『AFW』 preliminary tournament
関東代表大会の会場は前の東京代表大会の会場と同じ場所で開催され関東それぞれの都県を代表14クラン56人のプレイヤーが横並びになりそれぞれ顔を見合わせるとそこには有名なクランから初めて聞いたようなクランまでそろい踏みしていた。
そんな中で俺たち『Re:rights』は東京代表として『J.L.Q』の隣に並んでいた。
そこで、関東代表大会は前の東京代表大会と同じく二つのグループに分かれるのだが、そのグループに別れた中でトーナメント戦を繰り広げるのではなく一斉に戦ういわばバトルロワイヤルで勝敗を決める。
そしてそのグループの決め方だが同じ都県の代表同士が争わないようにそれぞれでくじを引いて決めるのだ。
「では東京代表『Re:rights』はグループA、ということは『J.Q.L』はBグループに入ることになります。これは凄い戦いになりそうですね」
司会者は俺の手にした紙を見ると言葉大きくそう言って後ろの巨大な電子テレビに反映される。
そうして俺たちプレイヤーはそれぞれのグループが決まると試合会場へと行き用意された人数分の筐体の中へと入り試合が始まった。
これまでとは違った緊張感、俺は大きく息を吸い込み瞼を閉じると自分の中の世界へと入り込み精神統一をする。
やがて開ける視界の中で俺は呟いた。
「複数のクランとの戦闘は個々の能力が反映されやすい、皆、全力出す準備は良いか?」
「ああ、もちろん」
「大丈夫」
「いつでも行けるぜ」
メンバーの声にそれぞれの顔を見比べると俺は頷くといつものように言う。
「それじゃあ行くぞ」
視界が明瞭になりステージの全貌が見えてくる、区画ごとにそれぞれ別れたステージは近くには背の高い建物が立ち並びその横には沼地が広がる。そしてその横には廃墟と化した街が立ち並びその隣には木々が生い茂るジャングルが見えた。話によればひとつの区画は約半径2.5キロメートル、それが4つに分かれてそう面積は半径5キロメートルとかなり広大なステージだった。
「すげぇな」
「思ったよりも広いんだね」
それぞれこの光景を見て言葉が漏れ出てしまう。
しかし、この中には俺たちを覗く強豪の6つのクランが潜んでどこで狙われるかも分からない状況ということを忘れてはいけない。
「まずは、一番手前のあのビルが立ち並ぶ区画から行ってみるか」
手にしたハンドガンを手にするとリスポーン地点であるビルの屋上のドアを開けると階段を下って行った。
背が高いビルが立ち並ぶ区画にたどり着いた俺たちは先に鴉野を辺りを警戒させてその中で道を慎重に警戒しながらゆっくりとした足取りで一歩また一歩と練り歩いていく
気づけば試合が始まってから1時間半の時間が経過しており一つのクランが脱落、その戦闘したクランの一名が脱落といったところだった。
このゲームのシステムとして他の相手がそれぞれ自滅していくのを待つ戦術を取ることはできない。というのも、そういう行為自体を防ぐために試合の内容は『AFW』内にある機械で採点され最終的にはポイントの合計点で順位が決めるようになっているのだ。
つまり、相手が自滅し合うのを待っていてもポイントで負けてしまえば意味がない、勝つためには積極的に動きより多くの敵を倒す必要がある。
なので一つのクランがやられた以上、ほかのクランはポイントを稼ごうとそれまで以上に活発に動いてくる、それは俺たちも例外ではなくそして、その瞬間は遅くはなかった。
ビルが立ち並びその間に線を引いたように通る4車線の大通りを歩いている時だった。
遠くの方から微かなスナイパーライフルの音がすると共にそれは俺に向けられているのだとすぐに分かった。
「来るぞ!」
俺が叫ぶと同時に四方の物陰に隠れたと同時に鴉野の叫びにも似た声が耳元で聞こえる。
「前方1.5キロにスナイパーライフル、他に11時の方向にアサルトライフル、2時の方向にハンドガンがそれぞれ一人ずつ、後の二人はそっちに接近中だ」
その言葉を言いながら鴉野はマップにポインターをつけて相手の位置の詳細の情報を加える。と同時に俺は頭の中でそれらの情報を元にした作戦を考える。その間も鳴り響く数発のライフルの銃声はいわいる牽制するためのもの、そんな中で俺は瞼を閉じて大きく息を吸うと口を開いた。
「分かった。それじゃあ鴉野はスナイパーを排除、凛は11時、渉は3時のそれぞれ近距離武器の相手と戦闘をし、俺は援護に回る。まだ見つかっていない敵のもうひとりがいる以上、無理をすれば相手の思うツボだから、気を付けて行動しろよ」
「了解だ」
「了解」
「おっけー」
それぞれ頷くのを見ると俺は手にしたハンドガンを強く握る。
「それじゃあ、カウント行くぞ。5…4…3…2…1……0」




