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『Re:rights』  作者: 藤崎透
Re:legend
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『AFW』 preliminary tournament

仮想空間では8時間の時間が経過し街全体は日が暮れ影を落とし始めていた。

俺たちはさらに敵をおびき寄せるのを警戒して渉が倒された地点から南に移動し一転して荒廃した建物が立ち並ぶ区画の一軒家の中に身を潜めた

「まさか、生き残りがあんな場所から撃ってくるとはな」

「ああ、俺たちがクランを一つ倒した所で撃ってきたのも考えだったんだろう」

二つのクランが対戦している中を割るようにして銃弾を放てばその両方のクランが打ち込んでくるかもしれない。だから敢えて、二つのクランが同士討ちして弱くなったところで撃ってきた。少しでもポイントを稼ぐために一人でも倒そうとするなら、それが最善の方法だろうことは簡単に想像がつく。それだけこの大会に対する思いがそれぞれのクランにある分かった。

「矢薙先輩がいなくなった以上どう動きます?」

渉がいなくなった今、残ったクランは俺達を含めても3つで俺たちが倒したのは2クラン分の8人、他の二つのクランは4人ずつと、優勢なのだが相手のクランもメンバーは一人も殺られていないのでこのままでは絶対に勝てるとは言い切れない状況にいた。

「まぁ、それはおいおい考えるとして、今は下手に動くの危険だから此処で日が昇るまで待機しよう」

夜になると暗くなり下手に焦って動き回って気付かないうちに相手の罠に引っかかったなんてのは最悪の自体を招きかねない。

俺はリビングと思わしき部屋で一人深く椅子に座りながら。瞼を閉じて大きく息を吐き出すと考え始めた。

相手がやられていない以上、戦闘をするにも俺たちは数的に不利な状況。それを覆すには何かしらの作戦を考えなければいけなかった。


俺たちに出来ることは何か、瞼を開いて目の前にマップを広げて見ているとあることに気づき深く座っていた椅子から立ち上がる

「これは…」

そう言いながら俺は体を前のめりにして地図に表示されるその場所に目を凝らして見つめて改めて確認するとその10秒後には俺は勝利を確信して自然と口元を緩ませそのまま椅子部屋から出ると辺りを警戒する凛と鴉野の二人を呼び寄せると早速、口を開いた。

「作戦を伝えるぞ」



試合開始からゲーム内の時刻で約15時間、仮想空間の世界の空が白み始めるはじめると同時に俺たちは伝えた作戦通りに動き出した。睡眠が必要ではない仮想空間では寝不足等による身体的な変化が起きないため一日中動き回っても疲れを感じることはない。

「二人共、位置についたか?」

「俺はいつでも行けるぜ」

「私も、今着いたところ」

俺はそれらの声に頷くと上空にハンドガンの銃口を向けると引き金を引いた。

同時に静寂した街に遠くまで轟く一発の銃声、それは敵味方を関係なくそれぞれのマップに位置を表示させる。

一旦場所が分かれば、敵はそこにやってきて狙いを定めるだろう。

だからこれは相手をおびき寄せる意味があるのだが、それが意味するのは失敗は許されないということだ。

「次、凛頼んだぞ」

「了解」

言葉と同時にもう一発、鋭い銃声が辺りに鳴り響きマップには二つ、俺と凛の居場所を表示させる。

しばらくは相手も警戒して動かないだろうことは分かっていた。だから俺はその場に立ち尽くして辺りの物音や気配などを感じ取り警戒をしていた。

そうして俺が銃声を発砲してから、丁度15分が経過した時だった。

微かに金属が擦れるような音がしたと思った次の瞬間、俺から見てマップ後方約1kmの建物に敵を示す赤色のポインターが表示されると発砲音と共に俺の後頭部を狙う銃弾が飛んできたのを確認した。

「来たぞ」

その発砲音と共に足を動かして振り返るようにして銃弾を避けると、目の前からと横の路地から狙う相手の姿を確認すると手に掴んでいたハンドガンの銃口を構えてメンバーの二人に向かって叫ぶ

「作戦開始だ」


言うのと同じくして俺は引き金を引いて一歩動きが出遅れた目の前の敵の心臓部を狙い銃弾を放ち仕留めるがその銃弾を放つ隙をつくように横の路地からの敵の仲間がハンドガンの銃口を向けて数弾銃弾を放った。

俺はそれを避けようと体を低くして物陰に隠れながら、その逆の建物の路地裏に逃げ込むようにして走り出した。

路地裏の道を走りながら口を開いた。

「凛、そっちはどうだ!?」

「今、戦闘中!」

そういう凛の言葉と共に遠くから銃声が聞こえてきた。そして画面越しに見てみるに凛も俺と同じように走っていた。そんな仲間に俺は大きな声で言った。

「分かった、こっちは43秒後に目的地までたどり着く」

「おっけ、ちょっと厳しいかもだけど何とかやってみる。っていうかやるよ」

「まかせた…」

そのときだった、路地を走る目の前にも俺に銃口を構えるもうひとり薄暗い闇の中で敵の立っている姿が確認すると咄嗟に俺は後ろに行こうとしたが、後ろには先ほどの敵が追いかけてきて挟み撃ちにされることは簡単に予想できる

「くッ…」

唇を噛んだ俺に対して、目の前の敵は容赦なく手にしたアサルトライフルの銃口を向けると引き金を引いて銃弾を飛ばしてくる。

その飛んでくる銃弾に対して俺は体を地面に滑るようにして避けると瞬時にホログラムを開いて武器を取り出しその武器を今まさにとっている路地裏を作り出している左右の建物の内に右側の建物の屋上目掛けて放った。


するとその銃口から出てきたのは鈎縄だった。そう俺が出したのは『Jump Hock』だった。

咄嗟にこの武器が出てきたのは前の対戦があってのことだが、今回は前とは違い下に降りるためではなく上へと上がるためだ。

俺は放たれた先端の鈎が建物の屋上の縁に引っかかるのを確認すると縄を強く握り締めると飛び交う銃弾のタイミング測って起き上がると両側にある壁を利用してよじ登ると屋上に飛び込むようにして登りきった。


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