選出クランとしてなる。

壇上に並べられた全国のそれぞれの地区予選を勝ち抜いた猛者たちの中で俺は頭上から降り注がれるスポットライトの光を受けると同時に目の前に広がる記者たちが俺たちに向ける無数のカメラが眩しく光った。

というのも、残ったクランというのはその当時、話題となり巷には『AFW』四天王と呼ばれていたクラン。新進気鋭として期待された俺たち『Re:rights』、言わずと知れた最強クラン『J.L.Q』、そしてその『J.L.Q』と幾度となく戦いを繰り広げてきた西日本最強『Red.Panthera.leo.Clan』通称『RPLC』、それらのクランと肩を並べ主に西日本を中心に活躍する『Charon』が例にもよって日本予選に残り顔を並べていたからだ。

もちろん他にも強豪と呼ばれるクランはいくつもあったが、『AFW』四天王と呼ばれるクランが初めて一挙に集まったおかげで会場のみならず日本中が沸いていた。

「しかし、すごいなこの熱気は」

壇上の上から眺める目の前の人々に俺はつい身を引いてしまいそうになった。

「そりゃあ『AFW』四天王が集まっているんだからね」

渉の言葉を聞きながら俺は会場中央に設置された巨大モニターの文字を見つめた。そこには先ほど紙を引いて選ばれたグループわけの一覧が表示されており、俺は自分のグループのクランを一様に見つめた。

「俺たちBグループの中で厄介なのは、やっぱり『Charon』か」

「そうだな、これまで一回だけ戦ったことがあるがそのときはギリギリ俺たちの勝ちだったっけか」

「うん、あの時は龍ケ崎先輩と矢薙先輩が二人で決めたんだよね」

それは大会から約一年前、とある大会の準決勝戦でのこと。試合は早々に動き出し死闘の末に残ったのは『Charon』のリーダー秋津、『Re:rights』は俺と渉の三人となり一騎打ちの勝負にもつれ込んだのだが、なんとこのリーダー秋津は俺と同じように二丁拳銃を使い手で、両手に銃を持った状態で俺たち二人に襲いかかってきたのだ。

結果として二人だったから勝てたものの、もしタイマンにもつれ込まれでもすれば勝率はかなり低かった事は間違いない。

俺はその時の状況を思い出すと手の汗が滲むんできた。

「それでは、日本予選試合開始です。それぞれのクランは指定の筐体の方へと入ってください」

司会者の声と共に、俺たちは歩を進めて筐体のある会場へと進んでいく

「龍ヶ崎くん、頑張って」

筐体の前まで来ると若葉に声をかけられ俺は言葉を出さずに手を上げてそれに答えると横を歩くメンバーを見つめて頷いた。

筐体の中へと入り準備を終えると、目の前の3人の顔を一人一人見つめた。

「これに勝てば次は世界だ。だからって油断するんじゃないぞ」

「もちろん」

「ああ、分かってるって」

「大丈夫」

それぞれの意思を確かめると俺はふと笑みを浮かべた。

「一、どうかした?」

「いや、ついにここまできたんだなって思ってな」

俺はメンバーの顔を見比べた。

「『Re:rights』として、そのリーダーとしてここまで来れた事を俺は感謝してる」

「龍ケ崎、何言ってるんだ。そういうのは勝負に勝ってから言えって」

「そうですよ龍ヶ崎先輩、鴉野さんの言うとおりそういうのは勝ってからだよ」

俺は二人が笑みを浮かべる隣で渉は同じように笑みを浮かべる。

「もちろん、勝つよ」

それぞれ浮かべた笑みの中で、残り少なくなった秒数を横目に大きく息を吸い込んだ。

「それじゃあ、『Re:rights』作戦開始だ」


日本予選Bグループのステージは言わばショッピングモールのような建物で高さは45メートル9階、地下3階で端から端までの横幅は3kmの巨大な建物で中央には吹き抜けのように屋上から一回まで陽が差し込むようになっている。

一見すれば、その複雑な構造を使うで有利に試合を進められそうだが、ステージがそんな建物ゆえに敵との遭遇率は決めて高いことは予想するに容易い。さらに言えば建物が複雑な構造なために鴉野のような遠距離タイプの銃器には不向きで、攻撃手段がかなり限られてくる。

拠点地点は建物5階の洋服屋で棚にはきちんと折りたたまれた洋服が並べられており、マネキンには流行りの服が着飾られていた。

そんな店のなか、俺たちは姿勢を低くしそれぞれの顔を見合わせながら作戦会議を始めた。

「Bグループは俺たち含めて8クラン32人、その中でも一番やっかいなのが『Charon』だろうな。だから、ただ正直に突っ込んで勝負を仕掛けた所で前の試合のようにほかのクランが来て巻き込まれる可能性が高い」

「それじゃあ、どうするの?」

凛の問い掛けに俺は大きく頷くと目の前に広げたステージの地図を見つめながら呟いた。

「俺たちはあえて攻撃を仕掛けに行こうと思う」

「でもさっきは危険だって」

「ああ、確かにこの状況でわざわざ攻撃を仕掛けるのは危険な行為だろうな。だけど、だからこそ攻撃を仕掛けるんだよ」

「なるほどな」

小さく頷いた鴉野はそう言って何かイメージをするように瞼を閉じた。それに続くように渉もニヤリと笑みを浮かべた。

そんな状況に取り残されるように俺を見つめ続ける凛に、俺は静かに話を切り出した。

「この状況で自分から出ていくクランはいないで待ち伏せを使うだろう。だから俺たちはわざとその中に入って不意打ちをするんだ」

「そんなこと出来るの?」

「まぁ、厳しい事は間違いないだろうな」

鴉野の言うとおり、相手の待ち伏せの中に入っていくなど自ら罠に入っていくのと同じことだ。考えなしに相手の罠へと入って行けば一瞬にしてやられてしまうことは間違いないだろう。

「そこで、策があるんだが」

俺はそう言って天井の付近を見つめて笑みを浮かべた。

「一、何か思いついたの?」

渉のその問い掛けに答えるように俺は見つめる先を指差した。

「あれを使おうと思う」

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